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アリババ上場 外国投資家の致命的落とし穴

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http://www.epochtimes.jp/jp/2014/09/img/m56682.jpg


アリババ上場 外国投資家の致命的落とし穴


大紀元日本9月23日】市場最大級の上場となり、ニューヨーク証券取引所で19日(現地時間)、公募価格より38.07%上がった93.89ドルで初日取引を終えた中国電子商取引会社のアリババ。興奮が冷めない市場に対し、各方面から、「同社株を購入した外国投資家はその実質的株主にはなれない」と警告する声が強まり、そのハイリスクが浮き彫りになった。中国株特有のVIE構造の問題だ。

中国政府は通信関連を含む一部業種を対象に、外国資本の出資を厳しく制限している。こうした状況において、海外上場を志す新興企業はある抜け道を考案した。「VIE(Variable Interest Entity、変動持ち分事業体)」である。海外で中国国内企業の本社としてオフショア会社(VIE)を設立し、海外市場で上場を果たせる、という仕組みだ。もちろん、外国投資家はVIEの株主であり、中国国内企業の株主ではない。

アリババの場合、創業者の馬雲氏ら中国人投資家が全株式を握る中国企業アリババと、ケイマン諸島に設立された同社のVIEであるアリババ・グループ・ホールディングス(AGHグループ)との間で、アリババの収益をそのままAGHに帰属させる諸契約を結んでいる。ニューヨーク市場でその株を購入した外国投資家はアリババではなくAGHの株主となる。

もっとも大きな問題は、VIE構造そのものは中国のグレーゾーンで法律に認められていないこと。これまで黙認してきた中国当局が将来「VIEは違法だ」と判断を下す場合、「アリババとVIE間の諸契約に法的拘束力がない」ということになり、外国人投資家がアリババの中国人投資家を相手に訴訟を起こしても、勝訴する見込みは極めて低い。株主権益だけではなく、持ち株もただの紙切れになる可能性は大だ。

アリババ自身も今回の上場にあたり、米証券取引委員会(SEC)に提出した目論見書で、このVIE構造のリスクに言及した。

同社と中国政府当局者との近い関係は、同リスクをさらに高めさせている。

「アリババの中国人投資家には太子党(中国共産党高級幹部の子弟)メンバーが多い」というもっぱらの噂がある。米議会の諮問機関である「米中経済安全審査委員会(USCC)」はその上場直前の12日の報告書で、同社と太子党との間に巨大な利益関係があるとし、その投資のハイリスクを警告した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは19日付の報道で、「何億人もがアリババから利益を獲得しようとしているが、同社の組織のトップの存在は不明確であるうえ、政治色があり、脆弱だ」と改めて投資家に注意を喚起した。

アリババだけでなく、中国大手ポータルサイト百度バイドゥ)など1999年以降に米国株式市場に上場した200社以上の中国企業のうち、ほぼ半数がVIEを設立した。

「VIE構造は中国政府の一声で破たんしてしまう」。 多くの外国投資家はアリババ株を含む海外上場の中国株に大金をつぎ込む前に、この危機的問題を認識できたのか。

無論、アリババのニューヨーク市場上場により、日本の長者番付の首位になったと報じられているソフトバンク孫正義社長もアリババの実質株主ではなく、AGHの筆頭株主に過ぎない。

(翻訳編集・叶子)


中国、上場後のアリババを「やっつける」か 北京指導部からの衝撃的情報=香港誌



大紀元日本9月19日】中国の電子商取引最大手、アリババ集団(BABA)は19日にニューヨーク証券取引所NYSE)に上場する見通し。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は今年7月、謎めいた政治的背景を持つアリババの投資会社や「※1紅二代」株主について報じた。香港メディアは最近、北京指導部の情報筋の話として、中国当局は米国上場後にアリババを「やっつける」可能性があると伝えた。

「紅二代」、アリババ上場の真の勝者

NYT紙は7月21日、長篇評論「アリババの背後にある多くの「紅二代」株主が米国上場の真の勝者」を掲載し、深い政治的背景を持つアリババの投資会社の状況を明らかにした。報道によると、江沢民国家主席の孫、江志成(Alvin Jiang)氏が設立した「博裕ファンド」や、陳雲元副総理の子息、陳元氏が15年間率いた「国開金融」(CDBキャピタル)、中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員の息子、劉楽飛氏や中国共産党の革命元勲、王震・大将の息子、王軍氏に関係する「中信資本」(シティック・キャピタル)など、いずれもアリババに投資しているという。

NYTはまた、「今や、アリババを倒すためには巨大な衝撃を与える必要がある。・・・諸々の国家部門では多くの密接な政治的同盟者を有する」と、北京ベースの証券分析会社美奇金投資コンサルティング会社(J Capital Research)の共同創立者楊思安(Anne Stevenson-Yang)氏の話として述べた。

香港誌「中国密報」の最新号は、「アリババと四大太子の黄金の宴」と題する記事では、北京の情報筋の話として、「NYTの分析は根も葉もない話ではなく、目下の中南海(北京指導部)の情勢に関する一つの客観的論述である。ある指導部関係者からは『これらの紅二代が米国上場で資金を集めた後にアリババをやっつけても遅すぎない』との脅し発言があった」と述べた。

アリババが直面する 潜在的なリスク

今月9日にニューヨークで行われた推進会議では、アリババ創設者の馬雲会長(50)が「当面の最も重要な課題は主に中国各地の政府と政府関係者との関係を維持することである」と述べた。アリババは多くの江沢民派の「紅二代」株主を持っており、江沢民派という色合いが強いため、特に、習政権が展開している共産党政権史上最大規模の腐敗撲滅運動の嵐の中で、江沢民派の大物政治家が次々と失脚していることから、中国政治への強い依存性が働いているこの企業にとって、計り知れない潜在的なリスクとなっているとみられる。

今年の8月中旬から、アリババに関するスキャンダルが海外の中国語メディアから連続して発信された。あるネットユーザーは香港誌アップルディリーの電子掲示板(BBS)で、アリババの馬雲会長と江沢民元主席の孫や劉雲山の息子などの紅二代らは尋常でない「政治的野心」を持っており、彼らの同盟は「単純じゃない」。北京当局の警戒を引き起こす「挑発行為」と見なされているという。

一方、米国議会「米中経済安全保障検討委員会」(USCC)は12日に発表した報告書で、多くの米法律専門家の意見を引用し、アリババが「変動持ち分事業体(VIE)」の仕組みを利用して米国上場を実現するため、巨大なリスクがあることを米国投資家らに警告した。そして、USCCは、中国の法律によれば、VIEの仕組みは基本的には法的に違法であるため、米国投資家にこのような投資に関わらないよう呼びかけた。

アリババは19日にニューヨーク証券取引所に上場する見通し。新規株式公開(IPO)の調達規模を150億ドル~200億ドルに引き上げるとみられる。実施されれば史上最大規模の上場になる可能性もある。

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※1「紅二代」とは、中国共産党の高級幹部の子弟等で特権地位にいる者たちとその総称。紅二代の多くは政権の要職についており、世襲的に受け継いだ特権と人脈を基にして、中国の政財界に大きな影響力を持っている。

(翻訳編集・王君宜