パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「責任をとらずにバッくれる」というのが、日本社会のあらゆる場面に通底する「宿痾」だからである。つい最近までの朝日新聞や理化学研究所を思い出していただきたい。

勝谷誠彦氏の有料ブログより

もう一冊はここ何週間か読み継いできた本をようやく読了。
大部な上に難解なのですよ。しかし読んでおくべき作品だ。

『考古学崩壊 前期旧石器捏造事件の深層』

 http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100377
藤村新一というアマチュア考古学者が次々と前期旧石器を発見して
「神の手」と呼ばれた出来事を覚えていますか。日本人のルーツが大幅に遡られ、世界に冠たる文明があったなどと大騒ぎになった。「日本人は特別だ」という心理にも合致し、学会からマスコミまではしゃぎまわったものだ。それがすべて捏造だったという世にも恥ずかしい大事件。
作者の竹岡俊樹さんは当初から「捏造だ」と指摘してきたが、
受け入れられなかった。しかし彼が協力した毎日新聞が、石器を埋設しているシーンまで撮影して発覚。あれは掛け値なしのスクープだった。
ところがこれはプロローグに過ぎない。
ここまで大恥をかいた考古学者たちがそのあと、ろくな検証も反省もせず、責任もとってこなかったさまを、竹岡さんは豊富な資料と鋭い筆致で指弾するのだ。その文章は火を吐くようですらある。
ぜひ読んでいただきたいと思うのが、この
責任をとらずにバッくれる」というのが、日本社会のあらゆる場面に通底する「宿痾」だからである。つい最近までの朝日新聞理化学研究所を思い出していただきたい
私がいつも指摘している「まちおこし
のデタラメぶりも出てくる。日本人は遺跡好きだ。「大発見」があると大勢の人が訪れてカネを落とす。その「大発見」が捏造だったという悲惨さ。更には妄想に妄想を重ねて遺跡を「復元」して客集めをする詐欺的な商法。これらもまことに勉強になる。
「一気読み」のハンターと対極の、
じっくりと読み進むのにふさわしい本です。

朝日新聞の名前が出たのでちょっと『築地をどり』を。最近、記事の横に顔写真入りで記者がコメントのコラムを載せているのに気がつきましたか?これも「改革」の一環だと思っているのだろうが、私からするとまことに気色悪い。

記者は記事一本で勝負するんですよ。言い訳めいたことをゴタゴタ書くんじゃないよ。コラムはコラムニストにまかしておきなさい(笑)。紙幅のムダである。もっと記事の充実に使いなさい。
いつもはタカビーなくせに、
弱気になると朝日は急に情緒的になる。お詫びの文章が「ですます」なのもそうだ。本性が傲慢だから、下々への「降りて行き方」がわからないのだろう。だから記者の素顔をさらすことが「親しみをあらわす」と誤解している。
そうやって揉み手をしている一方で反乱軍なのか便衣隊なのかはあ
いかわらず、鉄砲を撃ちまくっている。昨日の『素粒子
<物の始まりが一なら国の始まりが大和の国…。
長州びいきの大河が気にかかり。思えば藩閥の始まり。そして。>
http://www.asahi.com/articles/ASH153FXBH15USPT002.html
相変わらず何を言っているのかまったく不明だが、
安倍晋三首相に嫌がらせをしているのだけはわかる。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の舞台が安倍さんの地元と重なるこのに因縁をつけているのだ。
http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/
大和を持ち出して来るのも謎だが、
ひょっとすると畏れ多くも皇室への揶揄か。最後の<そして>はおそらくその前の藩閥がやがては日清日露の戦争などにつながっていったということを無理やり言いたいのだろうか。『築地をどり』の定番「軍靴の響きが聞こえてくるの所作」なのかな。
まあいいや。馬鹿の頭の中をのぞこうとすると、
こちらまだで低能化する。これくらいにしておこう。

馬鹿と言えば。これこそ私がいつも言っている「馬鹿基準」
であり「本末転倒」にほかならない。あまりに当てはまりすぎていて、笑っちゃいました。
<三重の高速/主要なSA、PA閉鎖で苦情殺到/暴走族対策>
http://mainichi.jp/select/news/20150106k0000e040187000c.html
<3日夜から4日未明にかけて、
三重県内の高速道路の主要なサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)が閉鎖されていたことが分かった。同県警や、高速道路の管理運営を行う中日本高速道路が毎年恒例の暴走族の新年集会対策として実施したが、年始のUターンラッシュに重なり、一般利用客からの苦情が殺到した。>
<県警高速隊によると、
昨年は暴走族の車両とみられる計約200台が各PAを占拠するなどし、利用者や近隣住民から多くの苦情が寄せられたという。
今回の閉鎖により、
東京や名古屋方面に向かう帰省客は亀山PAから愛知県の刈谷PAまでの約70キロの間、トイレ休憩などができなくなった。>
渋滞も15キロあったらしい。子ども連れは気の毒だったなあ。「
あと何キロでトイレがあるからガマンしなさい」となだめておいて、到着したら入れないんだから。路肩にとめて用を足させた親もかなりいたのではないだろうか。危ないことおびただしい。
そもそも「休みながら走りましょう」
と広報しているのは警察や高速道路会社だ。疲労すると危ないからと。とすれば、両者は膨大な数の利用者を危険に追いやったことになるではないか
暴走族おっと、珍走族か(笑)という「馬鹿」に「基準」
をあわせてほとんどの良民常民に多大な迷惑をかけさせるのは、まだ振り込み詐欺にひっかかる阿呆のせいでATMの前で携帯電話を使わせずに、善良な経営者が手形を落とせなくなるのと、そっくりだと思いませんか。
きっちり暴走族を検挙して締め上げればいい話ではないか。
それが三重県警の仕事でしょう。まさか「怖かった」んじゃないでしょうね。<暴走族の車両と見られる>ってどういうことだ。いやしくも警察なら主要なグループのメンバーは把握し、他の県警とも協力して事前に親玉に説諭するなり警告をするべきではないか。
要するに「楽をしたかった」のだと私は考える。
事前の調査なり捜査なりをぶん投げているのである。
<事前に周知しなかったことについて、県警は「
当日の暴走族の行動が直前まで読めず、実施するか分からなかった」としている。>
どういう捜査能力だ(笑)。
さきほどの旧石器捏造のところでも書いたが、これもまた現代日本の宿痾なのである。大マスコミは関係者の言い訳を載せるだけではなく、こういうところに踏み込むべきだ。まあ記者クラブで警察と仲良くしている以上、あまり期待はできないが。

トヨタ、やるなあ。

 <トヨタ燃料電池車の全特許5680件を無償公開>


http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81607930W5A100C1MM0000/
トヨタ自動車は5日、
同社が持つ約5680件の燃料電池車の関連特許すべてを無償で公開すると発表した。「究極のエコカーと呼ばれる燃料電池車を定着させるためにはトヨタ1社の努力では不十分と判断し、早期に普及させるため企業や業界の垣根を越えた開発競争を促す。
ふたつのことが言えると思う。
ひとつはこれまてウェブの世界に比較的限定されてきた「集団知が、もの作りの現場にも広がってきたということだ。「知恵を共有する」ことの方が「囲い込み」よりもメリットが大きくなって来たのだ。ときどき書いているように資本主義はいま100年、200年ぶりの大きな曲がり角に来ているが、これもそうした現象のひとつなのかも知れない。
<日本メーカーはこれまで自前主義が多く、
個社で技術を囲い込んだ結果、「ガラパゴス化して世界標準になりにくかった」と日産の志賀副会長は指摘。>
その通り。ずっと言われてきた「ガラパゴス化
の対策にもなるのだ。
もうひとつは、これは「アベノミクス
にも通じるということである。実は「第三の矢」に含めてもいいのかも知れない。「市場全体を大きくし、画期的な技術開発をうながす」というのが「第三の矢」だ。トヨタは身をもってその先鞭をつけたわけで、当然のことながら事前に安倍さんには伝えて、歓迎されていたのではないか。
アベノミクス」の行方を世界は固唾を呑んで見守っている。
にもかかわらず同盟国が総選挙の最中だというのに「日本経済は安倍首相も心配している」など嘘八百をコメントしたのがトンデモ大統領のオバマさんだった。今回の発表を、ラスベガスで開かれている世界最大の家電見本市である『コンシューマー・エレクトロニクス・ショー』でやってのけたのは、だから痛快でもあるし、広報戦略としてもうまい。
そして最後に。これこそが「規制緩和」なのだ。「第三の矢」
にもっとも必要とされていることである。官邸は規制緩和を進めようとしているのに、既得権益を持つ官僚や業界団体が抵抗している。特許という「規制」をすべて捨てて、まさに自由競争に打って出たトヨタの英断は、それらに対する痛烈な一撃でもある。
トヨタの量産型燃料電池車「ミライ」
は今年の夏から欧米に輸出される。あまり報じられていないことだが、生産はすべて日本国内で行われる。これも素晴らしいではないか。人件費は安いかも知れないが、バッタ国家では作れないということだし、国内の雇用に貢献もしてくれる。
 どうせたちまち支那が「燃料電池車だ」
と称するコピーを作るだろうが、水素はガソリンに比べてとんでもなく扱いが難しい。トヨタはその安全に心を砕いてきた。支那の車が大爆発を起こす日がきっと来る(笑)。

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