勝谷誠彦氏の有料ブログより転載
2015月25日号。<まさに命がかかっている同胞の映像をテキトーにカットして流すことへの覚悟が、大マスコミよどこまである?>。
2時半起床。尼崎の家。
後藤健二さんという同胞が鬼畜外道に拘束されている。一緒につかまっていた湯川遥菜さんは、まことに残念なことに、殺害されたようである。その殺された「証拠写真」を手に、後藤さんは私たちに訴えている。
<湯川さんとみられる殺害画像 ネットに投稿>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150125/t10014946611000.html
<イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんが湯川遥菜さんとみられる写真を持ち、「湯川さんが殺された」とする音声が付けられた画像がインターネット上に投稿されました。音声は後藤さんの解放の条件としてヨルダンで拘束されている「イスラム国」の関係者の釈放を求めています。
日本時間24日午後11時すぎ、インターネットの動画サイトにイスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんが、オレンジ色の服を着て写真を持っている画像が投稿されました。>
http://livedoor.blogimg.jp/akb48matomemory/imgs/9/c/9c8dbee7.png
大マスコミに問いたい。どうしてこれを流さない?後藤健二さんは文字通りの「命懸け」で訴えているのである。彼が示す情報をすべて公開して、日本国民に判断の材料を訴えるのが、大マスコミの義務ではないのか。オノレの薄汚い「ことなかれ主義」で「残酷だから」と湯川遥菜さんの映像を出さないのか。残酷か残酷ではないかは受け手が判断する。そして、それは残酷なのである。
こういう残酷なことをする鬼畜外道にどう復讐するか、それを考えるのは私たちだ。ことなかれ主義を貫いていれば毎月「貧困層」とか偉そうに報じている人々の何倍もの給料を手にして、なんとか無難に定年まで貪ってやろうと考えている大マスコミのおまえらではない。ええ、私はあんたらの更に何倍か稼いでいますよ。しかし、それは命を的にして、自分の責任でやるべきことはやっているからだ。
湯川さんがかわいそうではないか。そういう発想はないのか。彼の最後のメッセージは自分の無残といっていい(合掌)姿を私たちに示すことになった。それは彼にとって恥ずかしいことだろうか?私はそうは思わない。その姿を見て、私たちはあの沙漠の鬼畜どもに必ず思い知らせてやると決意するのである。それこそが彼が遺してくれたものだ。
さきほどリンクした画像を見て下さいましたよね。私は感動した。後藤さんのしっかりとした口ぶりにだ。正確な英語。冷静である。冷静だが、そこには深い感情がこもっていることをおわかりいただけただろうか。言葉の裏に、奥様への永訣の気持ちまでもが含まれていると私は涙した。こういう人を殺してはいけない。
もっと私に能力と時間があるのならば、義勇軍を結成して助けに行きたいくらいだ。日本国が何もできないというのであれば。いや、実際の話として、アホの左巻きに手足を縛られてきたせいで自衛隊を出せないというのであれば、外人部隊を傭兵として雇うという選択肢はないのか。政府ができないならば、誰かが手をあげて義金を募れば、たちどころに集まるであろう。ひごろから「元外人部隊です」とかわめいている自称軍事評論家の方々におかれては、ぜひとも昔のコネで募兵をしていただきたい。いや、自ら率いて行っていただきたい。腕の見せ所でしょう。
まあ実際にはなかなかできない。だからこそできることで日本人の意気地を示すことが大切なのだ。大マスコミがきちんとすべてを伝えて国民の判断を仰ぐというのは「できること」でしょう。何を逃げているのか、卑怯者どもめ!衝撃的な映像ではある。しかしそれが「事実」なのである。クソ少年法のせいでガキの顔を隠すなどというのは、まあ、やっていればいいですよ。生き死にかかわることではないですからね。しかし、後藤さんはその「生き死に」をかけて訴えているのだ。沙漠の外道にしても、まさか日本ではオノレが流した映像にモザイクがかかるとは考えてもいないだろう。
これは、怖いことなんです。相手は「出したものの効果」をそのまま考えている。だけど卑怯者どものせいでそれが「ちゃんと伝わっていない」わけだ。この判断の差は、危ないですよ。大マスコミがやっているのは、弾が飛び交う戦場で「いや、私は当たらないことになっているから」とお祈りしていることにほかならない。わかってもらえますか、これがいかに危険なことかが。
せめて一社くらい「テロリストの意図を正確に把握してもらうために、残酷な映像ですが公開することに決めました」という社があってもいいじゃないの。どこまで談合しているの。海外のメディアが街頭でインタビューして「あの映像を見てどう思いましたか」と聞かれた時に、すべての日本人が「えっ?観ていませんから」。これって、命を張っている人質たちに対して、あまりに失礼であり、世界中に恥をさらしていると思いませんか。国難といっていい出来事に対して、こういう角度から疑問を呈することができるのは、ひょっとすると私くらいなので、敢えて書き置くのである。
さて、事件そのものである。メディア操作に関してでも私は論及したが口惜しいが頭はいい外道どもだ。「そう来たか」ですね。
<後藤さんの解放の条件としてヨルダンで拘束されている「イスラム国」の関係者の釈放を求めています。>
「1億ドル」は「はったり」だったわけだ。もちろんそんな額を日本国が払うとは考えていなかっただろう。だけどね、今回の釈放要求に応じれば事実上の「1億ドルの支払い」になるわけですよ。安倍晋三首相の歴訪で日本国はそれらに相当する資金援助を約束した。カネをもらえる側が日本政府の要求に答えれば、要するに間接的に「カネで日本人の命を買った」ことになる。そういうプロパガンダをイスラム国はやって来るだろう。
気の毒なのはヨルダンである。あの国、ホントに弱いんですよ。周囲の国々の力関係でなんとか成り立っているようなところで、でも人がいい。湾岸戦争の時、私はアンマンにずいぶんといたが、人々はフセイン支持だ。しかし国としてはアメリカのおかげで食っていけているようなものなので、それを堂々と言えない。生活保護のような国家なのである(すみません)。だから日本の援助はまことにありがたいのだろう。その援助が決まった直後に、自分の国がつかまえているテロリストを釈放しろと。さあ、ダンナをとるか筋を通すか。嫌なところをついて来るでしょう、イスラム国は。
ちょっと深い話をする。大マスコミは臆病なわりに不勉強で、なんでここに気づかないかね。イスラム国が釈放を要求してきた死刑囚とはどういう奴か。1億ドルとひきかえになんでこんな女が、と思うでしょう。私にはなんとなく理由が見える。まあ、極道の世界ですよ(苦笑)。
<サジダ・リシャウィ死刑囚とは何者か アンマン連続テロに関与した女性テロリスト>
http://www.sankei.com/affairs/news/150125/afr1501250009-n1.html
<後藤健二さんとみられる男性が画像の中で言及した女性、サジダ・アルリシャウィ死刑囚は、2005年にヨルダンの首都アンマンでの連続ホテル爆破テロに関与し、同国で死刑判決を受けている人物だ。>
うん、ここまでは事実関係。産経新聞はさすがに少し背景に踏み込んだ。
<アルリシャウィ死刑囚は1970年生まれで、イスラム国の前身である「イラクの聖戦アルカーイダ組織」を率いたザルカウィ容疑者の側近の親族とされる。ザルカウィ容疑者ら幹部とも近かった可能性は高く、イスラム国には象徴的な意味を持つ女性ジハーディスト(聖戦主義者)といえる。>
ここまで把握しているだけでも他の大マスコミよりは偉いが、現場をあまり知らないのでどうしても机上の空論になってしまう。あいつらね、極道と半グレなので日本人のような精神論はないの。<イスラム国には象徴的な意味を持つ女性ジハーディスト(聖戦主義者)といえる。>なんて、ちょっと美しすぐる話(笑)。実利ですよ。
以前も書いたかも知れないが、アルカイダというのはわりと「筋を通す」「極道」なんです。イスラム国というのは何でもありの「半グレ」。「極道」しては「いくら何でもあいつらはひどい」と持て余している。だから、仲が悪い。「半グレ」は「おやっさんのために働きますよ」「だから杯下さいよ」なのだが「ああいう筋の悪い連中にはやれんな」状態。いつもながらわかりやすいでしょ。時事通信が少し前にいい記事を書いている。まさかこの時には、今回のようなことが起きるとは想像もしていなかったんでしょうね。
<過激組織「知名度争い」/中東・アフリカから脅威拡散/イスラム国、アルカイダ軸に>
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015012300663
<アルカイダは11年5月にウサマ・ビンラディン容疑者が殺害された後、カリスマ性に欠けるザワヒリ容疑者が指導者になった。一方、シリアやイラクで台頭するイスラム国は、残虐なテロで知られ、シリアのアルカイダ系組織「ヌスラ戦線」と戦闘を始めたことから、アルカイダ指導部は昨年2月にイスラム国の前身組織を破門。現在の国際テロの潮流はアルカイダとイスラム国が二分している。>
わっはっはっはっ。時事通信は無意識に使ったんだろうけど<破門>は笑えるでしょう。いいセンスの記者だ。取材しているうちに自然と極道の世界だとわかったんですね。これ、覚えておいて下さい。「いちおう任侠道を標榜する極道のアルカイダと、道を外れた半グレのイスラム国」です。ちょっと呑み屋の話題にいいでしょう。
さて、そろそろ見えてきませんか。1億円を捨ててまでなんでヨルダンでつかまっていた女を要求したのか。そう、アルカイダの大幹部ザルカウィの縁者なんですね。「3代目姐」みたいもんだ。日本人の人質を使ってそれを奪還するから「ちょっと、また仲ようやりましょうや」ではないかと、私は見ているのである。こんな極道と半グレのつきあいに、日本人の命が使われていると思うと、ますます腹が立つ。義勇軍、やったるかな。
毎度書いているような気がするが、さすがに今回の怒濤の一週間は死ぬかと思った。日記で数えてみて下さい。何本、番組やって講演しているのか。昨日は姫路でひとつ話をさせていただいた。そのあと帰京する予定だったが「落ちた」。このまま飛行機に乗ると死んでしまう気がした(笑)。こういう時に、家をひとつ持っているというのは助かる。贅沢といやあ贅沢ですがね。で、尼崎の家でワンストップしてから、これから帰京することにしたわけです。帰京して終わりならいのだが『血気酒会』やりますよ。なんでこんなところに入れたのかと少し後悔していることは、正直に告白しておこう(泣)。出演者は久しぶりの田尾和俊麺通団団長以下、団員の諸君です。中継場所も『麺通団茅場町食堂』からです。
http://katsuyamasahiko.jp/archives/info/kekkisyukai17
17時から。お互いに酒杯を手に、だらだらとやりましょうよ。しかし団長は最近、地方の腐敗ぶりに断腸の思い(わかってもらえた?)なのでどんな危ない発言が飛び出すかわかりません。
私もここのところずっと地方を歩いてきて、脱腸の思い(笑わなくていいです)なので、そのあたりもぶつけていければと。17時、ウェブ上で会いましょう!
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発行:株式会社 世論社
イスラム国拘束:新映像…後藤さん「湯川さんは既に殺害」
毎日新聞 2015年01月25日 01時16分(最終更新 01月25日 02時32分)
【
カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループに拘束された仙台市出身のジャーナリスト、後藤健二さん(47)の新たな映像が24日午後(日本時間24日夜)、インターネット上の動画投稿サイトに公開された。後藤さんは同様に拘束されている千葉市出身の湯川遥菜さん(42)の遺体とみられる写真を持たされ、男性の声で「湯川さんは既に殺害された」と英語で訴えた。内容の信ぴょう性や映像の投稿者の素性は明らかではない。これを受けて菅義偉官房長官は記者会見し「言語道断の許し難い暴挙だ。強く非難する」などと
人質問題に対して 民主党関係の国会議員が軽々しく
安保問題を引用して 安倍政権の批判をしているが、
それは 人質問題解決にプラスなのであろうか?
マスコミも悪いが 議員の質を問いたい?
2015.1.22 20:21
山本太郎氏、仰天のツイート「2億ドルの支援中止して下さい
日本人2人を人質にした「イスラム国」は、日本の2億ドル(約236億円)に及ぶ中東地域への人道支援を批判したうえで、「72時間以内に身代金2億ドルを払え」と殺害警告をしている。許しがたいテロ行為だが、この件で、さまざまな注目発言が飛び出している。
山本氏のツイート内容が気に入ったのか、イスラム国のメンバーとみられる人物が「リツイート」と呼ばれる転載機能を利用して“拡散”する事態も発生した。 自民党の佐藤正久元防衛政務官は「イスラム国メンバーの中に、日本語が分かる者がいるのかな?」と意味深長なツイートをした。
日本のネット上には「人命救助が優先」「一度2億ドル払うべき」といった意見もみられ、民放ワイドショーのコメンテーターの中には「2億ドル、何とか出した方がいいんじゃないかな…」と語った人物もいる。
これに対し、自民党の高村正彦副総裁は21日、記者団に対し、「日本政府が(イスラム国対策の)人道支援をやめるのは論外だ。身代金を払うこともできない」と語った。
ファロン英国防相も同日、中谷元・防衛相とロンドンで会談し、身代金支払いを含めて、「次の(=テロなど)可能性もあるのでしっかり対応すべきだ」といい、「毅然とした対応」を求めた。
日本が拠出を表明した中東支援は、あくまで住む家や街を追われた避難民に対する食糧や医療支援であり「避難民が命をつなぐための人道支援」(安倍首相)である。
テロリストの要求に屈して2億ドルを支払えば、彼らの武器や弾薬、化学兵器などを購入する資金源となり、新たな人命が失われるテロを生む可能性がある。加 えて、世界中のテロリストに「人質で脅せば日本政府は身代金を払う」と認識させ、今後、日本人がターゲットにされかねない。
問題は単純ではない。