なんでもありのこの世の中! どっちか本物か? わかるはずだ!
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が8日、岐阜市内で朝日新聞と会見した。チベット人の自治を獲得するため、中断したままの中国政府との対話を続けたい立場を表明。習近平(シーチンピン)指導部を「(これまでの指導部と比べて)より現実的だ」とし、対話再開に向けた中国の動きを「注視していく」と述べた。
中国政府とダライ・ラマ側との公式対話は、2010年を最後に開かれていない。ダライ・ラマは「接触はいまもある。我々の路線に変化はない」と語り、チベット人地域の中国からの独立は求めず、対話を通じて高度な自治の獲得を目指す「中道路線」には変化がないと説明した。
習指導部については「習氏の指導下で中国は大きな変化があった。汚職対策に真剣に取り組んでいる」と述べた。「強硬派は私たちを分離主義者と非難するが、(チベット問題の)解決を切望する穏健な指導者もいる。より現実的な考え方も出てきている」として対話再開に期待感を示した。
一方、チベット仏教の「生き仏」である自身の後継選びについては「チベットの人々が決める」と強調。数年前にチベット仏教の指導者らと話し合った内容として「私は(7月に)80歳になるが、健康で、あと20年くらい生きるのではという人もいる。そこで、90歳になるころ、後継問題を話し合うことにした」と語った。チベット人の間では、後継者がうまく見つからないと、自治を求める運動にとって打撃となるとの心配が出ている。
(小暮哲夫