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チベット:亡命政府首相「習政権、住民監視より厳しく」



チベット:亡命政府首相「習政権、住民監視より厳しく」

毎日新聞 2015年03月09日 20時40分(最終更新 03月09日 20時51分)

 ◇単独会見 中国の強権的な姿勢を批判

 ダラムサラ(インド北部)金子淳】チベット亡命政府トップのロブサン・センゲ首相が9日、インド北部ダラムサラにある亡命政府の首相府で毎日新聞の単独会見に応じた。首相は中国の習近平政権について「チベット自治区での住民に対する監視がより厳しくなった」と指摘。中国が尖閣諸島周辺や南シナ海などで周辺国と衝突していることにも触れ「独断主義や国家主義、軍事的な冒険主義の要素が見える」と強権的な姿勢を批判した。
 首相によると、チベット自治区では2008年の大規模デモ以来、多数の監視カメラが導入されるなど軍や警察などによる監視が強化された。12年11月に誕生した習近平政権は柔軟な政策を取るとの期待もあったが、首相は「チベットは抑圧と管理の対象であり、現状は何も変わっていない」と強調。「日本はチベットで何が起きているかを知ってほしい」と訴えた。また、隣国ネパールでチベット難民が居住許可証などの発行を拒否されている問題についても「中国が(ネパールに)多大な圧力をかけている」と懸念を示した。
 亡命政府は自治区内での「高度の自治」の実現を要求しているが、10年1月以来、中国との対話は行われていない。首相は「我々は常に対話の用意はある。(自治の実現は)中国国内の長期的な安定につながり、中国が国際的に尊敬を得られる機会になる」と対話を呼びかけた。

 一方、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の後継者選びの方法について「複数の選択肢を検討している」と述べた。後継者は本来、死後に先代の生まれ変わりとされる子供を探す「輪廻(りんね)転生制度」で選ぶのが伝統だ。しかし、中国政府が独自に後継者を擁立する可能性が指摘されており、先手を打つことを念頭に置いた発言とみられる。首相は、高僧らによる協議や14世の指名による選定などを検討していることを明らかにしたうえで「私は14世による指名を支持する」と明言。14世もこれまでダライ・ラマ制度の廃止や輪廻転生制度をやめる可能性に言及しており、亡命政府主導の後継者選びを行う意思を鮮明にした形だ。

 センゲ首相はインド北東部ダージリン郊外で生まれた亡命第2世代。11年に14世が政治から身を引いたことに伴い、選挙を経て亡命政府首相に就任した。

 ◇チベット問題