パルデンの会

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長沙に世界一の高層ビル(838メートル)は夢まぼろしに終わった



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)4月28日(火曜日)
   通算第4529号
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 長沙に世界一の高層ビル(838メートル)は夢まぼろしに終わった  とうとう「予定通り」遠大集団は宣伝効果あったとして、建築を中止


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 長沙の手前まで日本軍が進撃したとき蒋介石は長砂を焦土と化し、これを「日本軍がやったこと」と宣伝しながら重慶へ逃げた。長砂は焼け野原となった。
 嘘はすぐにばれた。その前にも花園堤防を切って「日本の空爆による」と逆宣伝したが、大洪水の救援をしたのが日本軍だったことはすぐに知られるところとなった。堤防の決壊による洪水で、下流域の農民など80万人から百万人が死んだ。

蒋介石の逃避行は上海から南京、武漢、長沙、そして重慶。もっとも毛沢東はもっと遠くに「遠征」し、早々と陝西省の延安までにげて三年間、洞窟に隠れ住んだ。
その共産党が、「抗日戦争勝利70年」とかの軍事パレートを行うというのは噴飯ものであり、おこがましいのである。図々しいにも程がある。

長砂は湖南省省都。この地域からは毛沢東劉少奇、秋勤、そして朱容基ら、暴れん坊で性格や大胆、野卑な人間を産む土地である。

さて、この長沙に世界一の高層ビル「ブルジュ・ハリファ」(ドバイに聳え、828メートル)を10メートル越える838メートルの「天空城」を造ろうと宣言したのは、遠大集団。CEOは張跳。総工費90億元(邦貨換算1800億円)。

複合ビルとし、中学、高校、託児所、老人ホームも入れて、四千世帯、三万人が暮らす空中都市とする。なかには有機栽培の農園もつくると言った。
「中国の夢」を語ったのだ。
しかも三年か、四年かかる工事を七ヶ月でやってのけると豪語した。

壮大な都市計画はマグニチュード9の地震にも耐えられ、風力も問題はなく、急速エレベータを工事する。安全に問題はない、と遠大集団は主張していたが、中国の建築専門家、天気予報士、地質学者らから疑問の声が渦巻いていた。


▼当局は、予想されたように計画に許可を与えなかった

「長沙当局は結局、安全性が保証されないとして建築許可を発行しないことを正式に決めた」(サウスチャイナ・モーニングポスト、4月27日)。

張跳はしょげもせず、替わりに遠大集団は「19日間に57階建ての小天城」を建築した。これはあらかじめ鉄筋を組み立てて、移動据え付け工事によるもので、ともかく最速記録を打ち立てた。

ボーアオ会議に張跳・社長が出席し、「まだあきらめたわけではない」と強気の姿勢を見せた。
しかし、この社長、中国で初めて自家用飛行機を所有したことでも知られる売名家で、もともとこの838メートルの高層ビルはアナウンス効果の売名を狙ってのではないかという観測もしきりである。
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材につき4月29日から5月6日まで休刊です
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