チベット亡命政府、“パンチェン・ラマ”の解放要求 ニマ少年の行方不明から20年
http://www.sankei.com/images/news/150518/wor1505180030-n1.jpg 【北京=川越一】 産経新聞 チベット仏教の高僧、パンチェン・ラマの転生者に指名されたニマ少年が行方不明になってから20年となるのに合わせ、インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府は18日までに、解放するよう求める声明を出した。
当時6歳だったニマ少年は、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世によってパンチェン・ラマ11世と認められた3日後の1995年5月17日、行方不明になった。当時、中国側が身柄を「保護」したと表明したのに対し、ダライ・ラマ側は中国当局に拉致されたと主張している。
パンチェン・ラマはダライ・ラマに次ぐ高位の活仏。1989年にパンチェン・ラマ10世が没した後、ダライ・ラマ側と中国が別々の人物を11世として承認したため、現在は「2人のパンチェン・ラマ」が存在する。中国政府公認のパンチェン・ラマ11世は宗教活動に加え、10年に政策提言機関、人民政治協商会議の委員に選ばれるなど、その正統性が強調されてきた。