パルデンの会

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「仏心の復活」はない? 金まみれ、権力のしもべ…救いのない中国仏教界

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■「仏心の復活」はない? 金まみれ、権力のしもべ…救いのない中国仏教界
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中国では今、仏教が隆盛の様相を呈している。
中国仏教協会ホームページによると、
2012年の段階で全国の仏教寺院の数は3万以上に上り、
僧侶の人数は24万人に達している。
仏教徒」の数は1億人を超えているという。
宗教消滅の「文革」から約半世紀、
中国仏教はやっと復興してきたようだ。

問題は、中国仏教の内実である。
先月24日、
北京青年報が掲載した記事がそれを如実に語っている。
記事によると、同20日から北京で開かれた「
中華禅文化サミット」では、
参会者の誰もが1万9800元(約40万円)を払えば
「慈善禅師」の称号を贈られ、9800元を追加すれば
『中国当代仏門人物大辞典』に名前を載せてもらえるという。
そして3万元の大金を出せば、
サミットの理事会に名を連ねることもできる。
「仏門の盛事」と称されるこのサミットは
赤裸々な金銭取引の場となっているのである。

こうした会合に限らず、金まみれは中国仏教界の「日常」
になっている。

5月19日付の南方都市報記事によると、
海南省の博鰲禅寺というお寺では、参拝客が禅堂に集められ、
数分間の「禅話」を無理やりに聞かされた後に
300元(約6千円)の「聴講料」が徴収されるほか、
仏殿に一歩でも足を踏み入れると
直ちに600元の「寄付」を強要されるという。
どうしても「寄付」を払わない参拝者に対しては、
お坊さんが、その親族にまで呪いの言葉を浴びせるらしい。

もちろん今の中国では、それは別に突出した例ではない。
全国の仏教寺院の大半が、強引な手法による
金集めを行っていることはよく知られている。

だからこそ、10年ごろから、
全国で寺院の「下請け代理経営」が盛んとなっている。
お寺の「おいしさ」
に目をつけた商売人が寺院の経営を一手に請け負い、
僧侶たちと連携して参拝客から
できるだけ多くの金を強請(ゆす)
ることに知恵を絞っているのである。

僧侶たちはこうして「金の亡者」となる一方、
共産党政権に対して「権力の僕(しもべ)」になりきっている。
たとえば5月25日、中国仏教網が報じた
唐山市仏教界が18期四中全会精神を学ぶ勉強会を開催した」
の中にある「18期四中全会」とは、
中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議のことである。

要するに中国共産党が何らかの会議を開くと、
お坊さんたちはその「精神」
を学ぶための勉強会を立ち上げるのだ。
仏教の僧侶が、ある特定の政党、
しかも「無神論」を主張する政党の「会議精神」
を熱心に学ぶとは、
まさにお釈迦(しゃか)様誕生以来の天下の奇観であろう。

18期四中全会が開かれたのは14年10月のことだったから、
先述の勉強会はむしろ遅い方だ。
福建省では、この年の11月の段階で既に
福建省仏教界が18期四中全会精神を学ぶブームを起こした」
と報じられている。

上海の仏教界も同年12月3日、
「18期四中全会精神を学習する報告会」を盛大に開催した。
地元の新聞によると、参加者の「高僧」たちは相次いで、
「18期四中全会の精神の指導下で自らの政治的修養を高めよう」
と誓い合ったという。

ここまで来たら、僧侶たちの政権への媚(こ)びは
もはや笑い話の領域に入っている。
とにかく、
政治権力にうまく取り入って自らの地位を保証してもらいながら、
次にはこの地位を利用して金もうけに狂奔する。
これが今の中国のお坊さんたちの「渡世の道」
となっている様子だ。

それでは、中国の仏教が形的に「復興」したとしても
「仏心の復活」はあり得ない。

それ自体が救いのない仏教に救いを求める中国民衆は、
永遠に救われることはないのではないか。

( 石 平 )

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~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~
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