日経新聞がチャイナリスクを書き始めた。
10年遅い 北京オリンピック前から
わかっていたはずだ。
だから チベットは弾圧された、それを隠すために
5つのチャイナ・リスク 進出企業が相次いで直面
帝国データバンク・藤森徹
日経新聞転機は06年に中国政府から工場移転の通知を受けたことだった。約4000万元(当時6億5000万円)の補償金を元手に移転したものの、移転先は軍用地だった。結局、工場用地としては使用できないことが判明。新たな移転先の確保が必要となり、補償金額を大きく上回る8000万元(約13億円)がかかった。資金繰りを大きく悪化し、13年12月に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請した。
LIXILグループ | 中国で事業を展開する子会社の破産手続きに伴い、2015年3月期の業績予想を下方修正。損失は最大662億円にのぼる可能性があると発表 |
国際紙パルプ商事 | 中国などの海外子会社における債権の取立不能を発表。中国では複数の取引先の経営破綻により、売掛債権8億6700万円に取立不能又は遅延の恐れが生じた |
ユニチカ | 中国子会社の固定資産及び他の固定資産について、連結決算で32億9100万円、個別決算で3億700万円の減損損失を計上したと発表 |
昭光通商 | 同社、中国子会社の取引先が、中国国内の建設需要低迷を背景とした金融機関の引き締めの影響から支払遅延が発生し、128億円を特別損失に計上すると発表 |
江守グループホールディングス | 中国子会社における売掛債権の回収難から約462億円の特別損失を計上し、債務超過に転落、東京地裁へ民事再生法の適用を申請 |
日本テレホン | 香港の取引先における債権約4800万円の回収不能・遅延のおそれと特別損失の発生に関するお知らせを発表 |
日本紙パルプ商事 | 中国子会社における24億2200万円の債権の回収不能・遅延のおそれについて発表 |
日中の政治的な緊張から起きた反日デモが、経営に影響する企業も出た。山本工業(下関市)は自動車メーカー向けにワイヤハーネスやゴム部品を手掛けるメーカー。中国に進出したが、尖閣問題に端を発した反日デモの混乱のなか、工場を破壊され金品を略奪された。被害額は約5億円となり、急激に経営が悪化。2013年1月31日山口地裁下関支部に自己破産を申請した。
藤森徹(ふじもり・とおる) 帝国データバンク東京支社情報部部長。スポーツ用品メーカーを経て1992年(平成4年)同社に入社、大阪支社配属。バブル経済崩壊後の数々の企業破綻を現場の第一線で見続けた。2006年福岡支店情報部長、10年から現職。現在は各地で中堅中小企業の経営問題に関する講演もこなす。兵庫県出身。
相次いだ食品トラブル事件は、中国からの輸入食材全般に対する信用を打ち砕いた。サンフーズ(福岡市)は、中国産の水煮タケノコを専門に扱う中堅業者だった。提携先である中国の工場でレトルト加工した商品を輸入し、国内のスーパーや生協などに販売していた。11年6月期は年商9億円にまで拡大。しかし、食品トラブル事件がメディアで次々に報道されると、スーパーや小売店では中国製の食品を店頭から撤去する動きが広がった。サンフーズの製品は売れなくなり、廃棄処分が相次いだ。そこで国産タケノコにシフトしたが、受注が生産能力を超えると、国産タケノコに中国産を混ぜて出荷。これが発覚した結果、取引先の信用を失い、2014年12月に福岡地裁に自己破産を申請した。