パルデンの会

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5つのチャイナ・リスク 進出企業が相次いで直面


日経新聞チャイナリスクを書き始めた。
10年遅い 北京オリンピック前から 
わかっていたはずだ。
だから チベットは弾圧された、それを隠すために

5つのチャイナ・リスク 進出企業が相次いで直面
帝国データバンク・藤森徹

日経新聞
 中国に進出する日本企業が現地で予想外の課題やトラブルに直面するケースが目立ってきた。中小企業の場合、トラブルが経営破綻につながることも少なくない。企業信用調査マンの立場から、チャイナ・リスクの最新動向をリポートする。
■移転先で工場稼動できないトラブルも
 帝国データバンクの調べでは、2015年5月時点での中国進出企業は約1万3200社。減少傾向にあるが、背景にはさまざまなリスクの存在が指摘されている。大別すると
 (1)中国での人件費高騰など、コスト負担増で採算が悪化
 (2)中国の子会社、取引先企業からの売掛金の回収難や取引条件の変更
 (3)中国政府の工場移転命令を契機に移転先でトラブル
 (4)食品偽装などの品質問題
 (5)反日感情の高まりによって、日本製品の不買行動や取引の縮小
の5パターンがある。
 最近では、大手企業では、中国ビジネスの拡大を進めていた江守グループホールディングス福井市)が4月、現地子会社で売掛金の回収が困難になり、民事再生法の適用を申請。LIXILグループ(東京・千代田)は中国の子会社で多額の損失が発生し、決算発表が遅れた。
 こうした事例は氷山の一角であり、中小企業ではトラブルの影響が深刻になりやすい。本格的な進出から時間が経過するなか、最近増えているのが(3)の工場移転を契機にしたトラブルだ。
 木村刃物製造(名古屋市)は1911年6月創業の老舗刃物卸で、合板メーカー向けの機械刃物を名古屋工場で製造していた。しかし、市況悪化のあおりを受けて中国に進出。その後、国内工場を閉鎖し、99年に製造を中国に一本化した。

 転機は06年に中国政府から工場移転の通知を受けたことだった。約4000万元(当時6億5000万円)の補償金を元手に移転したものの、移転先は軍用地だった。結局、工場用地としては使用できないことが判明。新たな移転先の確保が必要となり、補償金額を大きく上回る8000万元(約13億円)がかかった。資金繰りを大きく悪化し、13年12月に名古屋地裁民事再生法の適用を申請した。

公表日社名内容2015年6月3日5月13日5月12日5月8日4月30日2014年11月28日4月18日
中国事業で取立不能などを発表した大手企業
LIXILグループ中国で事業を展開する子会社の破産手続きに伴い、2015年3月期の業績予想を下方修正。損失は最大662億円にのぼる可能性があると発表
国際紙パルプ商事中国などの海外子会社における債権の取立不能を発表。中国では複数の取引先の経営破綻により、売掛債権8億6700万円に取立不能又は遅延の恐れが生じた
ユニチカ中国子会社の固定資産及び他の固定資産について、連結決算で32億9100万円、個別決算で3億700万円の減損損失を計上したと発表
昭光通商同社、中国子会社の取引先が、中国国内の建設需要低迷を背景とした金融機関の引き締めの影響から支払遅延が発生し、128億円を特別損失に計上すると発表
江守グループホールディングス中国子会社における売掛債権の回収難から約462億円の特別損失を計上し、債務超過に転落、東京地裁民事再生法の適用を申請
日本テレホン香港の取引先における債権約4800万円の回収不能・遅延のおそれと特別損失の発生に関するお知らせを発表
日本紙パルプ商事中国子会社における24億2200万円の債権の回収不能・遅延のおそれについて発表


 日中の政治的な緊張から起きた反日デモが、経営に影響する企業も出た。山本工業(下関市)は自動車メーカー向けにワイヤハーネスやゴム部品を手掛けるメーカー。中国に進出したが、尖閣問題に端を発した反日デモの混乱のなか、工場を破壊され金品を略奪された。被害額は約5億円となり、急激に経営が悪化。2013年1月31日山口地裁下関支部に自己破産を申請した。

藤森徹(ふじもり・とおる) 帝国データバンク東京支社情報部部長。スポーツ用品メーカーを経て1992年(平成4年)同社に入社、大阪支社配属。バブル経済崩壊後の数々の企業破綻を現場の第一線で見続けた。2006年福岡支店情報部長、10年から現職。現在は各地で中堅中小企業の経営問題に関する講演もこなす。兵庫県出身。

 相次いだ食品トラブル事件は、中国からの輸入食材全般に対する信用を打ち砕いた。サンフーズ(福岡市)は、中国産の水煮タケノコを専門に扱う中堅業者だった。提携先である中国の工場でレトルト加工した商品を輸入し、国内のスーパーや生協などに販売していた。11年6月期は年商9億円にまで拡大。しかし、食品トラブル事件がメディアで次々に報道されると、スーパーや小売店では中国製の食品を店頭から撤去する動きが広がった。サンフーズの製品は売れなくなり、廃棄処分が相次いだ。そこで国産タケノコにシフトしたが、受注が生産能力を超えると、国産タケノコに中国産を混ぜて出荷。これが発覚した結果、取引先の信用を失い、2014年12月に福岡地裁に自己破産を申請した。

 破綻まで至らず、まだ表面化していないが、中国企業現地法人からの未回収金が膨らむ会社もあるといわれる。最近では、円安による為替差損や、人件費上昇などコスト増から起こる採算の悪化などが多くの企業で共通するリスクとなっている。
 中国は生産、販売拠点として大きな可能性を持っている。しかし、国内とは全く異なる環境、リスクを抱えることを改めて認識する必要性があるだろう。
 「企業信用調査マンの目」は、信用調査会社、帝国データバンクで企業の経営破綻を専門にする第一線の調査マンが破綻の実例などをケーススタディーにし、中堅中小の「生き残る経営」を考察します。