パルデンの会

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親中ハト派のピルスベリー氏も「中国に騙された」と悔恨の書



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)11月5日(木曜日)
       通算第4717号   <前日発行>
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 「いまさら遅すぎる」とも言いたいが  親中ハト派のピルスベリー氏も「中国に騙された」と悔恨の書


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 「わたしは中国に騙されていました。中国は本気でアメリカを打倒する夢に取り憑かれ次々と国際金融機関を騙し、アメリカから技術を盗み取り、日々、その百年の目標に向かって、実行しているのです」というのが、彼が書いた話題の書『百年マラソン』の骨子である。

 本が出版されたことは原書の段階で知っていたが、翻訳がでても読もうという気力がなかった。
 ある日、勉強会で多くの保守系論客が、この本を話題にしたのは意外だった。中国の野望に関しては百万言を費やしてもまだ足りないことを同時に痛感した。

 ピルスベリー氏が言っていることはこうである。
 『中国の軍事拡張は平和を目ざすゆえになされる』と中国は西側に信じ込ませることに成功した。

これに一役買った中国宣伝のラウドスピーカー役を演じたのが、キッシンジャーブレジンスキー、スコウクラフト、ディブ・シャンボー、エズラ・ヴォーゲルらの「パンダハガー」だった。

日本でもごろごろと名前を挙げるいとまもないくらいにいる、いる。
 政治論客はおおよその人は知っているだろうが、たちが悪いのは経済畑の論客等で、中国経済は破綻しない、崩壊論を言っている人たちはあまたがおかしいなどという言説を展開している。

 『アメリカの多数は中国の本当の狙いに気がつかず、貧しい中国を助けるのは良いことだ』と信じてきた。
貧困中国をなんとか救出しようと、日米欧は支援を尽くした。

 だが中国の指導者は本音をふせて、芝居を演じてきたのだ。
 しかし本当の中国の夢とは習近平のいう「愛国主義による中華民族の復興」の言葉の浦に隠されている。革命から百年後の2049年に、中国がアメリカを打倒し、世界の覇者となる」という野望を。これが中国の『百年マラソン』である。

 この発想の基本は中国春秋時代の古典の教訓にある、とピルスベリー氏は言う。
 「才能と野心を隠し旧体制を油断させて打倒し、復讐を果たす」(養光韜晦)。

 しかし西側は中国に民主主義を教え、資本主義メカニズムを教えれば、やがて中国は民主化すると無邪気にも信じてきた。

結果は西側から巨費を借金して軍拡を果たし、貿易では模造品と海賊版がGDPの8%をしめるほどの悪辣さをみせて外貨を稼ぎ、西側の経済を脅かすうえ、ついには覇権の野望を剥き出しにして、南シナ海岩礁をつぎつぎと埋め立てて人口島を造成し、3000メートルの滑走路を参本もつくり、おおきな軍事的脅威としてアメリカの前に立ちはだかる。

 『騙したものが勝つ』というのは中国古来の諺、実践訓令だ。ピルスベリー氏も、気がつくのが遅かった。だが日本の左翼知識人等と異なって気がつくと悔恨するところは正直である。