パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

国民の暮らしは絶望的貧困なのに「権貴階級」だけが贅沢三昧とはいかに

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016) 2月19日(金曜日)
           通算第4820号

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  中国名物。一日平均500件、毎年18万件の暴動、抗議集会
   国民の暮らしは絶望的貧困なのに「権貴階級」だけが贅沢三昧とはいかに


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 「中国では毎日500件前後、どこかで必ず暴動、抗議行動、デモ、道路封鎖、そして警官隊との衝突事件がおきています」
 講演で、こう述べると聴衆は一瞬、
信じられない貌をするのが分かる。「具体的には何処で何時、何に抗議して?」という質問がすぐに飛んでくる。

 中国の治安対策の予算は、じつは国防費より多い。人民武装警察、
公安、国家公安、そして機動隊装甲車、ガス銃、催涙弾、留置所、刑務所運営費等々。薬物使用、麻薬取引などで昨年一年間だけでも逮捕者は百万人を越えている。麻薬は「毒」と表記されることが多いが、日本で言う「クスリ」だ。

 では2月18日一日だけに限って、
どこで何が起きたかを紹介しよう。
 北京の教育部(文科省)、国家人力資源・
社会保証部門の建物前に数百、数千の人々が集まり始め、道路にはみ出し、大騒ぎとなった。
教職員、教員OBらが全国から北京に動員され、教師、
教師OBの医療、社会保障の改善要求がなされ、一時は付近の道路が人で溢れ、交通が麻痺したという。

 安徽省蛙埠市の農村では土地開発工事で水質が悪化したうえ、
立ち退きを強制された農民への保障が十分ではないとして数百の農民が集まり、付近の道路を封鎖、抗議行動を展開し、警察隊が動員された。

 福建省福州市平譚県では乱開発をめぐって農民が抗議行動、
武装警察が動員され衝突し、多数のけが人がでた。

 河北省邯鄲市でも地元の黄河の伝説に立脚した、
伝統的なお祭りが規制されたことに抗議し、数百人が抗議行動を起こし、動員された武装警察と衝突、数百名が逮捕、拘束されたという。

 いまここに挙げた四つの例が示すのは抗議行動の対象が、
これまでの労賃値上げ、待遇改善、給与未払い要求などとはことなり、また近年の新型デモは乱開発、環境汚染、公害工場建設反対、化学工場の新設阻止など環境問題などだったが、これらも越えた、身近な社会保障などを求める声が普遍的になっていることに注目したい。

また何時でも何処でも集会は簡単に組織化されていること。
こうした農村の騒ぎがツィッター
フェイスブックなどで瞬時に全国に伝わり、その一部は公安ハッカー部隊の必死の削除による防戦にもかかわらず海外の華字紙メディアに伝わるため、世界中の華僑社会が、こうした情報を共有していること等々が最近の情勢変化である。