パルデンの会

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役人に誤魔化された日本> 豊洲新市場の一部に盛り土がしてなかった問題

盛り土」問題に気づけなかったシンプルな理由 --- おときた 駿

アゴラ 9月14日(水)16時37分配信

こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

過日のブログでもご報告した「豊洲新市場の一部に盛り土がしてなかった問題(http://otokitashun.com/blog/daily/12654/)」は収束の気配を見せず、小池百合子知事は緊急会議を公開で行い怒りを露わにしました。

私も都の担当者から夕方にようやくレクチャーを受けて現状を確認しましたが、文字通り「何がわからないか、現状ではわかってないことがわかった」という状態で、頭を抱えているところであります。

判明したことから順次お知らせしていきたいと思っているのですが、まずいちばん多い声の一つとして

「なぜ都議会サイドは、この問題を発見・指摘できなかったのか?」
都議会議員たちにも責任がある!」

というご意見・ご指摘があります。私を含む大半の都議会議員たちがこの事実を把握できていなかったことは、率直にお詫び申し上げなければなりません。誠に申し訳ございませんでした。

ではなぜ我々都議会議員たちが、盛り土の実施状況やその説明資料の誤りに気がつくことができなかったのでしょうか。

都庁職員たちが都議会議員たちにアレコレと説明することを「議会対応」というのですが、これを行うのは各部署の課長クラス以上と決まっています。

そしてなんと、この議会対応を行う都の課長クラス以上の事務方ほぼ全員が建屋の下にも盛り土が行われているものと思っていた=上記の図を信じていたのです。

…説明する側が完全に間違った思い込みをしているのだから、そこから何度説明を聞いたところで、議員たちには誤った認識しかもたらされることはありません。

いやもちろん、説明を鵜呑みにせずに図面を見るとか、今から思えばできることはあったと思います。ですが、ウソをついていると思っていない人のウソ(?)を見抜く、これは非常に難しいものです。

いずれにせよ前回のブログで私は、

「技術会議の資料などでは盛り土がないものもあるのだから、都の職員がこれを知らなかったはずがない」

という旨を書きましたが、完全に技術職と事務方の間で情報が分断され、管理職クラスの人間ですら情報共有がされていなかったのですから、まさに空いた口がふさがらないと言った状態です。

そして事務方の管理職クラスすらも知らない間にいつ・どのように盛り土→空間に工法が変わっていったのか、これを示す議事録や資料は(今のところ)発見できておらず、都の内部での調査・追及を継続しているとのことです・

豊洲新市場における、施行工事計画の変遷がわかる資料すべて」

とか情報公開請求すれば何かしら出てくるだろうと考えていましたが、どうも本気で混乱しているっぽいので、この原因究明には時間がかかりそうな雰囲気が漂っています…。



また本来この問題は、

1.安全性の問題
2.東京都の情報統制の問題

と分けて考えるべきものです。

局をまたいでいるならまだしも(それでもダメだけど)、同一部署(中央卸市場)内で技術職と事務方の情報共有がされていなかった、そして間違ったアウトプットが出ていることに気づかなかった事実は、どれだけ糾弾されても仕方のない部分ですし、関係者にはしかるべき処分が検討されるレベルだと思います。

一方で安全性について言えば、そもそも論として国が定める土壌汚染対策としては、汚染物質の科学的除去などを行なった時点で完了しており、盛り土そのものが過剰とも言える対応だったわけです。

橋下徹 @t_ishin
豊洲の一部に盛り土がなかったことは都の説明不備。この点を明らかにしたことは小池さんの功績。しかし盛り土がなくても50センチ以上の土壌入れ替えや、10センチ以上のコンクリートによる覆土があれば対策上は問題ない。豊洲は汚染物質除去という土壌汚染対策法が求める以上の過剰対策もしている。
2016年9月11日 00:20”

その盛り土がなかったとしても、砕石層から4.5mもの空間を設けて旧汚染土壌から隔離しているのだから、安全面ではおそらく問題ない可能性が高いと思います。

ところが都は、土壌汚染対策が不十分と訴える声に対して、「盛り土をするから安心なんです!」というある意味では安易なロジックを選択して説得する道を選んできました。

にもかかわらずその説明が間違っていたのですから、これでもう1番と2番の問題は切り離せない状態になり、どれだけこれから都が安全面を確認して説明したところで、都民の理解を得ることは極めて難しくなったと言えるでしょう。



まさに東京都の自業自得とも言える事態ですが、突き放して批判ばかりしているわけにもいきません。現職議員として、また豊洲移転にこれまで理解を示してきた立場として、現実的な解決策も同時に模索していく必要を痛感しています。

・発覚した地下空間の大気、水質の安全性を早急に調査して公表
・捨てコンが敷いていない青果棟の地下には追加工事、他の地下空間も必要に応じて追加工事
・国が現在の法令で求めている未確認部分についても、改めて追加調査

億単位の追加投資と時間はかかりますが、安全面については(必要性はどうあれ)最低限これくらいはしないと、一度は裏切られた人たちを納得させることは不可能かな…と漠然と感じています。

“Isseki Nagae @Isseki3
豊洲は安全だから都の発表と違って盛り土ないけどそんなん関係ないという方、魚や野菜買うのは「主婦」ってことが、わかってないす!無理に移転強行したら主婦は豊洲経由のものは買わないっす!パルシステムの一人勝ちになるわ。
2016年9月12日 17:53”

まさに永江氏の指摘する通りであります。

そして都の情報統制・ガバナンスについては都や都政改革本部の内部調査報告を待ちつつ、私の方でもその原因究明を進めていきたいと思います。

まだまだ混乱は続く見通しですが、引き続きできるかぎりの情報をリアルタイムで皆さまに共有していく次第です。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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おときた 駿