パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

みんなで 草津温泉へ行こう!!!!!

勝谷誠彦氏の有料ブログより転載
2018年1月27日号。
<「温泉に風評被害と書く    大マスコミの馬鹿、おまえが今日もそうしてやらかしているのだよ>。


 3時起床。
 携帯電話に「パケット規制」という表示が出て画面が明るくなったので起こされた。その程度のことで目が覚めるいうのは、臆病でなければ生きてけない場所にばかり行っていたからだ。悲しい。老後はゆったりと過ごしたいのに。「ゆったりしたいヒトがなんで兵庫県であんな大騒ぎをやらかしたんですか」。ま、去年のことは去年のことで♪歳の始めのためしとて~、すべて歳がかわると水に流すというのが、日本人のいいところだ。ええ、無責任だけで生きています。
 すぐに調べるが、東北沖でM4程度の地震があったということだけ。金華山沖で、最近は頻発している。ちょっと嫌な感じだが、ガス抜きがされているとも考えられる。何か別の事情で、たとえば音楽のファンだとか、何かの団体だとかで一斉に交信が殺到したのかも知れぬが、ちょっと不気味な体験。有事にはどうなるのだろう。

 インフルエンザが猛威をふるっているらしい。世界史を学んでいると「スペイン風邪」というのが出て来る。欧州の人口が激減するほどの出来事で、地政学的な勢力がそれでかわってまでいる。近代になって人類は画期的な移動手段を手にして、皮肉なことにそれが人々を疫病で殺した。新大陸でのインディアンの減少もそうだ。
 「しょせん後進民族」と嘲笑していた「先進民族」は20世紀になって報復される。今度はアフリカ大陸からエイズがやってきたのである。こういう疾病と文明との論議はこれまでも多々あるが、スペイン風邪、梅毒、エイズなどを「人類史を変えた病」として、それに移動の能力を加えた考察というのはもっとあっていい。
 インフルエンザ、気をつけましょう。特に幼児と、そろそろ私くらいの年齢から上で、特になにか持病があるひとは命取りになりかねない。たかだか風邪(正確には風邪じゃないんだけど)とあなどるなかれ。予防接種をお勧めする。予防できる確率というのは私の感触ではタイガースの平均打率くらいだが、罹患しても軽い確率はタイガースの4番の打率くらいな気がする。
 まったく注射される気がなくなりましたね。5000円くらいするのではないか。人生の多くの時に感じるように、罹ってしまうと「5000円をケチるのではなかった」と呻吟するのである。だがそのまま逃げきれば「ラッキー」だ。同世代の方には申し上げる。新卒のころの5000円とは違うのである。身体へのダメージも違うのである。5000円、ケチらないようにしましょう(笑)。
 というのも、今年の寒さはやはり異常なのだ。しかも乾燥していて、インフルウィルスにとってこれほどの環境はない。私はこういう時は外に一歩も出ずに隠遁しているからいいのだが、今朝も通勤通学をされている方々はそうも行くまい。この状況で顔と顔を数センチに近づけて、マスクをしていても咳をしている奴がいるなどという状況は、海外の専門かから見るとクレージーだと。
 日本国の国富ぜんたいから見ると、こういう時は国内的パンデミックを防ぐためにも、厚労省がよびかけて「時差通勤」でラッシュを軽減するなどという視点があってもいいのではないか。「学級閉鎖」は昔からある似た考え方である。「密度を減らす」ことによって蔓延を防ぐ。けれども日々の仕事で稼いでいる企業に「企業閉鎖」は言えない。せめて、もっとも接触が濃厚な通勤などについて、何かできないかな。
 ホントに、医者の馬鹿息子は何から何までコメントするなと、書いていて自分でも思う。けれども、これほど浅く広くすべて中途半端で生きていたモノ書きはそうはいないだろうから、まあいいかと。ちなみに私は、インフルは兆候もない。さきほど触れたように外に出ないから。ところが別のことで今日は病院に行かなくては。この時機、病院に行くというのが感染のもっとも大きなリスクなのだが、専門医なのであまり心配がない。まだ左耳が聴こえないのだ。土曜日か。診察は午前中だけだろう。であれば週明けにするか。

 京都というのは化け物が棲む街であるとは、しばしば書いてきている。だから魅力的であって、怖い。時の権力者は必ず目や耳をこの都に置いてきた。はじめて政権が東へ移った鎌倉幕府六波羅探題を置いた。
 http://www8.plala.or.jp/bosatsu/seisaku/rokuhara-tandai.htm
 <「六波羅探題」とは、1221年(承久3年)の承久の乱後、朝廷の動きを監視するため、京都に設置された鎌倉幕府出先機関
 北条泰時北条時房をそれぞれ六波羅の北と南に駐留させたのが始まり。
 六波羅探題の設置によって、これまでの京都守護は廃されている。
 六波羅探題には、北条一族の中でも特に有望視された者が就任し、執権、連署に次ぐ重職で、朝廷の監視のほかに、裁判、京都周辺の治安維持なども行った。>
 私はここが好きで、時代小説の舞台にすると面白いのではないかと。おまえがやれよ、って?歴史小説はよほどいい編集者がつかないと史料あつめが大変なのだ。このあたりから南北朝にかけては、私がもっとも愛してやまない時代である。次の幕府で京都に中心が移り、やがて衰えると京都のとりあいになる。「都に誰が旗をたてるか」という戦国時代だ。私が大好きな上杉謙信、嫌いな武田信玄が、オタクとしか言えないほどに京都を目指して、その無理のためにふたりとも途中で死ぬんでいる。どういう情熱だろうか。
 覇者となった織田信長は調子こいて都は本能寺で丸裸でいるところを殺された。せっかく大坂城という天下の巨城を造りながら、成り上がりの豊臣秀吉はやはりどうしても都が恋しくて、醍醐の花見をして伏見城を造営した。私が海外で歴史を持つ都市としての魅力を感じるのはまずロンドン、次にパリ、ローマあたりか。だがいずれもはるかに京都には及ばない。ちなみに、歴史を外すと、マニラ、バンコク…ええって。
 ご存じの京都所司代というと、時代劇ではだけ観ていると、江戸の幕府の出先の監視機関だと思われがちだが、室町時代からある。六波羅を受け継いでそのまま体制の変化とともに存在したのかも知れない。源頼朝が鎌倉に幕府を開いたのは、地盤がそちらであるからという利己的な理由であった。家康が江戸に幕府をひらいたのは「このままでは日本国は南だけの半国になってしまうという、かなりパブリックな動機であって、私は家康は死ぬほど嫌いだが、その着眼点は評価するほかはない。そうでなければ、ひょっとするといまの日本国は朝鮮のように「北日本」と「南日本」に分裂していたかも知れない。
 だから、政権は江戸に置いた。けれどもいつもどきどきしているのは京都で何をしているかだ。監視役を常に置いて、頻々として報告をさせている。にもかかわらず、維新回天の業は家康が心配した通り、京都から起きた。新撰組を投入しても、歴史の動きは止められなかったのである。私、この時代は両方とも好きです。そのあとの汚職腐れの明治政府を見るにつけ。

 京都とはそういう場所だ。いまでも世界には「情報の市」と言われる都市がある。逆に言うと「スパイ天国」だ。日本国の東京という街もそうであって、これは情報が集まってくるのではなく、糞みたいな政府が続いているのでスパイ防止法もなく、すべてがダダ漏れという「いつでもやらしてくれる頭の足りない女」という(すみません、いつも通り朝から)まことにマイナスな評価だ。
 京都は違って、日本国の圧倒的な情報センターだった。だから幕末の志士たちは全国からここに集った。フィクサーたる坂本龍馬寺田屋にいなくては仕事にならなかったのである。だから「維新て何じゃ?」程度の田舎侍も、とにかく「都にいけば何とかなるじゃろ」と集まってきた。「鴨川ちゅうたら、どっち行けばよかもんせ」四条大橋の上で聞かれたという笑い話がここにはある。京童のイジワルが作ったのだろうが。
 日本国には「表の世界」と「裏の世界」がその中世のころからずっとある。たかだか明治からの東京にいて表だとか裏とか言っている政治ゴロや政治家にはわからない世界が。私は関西生まれなのでそこのところがわかる。それぞれと話もできなくもない。だが、やはり京都だ。この地に盤踞していた政治家が逝った。フィクサーだとかドンだとかは東京での言葉である。こちらにはそういう単語はない。ただ「話、いてみはったらどないやねん」だ。野中広務さんが亡くなった。
 <言論の自由、晩年まで説く/日歯連事件関与も/野中広務さん死去>
 https://digital.asahi.com/articles/DA3S13332439.html
 ご本人はあちら側で笑っているのではないだろうか。朝日新聞が書くと、俺の訃報もこうなるのか、と。
 <元自民党衆院議員の野中広務氏が26日、92歳で亡くなった。自らの戦争体験をもとに、自民党ハト派の論客として晩年まで護憲や言論の自由の大切さを説き続けた。>
 いちどはお会いしたかったがかなわなかった。ただしその考え方は多くの友人たちを経て私は学んできた。戦後日本の中で、もっとも叙述しにくい政治家ではないだろうか。「政界の表も裏も知った」などと大マスコミは書くだうが、嘘だ。そんなものではない「日本国が抱えるホンネと裏側をとことん知って付き合った」方である。私でないと書けないし、こういう時に書き遺さないのは卑劣だと考える。部落差別についてだ。同和問題とかいう「言い換え」はしない。多くの行政はもちろん政治家も逃げる中で、その世界であっても、不公正には堂々と立ち向かえるひとであった。
 その世界を裏というのはよろしくないと思うが、周辺にはいろいろな裏がある。いつの時代も表と裏をつなぐひとは必要なのであって、京都という街はそういう人々をいつも産み出し続けてきた。江戸幕府所司代を置いたのも、自民党が野中さんという傑物に頼ったのもそういうことである。だから私は娘を京都大学に…いてててて。なんとなく遠くにいても殴られるとわかるようになってきた。言葉の綾だって。私に逢うのを拒絶した理由の試験、しっかり頑張るように。

 

みんな、草津、行こう。
 <草津白根山噴火/温泉街「現状被害なし」/風評払拭へ県一丸、国にも要望>

 http://www.sankei.com/region/news/180127/rgn1801270012-n1.html
 <草津白根山本白根山草津町の噴火で懸念されている草津温泉街の風評被害の拡大に手を打とうと、県は26日、職員を同町に派遣し、旅館組合や観光協会などに現状把握の聞き取りを行った。県は今後、「正確な情報発信に努める」としており、同日には国にも要望書を提出。草津温泉への「応援」体制が広がってきている。>
 県や国ができることなど何もない。残酷なことを言うようだが、現状は認識しておかないと。温泉街での仕事は「民業」だ。「民業」に「官」がカネを突っ込むことはありえないのである。せいぜい行政のトップが発信するくらいだろうけれども、いまこの段階ですぐに知事が露天風呂に入って、その映像を流させるくらいのことがないとダメだ。私が知事なら即座に命じていた。広報などの役人を使っていては無理。いつもつきあっている地元局の幹部に直接電話するのである。「いまから風呂入りにいくからクルー送って~」と。みんなで面白がる。きついときにはそれがいちばん。
 週末。どう過ごそうかとお考えの向き、草津はいかがですか。硫黄の匂いが漂う世界屈指の温泉街。私が保証する。


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