パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

沖縄知事選は多分こうだったのではないかという仮説




2018.10.02

沖縄知事選は多分こうだったのではないかという仮説

沖縄知事選の結果について、どんな解釈をするのも勝手です。
でも、データと整合しない解釈ってどうなの?
あと事実に反する勝手な思い込みを前提にされても困りますよね。
ウソも100回言うとホントになっちゃうので、それを阻止ておいた方がいいと思いました。
そこで、現時点で入手可能な情報と整合的な仮説を立ててみました。
1.候補者の人選
今回の選挙を大胆に東京の事例として置き換えると、「吉住健一vs堀潤」みたいな構図でした。
吉住健一君は大学は違えど私の弁論部の後輩で、世界的に有名なあの新宿区の区長をやっています。
これに対して堀潤さんは東京MXテレビの朝の顔です。
知名度の差は歴然ですよね。
今回の沖縄のケースでは、吉住区長が宜野湾市長だった佐喜真さん、堀潤さんが人気ラジオDJでだった玉城さんでした。元々知名度では佐喜真さんが圧倒的に不利だったんです。
当初自民党は副知事の謝花氏が擁立されることを想定して佐喜真氏を選んだようです。しかし、オール沖縄は謝花氏では勝てないと悟り、リスクを取って玉城氏を出してきました。もし、自民党が若手実業家の安里氏を担いでいたら、知名度では玉城氏に劣るものの若さと実業家としての実績、ネットワーク力、そして女性への訴求などで玉城氏に対抗できた可能性があります。少なくとも佐喜真氏よりは、玉城氏に対抗できる要素は多かった言う人もいます。(東京に無理やり当てはめるなら、楽天の三木谷さんのような有名経営者を担ぐようなものだと思って下さい。)
とはいえ、安里氏も知名度では玉城氏に不利であることは間違いなく、それをひっくり返す戦いという枠組みは変わらなかったでしょう。
※吉住君、ネタにして申し訳ない。
2.組織
選挙は地盤(組織)、看板(知名度)、カバン(資金力)と言います。看板で負けたら地盤かカバンで取り返すしかありません。しかし、佐喜真氏は動員の物量でも玉城氏に負けていました。玉城氏の選挙カー那覇市内をほぼ面で占拠した状態にあったのに対し、佐喜真氏の選挙カーはそもそも数で負けていました。
何を隠そう、自民党沖縄県連は翁長前知事が抜けてからずっと混乱(内紛)が続き足並みも乱れていたのです。そこに準備不足が重なりました。そもそも、知事選の準備をしていた安里氏を押しのけて、何の準備もなかった現役の宜野湾市長の佐喜真氏を突然担ぎ出したのですから。(対抗馬が謝花副知事だろうとタカをくくっていたかな?)
これに対して、玉城氏は準備不足を知名度で補い、また、戦略的にも一番の票田である那覇市にリソースを集中投下しました。この時点で看板と地盤で佐喜真氏のビハインドです。
昔ならここでカバンの出番ですが、今は金権選挙は評判が悪く禁じ手。こうなると佐喜真氏圧倒的に不利です。
3.マスコミとネット
佐喜真氏がここまで追い込まれた理由は選挙の構図が翁長前知事の弔い合戦となってしまったからです。沖縄二紙をはじめとするマスコミは最初から玉城さんを応援するため、弔い合戦モードを全面に打ち出していました。これに対し、ネット上にはその構図は浸透しませんでした。一般的に若年層はネット、中高年以上(特に高齢者)は新聞テレビから情報を得ています。
年代別得票率が40代以上が玉城、30代以下が佐喜真とキレイに分かれた原因はこれだとほぼ断定していいでしょう。
4.結果
知名度組織力(物量戦)、そしてマスコミによる後押し。すべてにおいて玉城氏が佐喜真氏を上回ったため8万票の差で玉城氏が勝ちました。
尚、一部の方が佐喜真支持派のSNS上のネガティブキャンペーンが玉城氏の追い風になったという主張をしています。しかし、これは世代別得票率データと整合しません。なぜなら、SNSを最も頻繁に利用する30代以下の世代では佐喜真氏の得票率が玉城氏を上回っているからです。1~3の状況であれば佐喜真氏はネット空間上でも惨敗する可能性がありました。ところが、ネット空間上では佐喜真氏が勝ちました。これについてはネット上では佐喜真氏が一矢報いたと考える方がデータと整合的です。
このような主張をする人は、保守候補のネット拡散力を恐れているのではないでしょうか?「ネットで応援しても逆効果だ」という誤った情報を刷り込むためにこのようなデータと整合しない主観に基づく主張をしているのではないかと勘繰りたくなります。