パルデンの会

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トルコ震災で見た中国のフェイクニュース製造ラインの実態            中国による「超限戦」に対し、日本と台湾の間で一刻も早く実務レベルで連携し、対処すべきだ。

トルコ震災で見た中国のフェイクニュース製造ラインの実態


 台湾独立建国聯盟日本本部 林 省吾

2月6日にトルコ・シリア大地震が発生したのを受け、日本、台湾を始め各国の救助隊がすぐさま現地入りした。一刻の猶予もない中、政治的な動機により人命救助の足を引っ張ろうとする国がいた。それは案の定、中国である。

台湾の救助隊は震災翌日の7日に現地に到着した。現地で不足している高機能の設備を持ち込んだため、難度の高い現場を任されるなど、重宝される存在となった。帰国の際には設備をそのまま寄付し、トルコ国内メディアにも取り上げられて話題になった。

この状況がよほど気に食わなかったのだろう。中国のサイバー部隊の仕業と思われるフェイクニュースがすぐさまネットを通じて拡散され、メディアでも報道された。以下は台湾のシンクタンクの分析で判明した中国による情報操作侵略の実態である。

まず2がつ10日、ウェイボーのアカウント「斯图卡98」が「台湾の救助隊は台湾の宣伝など政治的な目的のために現地入りしたから、宣伝を優先してトルコ人の命は二の次」と発信。更に2月12日、ロシア通信社のウェイボーのアカウントが「台湾の救助隊は救助のパフォーマンスしかしないので、トルコ側に撤退させられた」と発信。この2件のフェイクニュースはその後、多くの偽のSNSアカウントに引用され、まるで事実のように拡散された挙げ句、台湾の親中メディアがニュースとして報道した。極め付けは中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)が記者会見で「台湾は不幸な震災を利用して政治宣伝をした」と批判。ゼロから事象でっち上げ→拡散→報道と一連の生産ラインを全て網羅する正真正銘のフェイクニュース工場である。

しかし、嘘に少し真実味を混ぜないとバレてしまう。中国の嘘の質が高いのは、正に少しの真実が入っているからだ。実はこのフェイクニュースの主語を中国に変えたら、ほぼ真実であると言える。中国の救助隊は必ず救助現場に大きな中国国旗を掲げ、「あんたたちを救い出したのは中国だ、忘れるなよ」と視覚的に記憶を刷り込む。他国の救助隊は静かに帰国したのに対し、中国の救助隊は帰途あえてイスタンブールの繁華街に立ち寄り、トルコ国民から拍手を受けた映像を撮って報道。更に中国のメディアが被災者にギャラを渡し、中国を美化するコメントをさせていたヤラセも判明した。他人の不幸を利用するのは、いつも中国である。

今回の震災で見えた中国産フェイクニュースは一見笑い話に見えなくもないが、こういった台湾の政府機関へのネガティブキャンペーンが積み重ねられていくと、政府への不信感に繋がってしまう。

近年、同じような世論操作は日本の沖縄問題にも見られる。このような中国による「超限戦」に対し、日本と台湾の間で一刻も早く実務レベルで連携し、対処すべきだ。


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台湾の声