パルデンの会

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ウイグルの古典哲学や歴史を日本に紹介するために設立された団体、ウイグル人文科学研究院から、機関誌第一号が発行されました。

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ウイグルの古典哲学や歴史を日本に紹介するために設立された団体、ウイグル人文科学研究院から、機関誌第一号が発行されました。1冊 1,000円です。
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詳しくはまた解説しますが、1944年の東トルキスタン共和国、1933年の東トルキスタンイスラム共和国独立直後の演説や新聞資料がウイグル語からの直接の翻訳で読めます。これは結構貴重。1945年、東トルキスタン共和国の最初の大統領となったアリハン・トレの演説が翻訳されているのですが、ここにはウイグル民族意識、宗教意識が最も強固な形であらわされています。部分訳はいくつか紹介されたことはあるけど、全訳は少なくとも私は初めて読みました。
アリハン・トレは、東トルキスタンをあくまでイスラム信仰と民族主義,そして反共主義に基づく独立国家を目指していましたが、この東トルキスタン独立を軍事的に支援し、かつこの地に勢力を伸ばそうと思っていたのはソ連でした。アリハン・トレは早い段階でソ連によってその地位を追われ、ウズペキスタンに逃れます。
その後、東トルキスタン共和国が、ヤルタ協定によって中国に引き渡され、その後の中ソの圧力により滅ぼされたのちは、ひたすら著述に励み二冊の本を残しました。私は未読ですが、この機関誌の論文を執筆しているムフタル・アブドゥラフマン氏によれば、その内容は、大国に対峙するためには、トルコから中央アジアにかけてのすべてのトルキスタン民族が連帯しなければ勝てない、という、私の言葉で言えばある種の「大トルコ主義」的な思想を展開したようです。
いま中国は、中央アジア諸国を、ロシアの弱体化を見込んでむしろ手中に収め、一帯一路政策の拠点化しようとしています。中国はモンゴル国にも影響を与えつつあり、モンゴル国内で、南モンゴルの人権問題を訴えたり、モンゴル民族の連帯を訴える知識人などが逮捕、弾圧されているのはその実例です。現実を見ればアリハン・トレの理想は全く真逆の形になりつつありますが、だからこそ逆に、わが日本は中央アジアに多くのODAを出してきているはずですし、この地を中国に渡さないための外交努力が必要となるはずです