パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「私がいやなことのひとつは嘘つきである。もうひとつは圧迫者である。

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 ウイグルの哲学者が残した箴言が現代人に語りかける
  幸福とは何かを追求したウイグルの智恵の結集から学ぶ

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ムフタル・アブドゥラフマン著、三浦小太郎監修
ウイグル人の考える幸福の智恵』(宗教問題、発売=産経新聞版)
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 ウイグル古典とされ、哲学の神髄はユスプ・ハス・ハジプが十一世紀に書いた『幸福を与える智恵』である。この古典は英訳され、中国語訳と日本訳もある。
 しかし読んだ人は稀である。
 思想哲学は孔孟、アリストテレスプラトンの時代から説かれ、日本でも文字こそ無かったが縄文遺跡の神殿跡、ストーンサークルウッズサークル、そして土偶などをみると、人々の信仰や建築思想などから、その宇宙観がわかる。
 仏典が日本に入ったのは六世紀、それが七世紀には聖徳太子の十七憲法によって『和の精神』が説かれ、八世紀に成立を見る古事記日本書紀によって神武天皇の肇国の理想「八紘一宇」という崇高な思想の存在を知る。
九世紀には最長、空海が唐留学を終えて、天台、真言の教えを広めた。十一世紀には源氏物語など、世界初の恋愛心理小説がかかれ、日本文化は頂点をうった。以後、日本文学は江戸時代で一度復活するが、衰退傾向にあるといえるのではないか。
 そもそも現代日本語は「智恵」を「知恵」と書く、きっと「智」を失ったからだろう。知識は智恵を超えないのである。
 ユスプの箴言がある。

 「人は学べば学ぶほどに知識を増やす
しかしどれほど勉強を尽くしても智恵はまなべない」

 ウイグル哲学書『幸福を与える智恵』が完成したのは西暦1069年、わが国は摂関政治の黄金期、藤原道長から頼通へ太政大臣座は譲られ、貴族らが国を治めた。
同じ頃、ウイグルはカラハン帝国時代で、仏教だったウイグルはイスラムとなった(968年)。ユスプは法務大臣だった。
 価値観の転換があり、文化、言語に大きな変化が起こったが「国内の分裂を回避し、文化的統一と、正しい統治をおこなうため為政者が認識すべき」鉄則を本書は述べた。
 「人間の本質とは智恵であること、そしてそれは知識によってもたらされ、人間に真の幸福をもたらすものであると強調しました。人間の幸福とは、正しい政治をもって社会が治められなければ、成立しません」(著者の序文)。
 ユスプは言った。

 「私がいやなことのひとつは嘘つきである。もうひとつは圧迫者である。
  国王よ、愚の中でも最悪なのは、国家の君主が嘘つきとよばれていること
  嘘つきの者は忠義なき者である。至誠心がない者は人民に危害を与える。
  その人が絶対に国王にならないほうがいい。言葉が虚偽であれば、行為が憤怒的になる
 嘘つきの者は世界を崩壊させる
  国王よ、正直な誠実は人をいつも身の回りに呼び寄せてください」

 この言葉、北京の奥の院につどう愚者たちの耳にとどいただろうか
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784863061712
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