パルデンの会

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中国の民族迫害政策に対峙する在日ウイグル人に見ず知らずの中国人から写真を撮られる被害が相次いでいる。

ウイグル人集会を盗撮の中国人、当局の関与指摘も 実家へ圧力や支援の委縮が懸念

奥原 慎平 産経新聞
 
 
中国人女性に撮影を指示した男性と電話で会話する在日ウイグル人=21日午後、東京都北区(奥原慎平撮影)


中国の民族迫害政策に対峙する在日ウイグル人に見ず知らずの中国人から写真を撮られる被害が相次いでいる。日本ウイグル協会が21日に東京都内で開いた集会では中国人女性が会場に侵入し出席者を撮影し、女性は「お金をもらって撮影している」と証言。写真の最終的な譲渡先は不明だが、警視庁公安部は中国当局の指示も視野に入れる。被撮影者が新疆ウイグル自治区に残す家族に危害が及ぶ可能性が懸念される。

21日夜、JR王子駅(東京都北区)近くのホールでウイグル協会が主催する会合が開かれた。協会の年間活動に対し支援者に感謝の意を示す忘年会で、伝統音楽や舞踊が披露される中、約70人の来場者がウイグル料理を楽しんだ。

一方、外のロビーでは協会のメンバーや公安部関係者が中国人女性を取り囲んでいた。女性は会場に入り込み、出席者の様子をスマートフォンで撮影したという。女性は会合の趣旨について把握しておらず、不審に思った協会のメンバーらが退去を求めると女性も一度応じたが、時間を置いて再び会場に侵入しようとした。

 

女性は日本語はしゃべられないと主張し、中国語で数百元(数千~1万円程度)の「バイト代」で会合の撮影に訪れたと説明する。

その場で、中国人女性に撮影を依頼してきたという男性に電話で問い合わせてもらうと、電話に出た男性も別の人物から撮影の指示を依頼されたと明かす。

 

男性らには現場の中国人女性より高額のバイト代が支給されていたという。すると女性は「(ピンハネされ)騙された」と怒りを抑えられない様子を示した。

中国当局ウイグル協会の会合出席者の写真が渡れば、中国で暮らす親族に危害が加えられかねない。女性は産経新聞の取材に「そういうことは考えていない。上からお金をもらって頼まれているだけ。私はおかしくない」と述べ、協会メンバーに促されながら会場を後にした。

 

恐怖から遠ざかる人も

在日ウイグル人の活動を巡っては、中国人から撮影される事態が相次いでいる。

11月1日に東京・永田町で開かれた、ウイグル自治区の「再教育収容所」の様子を元収監者が語る証言集会でも、中国人男性が登壇者を撮影してはその場で中国系通信アプリ「微信ウィーチャット)」で依頼者に送信。罪悪感はない様子だったという。

協会が7月に神奈川県逗子市で行ったパネル展示のほか千葉県船橋市、東京都新宿区、名古屋市内で行ったイベントでも同様の行為が確認されたという。

ある在日ウイグル人は会合に登壇した際、中国人に撮影された。直後にウイグル自治区に残した家族が当局に拘束される事態が起き、このウイグル人は協会の活動から離れた。

日本ウイグル協会のハリマト・ローズ氏

ウイグル協会のハリマト・ローズ氏は「写真によって、われわれの実家にいる家族に悲劇が起きかねない」と懸念し、公安部に対し「撮影の指示系統を調べてほしい。写真に写れば日本人支援者も中国に渡航した際、拘束される危険がある」と訴える。

 

 

民主化を求めるウイグル人の活動を15年近く現場で支援し続けている古川郁絵さんはサングラスやマスクなどで顔を出さないでデモに参加する人は少なくない。自由で安全であるはずの日本でも中国当局に活動を知られれば、恐怖を感じて活動や支援から離れざるを得なくなる」と語った。

(奥原慎平)