ラジオ・フリー・アジアの報道によると、チベット仏教僧侶は2023年6月、亡命チベット人コミュニティからの書籍を再出版した罪と、地域外の人々と接触した罪で中国警察に逮捕された。
中国四川省南西部ンガバ県にあるキルティ僧院の司書を務めていたロブサン・タブケイさん(54)の行方は依然不明であると、安全上の理由から匿名を条件にチベット国内の情報筋2人が明らかにした。
関係者の一人がRFAに語ったところによると、タブキー容疑者は逮捕される前に中国警察から数回呼び出されて取り調べを受けていたという。
「彼に課せられた主な容疑は、彼がキルティ僧院の図書館責任者であり、チベット外の人々と交流していた間に、亡命チベット人コミュニティに起源を持つ書籍を出版し広めたことだった」と別の関係者は述べた。
RFAはンガバ警察署に連絡したが、署員はタブキーが誰なのか全く分からないと述べた。
タブキーさんは、 2008年以来、多くの抗議活動や親チベット政治活動 の舞台となっているンガバのメルマ郡の出身である。
1959年のチベット蜂起(中国当局がチベット国内で発生した大規模な抗議活動を鎮圧し、400人ものチベット人が殺害された)の2008年の記念日に続いて、チベットでは中国の弾圧に抗議して150人以上のチベット人が焼身自殺をした。
中国当局は、チベット国内のチベット人が地域外の人々と接触したり、亡命チベット人コミュニティや中国が「分離主義者」とみなすチベットの精神的指導者ダライ・ラマと交流したりすることは違法であるとみなしている。
しかし、ダライ・ラマとチベット亡命政府は、チベットの文化的、言語的、宗教的アイデンティティの維持を可能にする中国憲法の範囲内でチベット人民の真の自治を求める「中道」アプローチを提唱している。
テンジン・ペマ訳。編集はユージン・フォンとマルコム・フォスター。