中国の主要な証券取引所である深セン、上海、香港の市場がリアルタイムの取引量データの公開を突如停止した。この決断は市場透明性に与える影響と、国内外の投資家に不安を与えている。
最近、「上海・深セン・香港ストックコネクト」と呼ばれるシステム変更が明らかにされた。開始は上海と深センでは1か月後、香港では3か月後で、この変更により上海と深センの市場での海外投資家の取引情報、つまりリアルタイムの買い注文や売り注文のデータが非公開になる。
リアルタイムデータは市場の透明性を維持するために重要であるが、中国共産党が新しい規則を導入する背景には、専門家からも、中国共産党当局の市場操作や自党の利益を守る目的があるのではないかという指摘がされている。
元上海証券のアナリスト、張盛利氏は「世界の市場ではリアルタイムでの取引データ公開は普通であり、中国共産党のこのような措置は市場の公正さを損ねる恐れがある」と述べて批判している。
大紀元のコラムニストである王赫氏も、株式市場では情報の正確さと速さが非常に重要であり、迅速に情報が開示されることで投資家は適切な決断を下すことができると述べている。
しかし、彼は中国の株式市場が根本的に投資家の利益を損なうように設計されていると指摘している。
また4月16日から18日にかけて、香港から中国本土の株式市場への投資資金(北向き資金)は3日間連続で減少し、18日に約53億元(約1132億円)、17日の2億元(約43億円)以上、16日に約28億元(約598億円)の株式が純粋に売られた。
このことについて専門家は、海外資金の流れが中国の株式市場の動向を映し出しており、リアルタイムでの情報が不足していることが市場の理解を妨げる可能性があると指摘している。
王赫氏はさらに、海外資金は市場の動向を予測する「スマートマネー」として知られており、その割合は少ないものの市場には大きな影響を与えていると言及している。
リアルタイム情報の提供が停止されると、これらの影響力はさらに減少する可能性があると述べ、中国共産党の政策が短絡的な結果を招く恐れがあると警告している。