ロシア軍電子戦でも優勢に ウクライナ軍無人航空機大隊
ハルキウ、ウクライナ、5月15日 (AP) ― ウクライナ東北部でロシアと国境を接するハルキウ州で、5月10日に始まったロシア軍による突然ともいえる春季攻勢で、新たな戦線が形成されつつあり、兵力、武器弾薬ともに圧倒的に不足するウクライナ軍に大きな圧力がかかっている。
無人となったハルキウ州の村ストリレチャは、ここ数日でロシア軍が占領した数カ村のひとつだ。同じように無人となった村では、ロシア軍歩兵部隊が徒歩で村を占領した。 ウクライナ軍の最大の懸念は、ロシアが国境沿いにさらに戦線を広げ、限られた兵力をさらに酷使し、約束された西側の軍事援助が届くまでの隙を突くのではないかということだ。 それを阻止するために、約1000キロにおよぶ戦線に沿った拠点で、これまでロシア軍の前進を食い止めるために配備されていた戦闘旅団から、貴重な予備兵力が新たな戦線に投入された。 ロシア軍の攻勢を受けて、ドネツク州バフムートに配備されていた第92独立強襲旅団の無人航空機大隊「アキレス」も5月10日、ハルキウ戦線に投入された。 AP通信は、部隊の所在地を明かさないという条件で、アキレス大隊の取材が許可された。 国境沿いのロシア軍掃討作戦の一環として、部隊は24時間態勢でハルキウの主要道路を監視し、爆弾を積んだ自爆型無人機を飛ばして、敵の軍用車両を破壊している。 ロシア軍が到着した夜、アキレス大隊は主要道路を走る多くの軽軍用車やトラックを破壊した。 翌日の夜には、ドローン部隊が射程圏内にいることにロシア軍が気づいたのか、車両の数が減ったという。 ロシア軍は、ウクライナ軍の自爆型無人機を無力化するために、電子戦を使って優勢になった。ロシア軍はウクライナ軍のジャマーを回避するために新しい周波数を配備し、ウクライナ軍のドローンの周波数を消す別の方法を見つけている。 最近、ロシア軍は亀の甲羅のようなものを装備した戦車を公開しており、そのような設備を破壊するのは難しくなっているという。 (日本語翻訳・編集 アフロ)