衆院選、来月27日投開票へ 石破氏意向、9日解散 国会論戦最小限に
自民党の石破茂新総裁は29日、衆院選日程について「10月15日公示、27日投開票」で行う方針を固めた。 【主な経歴】石破 茂(いしば しげる)氏 複数の党幹部が明らかにした。10月1日の首相就任を前提として、30日に解散方針を表明する方向だ。一方、国会で十分な論戦を求めている野党の反発は必至だ。 石破氏は29日のNHK番組で「首相が代わる。国民の判断を早く仰ぐべきだ」と強調。首相交代後、早期に衆院解散・総選挙に踏み切り、国民に信を問う必要があると判断した。フジテレビ番組では、「早ければ早い方がいい」と明言した。 10月1日の新内閣発足を受け、与野党は4日に衆参両院で石破新首相の所信表明演説を行う方向で調整している。7日から各党代表質問を行い、9日に解散する日程が軸となる。石破氏周辺は、27日投開票の場合、9日解散の可能性が高いとの見通しを示した。 解散について、石破氏は国会論戦を経てからが望ましいとの考えを示していた。野党は衆参予算委員会での質疑を求める構えで、国会日程を巡る駆け引きが激化しそうだ。石破氏は予算委の代わりに9日に立憲民主党の野田佳彦代表らとの党首討論を行う方向で検討している。 石破氏はNHK番組で、10月にラオスで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席する意向を表明した。10、11両日の参加が想定され、衆院本会議で衆院を解散する日程は9日に絞られる。 衆院選について、石破氏は「10月29日公示、11月10日投開票」も検討したが、自民内では、野党との本格論戦を待たずに解散すべきだとの意見が強まった。政府・与党内からは、11月投開票では、編成を見込む2024年度補正予算の成立が遅れ、25年度予算の編成作業が窮屈になるとの指摘も出ている。
最低限 落選させるべき自民党議員たち
【一覧で見る】自民党新執行部の顔ぶれ
自民党の石破茂総裁は、党の新執行部の陣容を固めた。衆議院の解散総選挙を視野に、党の要の幹事長には経験豊富なベテランの森山裕氏。「選挙の顔」として、ともに総裁選を争った小泉進次郎氏を起用する。 ◇ ◇ ◇ 【自民党新執行部の顔ぶれ】※敬称略。衆参の後の数字は当選回数。
総裁 石破茂 衆12 無派閥
副総裁 菅義偉 衆9 無派閥
幹事長 森山裕 衆7参1 旧森山派
選対委員長 小泉進次郎 衆5 無派閥
幹事長代行 福田達夫 衆4 旧安倍派
広報本部長 平井卓也 衆8 旧岸田派
組織運動本部長 小渕優子 衆8 無派閥
【派閥】
無派閥 4
旧岸田派 2
旧森山派 2
旧安倍派 1
麻生派 1
【総裁選候補との関係】
総裁選の高市早苗氏、茂木敏充氏、加藤勝信氏の3陣営からは起用がなかった。
【“裏金議員”の起用】 いわゆる裏金問題に関与した議員のうち、福田達夫氏が執行部に起用された。不記載額は98万円で、日本テレビの取材に対し、これまでに使途についての回答はなし。
■ポイント解説
最注目は決選投票で戦った高市早苗氏の処遇だった。石破総裁は要職である総務会長を打診したが、高市氏は「幹事長以外はやらない」と固辞したという。ある自民党幹部は「異例だ」他の閣僚経験者は「倒閣運動をすでに始める」と話している。 総裁選決選投票の石破総裁と高市氏の票差はわずか21票。安定した政権運営には高市氏や高市氏を支えた議員の協力が不可欠だ。しかし、最初から高市氏が「協力を拒否」した形だ。 これを受けて石破総裁は、麻生派の鈴木俊一氏を総務会長に起用した。総裁選最終盤で高市氏の支持に回った麻生氏の派閥からの起用だけに、人事を固めるにあたっては、幹事長となる森山氏が29日、麻生氏の事務所に足を運んで、了承を得た。 石破総裁は周辺に「人事は大変だ」と苦しい胸の内を語っているという。