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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)3月29日(土曜日)
通巻第8714号 <前日発行>
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トランプ政権、ロシアをSWIFT排除リストからはずそう
大事なことはドル基軸体制の堅持である
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ベセント米財務長官は、「ロシアへの制裁解除を検討中で、ロシアの銀行をSWIFTネットワークに再接続させるという制裁解除の選択肢の一つとして検討している」と発言した。
米国ならびに西側主要国は、ロシアの主要銀行をSWIFTから排除してきた。このためロシアは中国のCHIPシステムを利用し、或いはインド、中国との石油取引決済に暗号通貨利用も活用して居る(らしい)。
サウジアラビアで議論された黒海停戦イニシアチブの一環として、モスクワは、自国の農業銀行(ロッセルホーズバンク)や、食品や肥料の販売に携わる他の機関を国際決済システムに再接続するよう米側に強く要請した。
ベセント財務長官は3月26日のフォックスニュースで、「合意条件について議論するのは時期尚早だ」と強調しつつも、「あらゆることが検討されている。制裁が強化されるか緩和されるかはロシア指導部の次の動きによって決まるだろう。トランプ大統領は、交渉で有利になるなら躊躇せずに制裁を強化するだろう」と指摘した。
この発言の裏側にはトランプの政治的意図が読める。ドル基軸体制が弱体化している現状を踏まえれば、ロシアの再加盟がドル離れを食い止めることが可能と踏んでいるのだろう。
3月24日に米国とロシアはサウジアラビアで12時間にわたる協議を経て、失効した黒海協定を復活させる基本方針では合意している。
トランプ大統領はモスクワに対する制裁の一部解除を検討していることを認め、「条件は5つか6つある。すべて検討している」と述べた。
一方、プーチン大統領は「西側諸国の制裁は一時的な措置ではなく、モスクワに戦略的な圧力をかけるための長期的な手段であり、ロシアのライバル国は常にロシアを弱体化させる方法を模索するだろう。ロシアの個人および団体に対して合計28,595件の制裁が課せられており、これは他のすべての国に課せられた制裁の合計数を上回っており、自立を奨励することで国家経済を強化しているだけだ」と制裁を気にしていない強がりのポーズを示した。
トランプは一部のロシアのオルガリヒの在米資産凍結解除を検討して居るとも報じられている。
▼ロシア中央銀行は暗号通貨決済に懐疑的
ロシア中央銀行エルビラ・ナビウリナ総裁は、「ロシアは現在、暗号通貨のマイニングと貿易決済の実験的実施を許可しているが。依然として非常に不安定な金融商品であり、しばしば怪しい活動に利用されている。したがって暗号通貨を決済手段として利用することは認められるべきではない」と主張した。
とはいうもののロシアは「特定の資格のある投資家」が暗号通貨を投資手段として認めることを支持している。しかし同時に暗号通貨の宣伝や、デジタル通貨取引を促進する商品やサービスの宣伝を禁止している。一部地域では停電の危険性を理由にマイニングを禁止して居る。
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