パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

『人民日報』が「中国は(戦争の)準備が出来た」と書けば、    ネット反応は「(逃げる)準備は出来た」と諧謔で答える

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和七年(2025年)12月31日(大晦日
        通巻第9092号  
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 ●大晦日、愛読者の皆様、良いお年をお迎えください  ((編集部一同))
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 『人民日報』が「中国は(戦争の)準備が出来た」と書けば、
   ネット反応は「(逃げる)準備は出来た」と諧謔で答える
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年末も押し詰まった12月29日~30日にかけて、中国軍は台湾を包囲する形の

軍事演習「正義使命─2025」を展開した。なぜこのタイミング? しかも「邪悪な試み」が「正義使命」だそうな。
 トランプ大統領は「まったく気にしていない」と発言した。

中国共産党は内部で権力闘争が激化していることを糊塗するためなのか。尖閣水域にも四隻の中国海警艦艇が侵入した。
そして相変わらず「日本が挑発した」とがなりたてている。

実弾演習を含む大がかりな軍事演習だが、空母は参加せず、陸海空軍や「ロケット軍」が加わった。台湾の港湾や区域の封鎖を想定した訓練を企図し、東部戦区報道官は「『台湾独立』勢力と外部干渉勢力の意対する厳重な警告だ」と獅子吼した。「外部干渉勢力」の名指しはせず、台湾への武器供与を続けるトランプ政権を遠吠えに批判したことになる。

しかし台湾包囲網作戦などドやっている場合なのか? 中国経済はそれどころじゃない筈なのに?

 2025年12月10日から中国では「中央経済工作会議」が開催された。
2026年目標を並べたが具体的な数値目標はなく、レトリックに終始し、25年の総括は「新たな発展理念を貫徹し、より積極的かつ効果的なマクロ政策を実施した結果、経済・社会発展の主要目標は順調に達成する見込み」とかを報告した。四中全会の基調報告と同じトーンである。具体策はまるで述べられていない。

 何を言っているのかさっぱり分からない語彙が並んだ。「経済の潜在能力を十分に引き出す」、

「政策支援と改革・イノベーション同時に推進」、

「柔軟性を持った運用」と「適切な管理」。

付け足しが「外的要因による課題に備え内部基盤の強化」。
 前回までの「成長、拡大、内需刺激」はまるで強調されず、煎じ詰めると「経済崩壊の防止」を抽象的にのべたに過ぎない。


 ▼「人民元」を刷って刷って刷りまくれ

 2026年の重点政策は8項目とした。
(1)「内需強化。強大な国内市場を建設」。(2)「イノベーション堅持し、新成長エンジンの育成・強化を加速」。(3)「科学技術人材の育成」、(4)、「人工知能推進」。(5)「改革におけるブレークスルーを堅持し、質の高い発展の動力と活力を強化する」。(6)「脱炭素・グリーン『ダブルカーボン目標』先導を堅持」、(7)対外政策の堅持、(8)「最低ラインの死守」などとなっていた。
最低ラインの死守というのは、不動産価格のこれ以上の下落を防ぐということなのか。

 レトリックの洪水は誰も関心がない。
そんなことより、焦眉の急は、いかにして国家破産を先送りし、当面の中国経済の延命をはかることにある。ハイテク開発で景気のよい報道に投資家は酔っているうちに、さっと裏の政策を展開する。 
 表向きの提灯行列のような派手な騒ぎとは「AIで米国と並んだ」。「7ナノ半導体を自製した」。「ディープシークは米国のオープンAIをやがて抜き去る」。「ロボットは米国を越えた」。「ドローン空母は世界初だ」。「日本の技術などめじゃない」等々。。。。

 ハイテクの最先端を行くファーウェイ、じつは借金漬けになっていて、夥しいレイオフを出している。ファーウェイは各地に研究開発センターやラボを設立したが、営業利益を回しているのではなく、国有銀行が資金を流し込んでいるのだ。
「第二の恒大集団になる懼れがある」との分析があっても、一切報道されていない。

 カラクリは為替の操作、銀行の倒産回避、ダンピング輸出により赤字でも構わないからドルの確保、不動産の救済は後回し、とりあえずは銀行の救済、地方政府の破産回避である。
 だが、掛け声はかかったものの、給与遅配、減給の地方公務員はやる気がない。若者たちと同様な「寝そべり」となって、行政の末端は機能不全に近い。

 中国人民銀行のM2(通貨供給)たるや、一説に累積で7050兆円、これは米国のM2の二倍に相当する。つまり紙幣を「刷って、刷って、刷りまくっている」のである。
 微調整とかのたまわっての新しい通貨供給は155兆円程度。しかし銀行準備率のかさ上げはなかった。
追加融資などと言っても、民間企業への融資拡大ではなく、国有企業への追加融資と地方政府救済のためである。民間企業はおそらく倒産しても構わないという態度なのだろう。かつて1952年に民族企業かを弾圧し、上海を中心に民間企業を接収したように、当時分かっているだけでも900名近い企業かは『自裁』に追い込まれた。先を読んで香港へ逃亡した、世界的企業を立ち上げたのは包玉剛、董建華ら少数派だった。しかし彼らが香港経済飛躍の礎を造った。


 ▼西側の経済原理は中国に通用しない

 通貨供給を増加させれば、(これまでの人民元はドルの裏打ちがあって、その枠内での増刷だった)、ハイパーインフレとなり通貨価値が下がる。もっと進めば人民元は崩落する。
為替レートは市場原理をあてはめると、金利、経常収支、政治情勢で決まる。だが、金利はそれほど、つまり投資かを魅了するほど高くはないし、貿易黒字は、『サウスチャイナ・モーニングポスト(12月30日)に依れば、『民間企業によって海外へ環流した』ようである。

 外国企業の撤退、ファンドの撤収は貿易黒字の補填でもとても追いつけず、かといって外国企業の直接投資はほぼゼロ、中国にまだ進出しているのは、「寿司ロー」くらいだろう。
 夏頃から各地で暴動が頻発しているが、工場のストライキから抗議行動は街へ飛び出した。九月には昆明の屋台市場で市民と警官隊が衝突した。屋台村を撤廃し、あたらしく登録料をとるとなって屋台で生活してきた人びとが抗議に立ち上がった。
 各地の大學キャン発では「白紙」スローガンの無言デモ。12月に四川省成都でも大規模な暴動がおきた模様である。

 『人民日報』が「中国は(戦争の)準備が出来た」と書けば、たちまちネットでは「(逃げる)準備は出来た」と諧謔で答える。SNS空間では「まず指導者の子供達を戦場に送れ」「党の指導層の子弟は海外で暮らしているのはなぜだ?」。「いつも党が正義、日本が悪いというが、それは共産党の自爆であり『戦狼外交』とは『狂犬外交』だった」

 重慶のビルにネオンが灯った。共産党を排除しての改革を」「中共産党を打倒せよ」「独裁者を倒せ」。このネオンサインは忽ちにして世界にSNSで伝わった。

北京四面橋では「共産党の悪政」を批判する横断幕、上海でも習近平のポスターに赤ペンキ。弾圧しても弾圧しても、警備が追いつかず、そのうえ地方の警察官も給与の遅配が目立つ。

 地方政府の債務膨張と「融資平台」の負債は軽く3000兆円。地方債券の起債が認められたが新規プロジェクトではなく累積債務の借り換えである。たとえば中国新幹線は5万キロ、累積債務が138兆円、新幹線運賃を二割値上げしたが、年間の利払いにも追いつかないのだ。

 膨大な紙幣増刷を倒産間際の民間企業への貸し出しにつかうのではない。地方政府負債の債権借り換えである。
地方銀行はすでに300行以上が閉鎖されたが、のこる金融機関を延命させ、大型合併を促進して再編し、庶民の不安を取り除かなければならないのだ。

 経済の実情は供給過剰、需要極小。『モノはあるが、買う人がいない』。スローガンは『共同富裕』だったが、結果は「共同貧困」だった。「国進民退」だった。
自動車を2000万台つくっても需要はないのだ。いま辛うじて数字がごまかせるのは貿易黒字1・8兆ドル(280兆円)。じったいは誰もが知っているが赤字輸出。つまり在庫整理。しかし、これでオフショア市場での人民元高の為替操作が可能となるのだ。
 中国の為替は管理制でマネジメントされており、自由変動相場ではないからまだ相場操作はできる。


  ▼人民元の崩落に身構える庶民、富裕層は財産を海外へ移転完了

 ソ連崩壊前夜から、クーデター未遂、ソ連崩壊というめまぐるしい時期に筆者は六回ほどモスクワ、サンクトペテルブルクへ定点観測にでかけた。 
 1990年頃、人為的な為替は1ルーブルが240円だった。さすがに冷戦時代の強制両替はなくなっていた。つぎに行くと1ルーブルが60円になっていた。1991年には1ルーブル=1円。最後は1ルーブル=12銭(0・12円)。
そこで新札ルーブルが登場し、旧札は紙切れとなった。中国の通貨が辿るシナリオの一つが、このソ連型になるかも知れない。庶民はそれを知っている。
だから富裕層は財産を海外へ移転完了させ、中間層は金を買っているのである。

 ☆○◎☆み◎☆◎○や○☆◎○ざ☆○◎☆き☆◎☆□