【9月1日 AFP】台湾訪問中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は1日、初めて公の場に姿を見せ、南部の高雄(Kaohsiung)県高雄市で約1万人を前に祈祷を行った。一方、ダライ・ラマ訪台を非難している中国は、台湾で行われる行事への要人出席を取り消した。 高雄市にあるスタジアム「高雄ドーム(Kaohsiung Dome)」での説法でダライ・ラマは、台湾で少なくとも571人が亡くなった8月の台風8号(モーラコット、Morakot)の犠牲者を追悼し、「ここへ来た目的は台風の犠牲者の方々のために祈り、不幸を追い払うため」と語った。 今回で3回目となるダライ・ラマの訪台は、かつてない経済力をつけた中国との関係を強化したい親中派の現政権にとって間が悪く、馬英九(Ma Ying-jeou)総統や与党・国民党(Kuomintang、KMT)幹部は一様に会見の予定はないとの意向を示している。 しかし1日、台北金融研究発展基金会(Taipei Foundation of Finance)が主催するセミナーに出席する予定だった中国人民銀行朱善?孟(Su Ning)副総裁率いる中国代表団は、突然訪台をキャンセルした。また台湾の報道によると、中国側は5日に台北(Taipei)で行われる聴覚障害者のオリンピック、「デフリンピック(Deaflympics)」の開会式への出席も見合わせる意向だという。(c)AFP/Amber Wang