サーチナ
チベット仏教の最高指導者で、チベット亡命政府の元首を務めるダライ・ラマ14世は31日、東京・両国の国技館で法話を行う。
テーマは「さとりへ導く三つの心と発菩提心」。会場は正午で法話は午後2時から4時まで。入場料はアリーナ席が7000円、マス席が5000円、2・3階席がそれぞれ4000円、3000円。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所によると、チケット料金は、講演の実施に必要な経費をまかなうためで、利益を目的とした加算は行っていない。利益が出た場合には、同事務所の文化活動費として、チベットならびにチベット文化への理解を促進するための活動に充てるという。
国技館の収容人数は約1万1000人。中国政府は「ダライ・ラマは宗教の名を借りた、中国分裂を目的とする政治活動を続けている」と非難を続けており、今回の東京での講演会に対しても強く反発する可能性が高い。
ダライ・ラマ14世は四国の仏教団体の招きで来日が決定。個人の資格で入国し、閣僚など会う予定はない。(編集担当:如月隼人)
「真の調和、武器では得られぬ」ダライ・ラマ、中国の抑圧政策を皮肉る
10月31日17時49分配信 産経新聞
来日中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(73)は31日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見し、中国の胡錦濤国家主席が掲げる 「和諧(調和)社会」の実現について、「全面的に支持するが、真の調和とは武器や金では得られない」と述べ、チベットに対する中国の抑圧政策を痛烈に皮 肉った。
ダライ・ラマはさらに、「真の調和、真の友好を解放軍を使って実現しようとするのは誤りである。武装した兵士は恐怖感を(チベット住民に)与えるだけ。調和社会とは尊厳や平等性をもって得るべきものだ」と批判した。
ダライ・ラマは2003年以降、チベット独立を希求する従来の方針を転換し、中国指導部との対話による問題の平和解決を目指す中道路線に転じた。しかし、直接対話は実現せず、「特使による予備協議でも成果も進展もない」(チベット亡命政権筋)。
このため、ダライ・ラマは会見で、「国際社会はチベットへ、そしてウイグル(新疆ウイグル自治区)に行き、真実を見極めてほしい」と話し、国際社会がチベット問題に対する関与を強めるよう強く訴えた。
ダライ・ラマの訪日は今回で13回目。7日に離日してインド・ニューデリーに戻った後、中国が領有権を主張し、中印間の火薬庫となるインド北東部の国境 地帯に入る。亡命政権筋によると、訪問目的はアルナチャルプラデシュ州タワンで行う「支持者向けの法話」で、現地入りは10日前後となる見通しという。
<世界ウイグル会議>カーディル議長が会見 中国政府を批判
10月30日20時28分配信 毎日新聞
来日中の亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」議長、ラビア・カーディルさんが30日、東京都内の外国特派員協会で記者会見し、中国政府の新疆ウイグ ル自治区での中国語教育の強化や強圧的な取り締まりを挙げながら、「私はテロリストではない。その呼び名は中国政府にこそふさわしい」と批判した。
会見でカーディルさんは、同時期に東京に滞在するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との会談について「その約束はない」としながらも、意見交換を進める意向を示した。日本の政治家との面会については「将来は何人かに会うかもしれない」と語った。
カーディルさんは鹿児島国際大の招きで20日に来日し、11月2日まで日本に滞在する予定。【工藤哲】