【シドニー時事】チベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相は21日、訪問先のオーストラリア首都キャンベラで講演した。中国の習近平政権によるチベット民族への弾圧が強まっていると説明した上で、「チベットには言語、教育、文化の自由が存在しない。名目ではなく真の自治が必要だ」と強調。人権状況の改善に向け、豪州に対中制裁に踏み切るよう促した。
「自分が死んでも」苦境伝えて 住民の声受け初来日―チベット映画監督
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世を擁する亡命政府は現在、インド北部ダラムサラを活動拠点としている。ツェリン氏は、同胞が残る中国のチベット自治区で中国語や中国式教育の強制が進み、子供たちが親から引き離され寄宿学校に入れられていることなどを紹介。「中国政府は開発さえ行えば問題が解決すると考えているが、人心掌握に失敗している」と非難した。