「昨年春以来、さらに過酷で残酷」 中国のチベット弾圧で米議員ら
2011.7.16 22:49 産経新聞
【ワシントン=古森義久】米国の「中国に関する議会・政府委員会」が開いたチベット問題についての討論会でオバマ政 権の高官や上下両院議員は、中国当局のチベット族弾圧について「昨年春以来、さらに過酷で残酷になった」などと激しい非難を展開した。オバマ大統領が中国 の反対を押し切ってダライ・ラマ14世と会談した背景には、中国の少数民族問題に対するこうした議会・政府の強い姿勢がある。
対中批判が噴出したのは、同委員会による「ダライ・ラマの今後の役割」と題した討論会で13日に開かれた。議長のシェロッド・ブラウン上院議員 (民主党)は中国当局がダライ・ラマとの対話を拒んでいることを批判。「(中国当局による)チベット族の言語、文化、宗教に対する攻撃は意図的、かつ政治 的」で、弾圧は昨年春から激しさを増していると強調した。
オバマ政権を代表して発言したマリア・オテロ国務次官(チベット担当特別調整官)は、学校教育でのチベット語の禁止やチベット仏教の儀式の制限を 批判し、「中国は多様な文化を自国の主権への挑戦と受け取っているが、誤りだ」と述べた。同次官はまた、中国政府がダライ・ラマとの対話を始めることがク リントン国務長官の願いだとした。
チベット人の代表たちも討論に参加。ダライ・ラマ支持の集会に参加しただけで懲役22年の判決を宣告され、11年を刑務所で過ごしたという女性、ナガワン・サンドロルさんも「何度も拷問を受けたが、米国の圧力で解放された」と述べた。
中国当局が身柄を拘束しているチベット族の政治犯のうち30人についての実情も公表され、弁護士、作家、僧侶、教員、芸術家などチベット民族の権利や文化の保存に活動してきた男女の逮捕と拘束の経緯などが詳しく報告された。
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チベット仏教も キリスト経も パンチェンラマの偽者を作る国に対しては毅然と対応します。 それは人間だからです。
中国独自任命の司教を破門 バチカンが非難声明
2011.7.16 22:54 産経新聞
ローマ法王庁(バチカン)は16日、中国政府公認のカトリック団体が14日にバチカンの承認なしに広東省汕頭の司教を任命したとして「教会法による制裁の対象となる」と強い調子で非難する声明を発表し、同司教を事実上の破門処分にしたことを明らかにした。
声明は、独自任命に関わった司教の幾人かは任命式に参加したくないとの意向を示して抵抗したが、参加を強要されたと指摘。「中国のカトリック教徒には良心に従い自由に行動する権利がある」と中国政府を非難した。
また法王ベネディクト16世が「中国の教会の処遇について遺憾に思い、現在の困難が速やかに克服されることを望んでいる」としている。(共同)