パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「日本の対中援助~ウイグル、チベットを侵食する『援助』を知る勉強会」について

青木直人氏ブログより

昨日講演をさせていただいた日本ウイグル協会主催の「日本の対中援助~ウイグルチベットを侵食する『援助』を知る勉強会」について、報告しておきます。私のメールにも、参加者の方から講演の感想が届いており、激しい怒りの声で埋まっています。
日本の中国向け援助の実態は本当に不透明で、外務省のHPを見ても、データはいずれも、数年前の古いモノばかり(これは関係国すべてについて言えるのですが)、手抜きがひどすぎます。この体たらくで「ODA予算を減らすな」と言ったところで、世間には通用しないでしょう。

対中ODAは終わったとばかり日本国民は信じ込んでいますが、これがまず大嘘です。最大の原因を問われるべきは大手メディアが報道しないことで、もはや彼らに何を期待しても無駄ということなのでしょう。産経新聞古森義久氏を除いて、このテーマを今後も新聞やテレビが掘り下げて報道することはまずありえないでしょう。
お笑いなのは、何かといえば頻繁に読者アンケートを行うことの多い新聞社ですが、朝日新聞毎日新聞日本経済新聞らがこの対中援助の是非についてだけは、その種の読者調査をしていないことです。反対が圧倒的であることが分かっているからで、そうした「民意」が明らかになることは、援助継続と復活に反対しているわけではない彼らにとって不利な結果をもたらすという判断によるものでしょう。ちなみに、産経新聞の「対中ODA継続か否か」との投票結果は90%以上が「否」という結果でした。
いまや中国政府と日本の外務省の応援団は「日本を代表する大ジャーナリスト」田原総一郎か、中国側とODA予算で交流をしている東大の御用学者くらいのもの。彼らと政府は東電と癒着した「文化人」の関係に重なります。それでいて、例えば私のレポートなどに抗議をしてくるような元気のいい擁護論者は皆無というのが現実です。

(1)2003年に外務省があきらかにした「ODA大綱」には「核やミサイル保有」「人権弾圧」を行っている国への援助には慎重であれと書かれています。そうだとすれば、これこそまさに中国のことであり、対中援助は明確なODA大綱違反ということになるのですが、にもかかわらず、いまも援助は続いているといういい加減さ。
GDPで日本を追い抜き、世界第2位になった国に第3位の経済不況下にある日本国民がなおも、経済支援を続けることの異様さ。いったい政府予算のどこにそんな余裕があるのでしょうか。ないからこそ、消費税を10%にアップするのだということなのか。
これでは国民無視の終わりなき朝貢です。なめんじゃねよ、と声を挙げようではありませんか。

(2)2001年度から円借款による道路、鉄道など交通インフラ分野への援助は中止されました。中国の軍事力拡大に対する警戒感からです。そこまではいいのですが、問題は、日本政府が同時に、この時期に始まった中国の「中西部開発計画」への財政的支援として、今度は中国の内陸での道路鉄道建設に国民のほとんどが知らない財務省が管轄する国際援助機関・アジア開発銀行からの迂回融資を当てることを決めたことでした。これは当時の橋本・小渕両政権(いずれも中国と最も親しい自民党経政会派閥)と中国政府間の「密約」でした。外務省のODAで禁じた融資が、ナント、同じ日本の役所である財務省アジア開発銀行から堂々と実行されるというミステリー。あなたはこんな事実を知っていましたか?

(3)アジア開発銀行の歴代の総裁はすべて日本の財務省の高官です。
同行からは総裁の積極的な姿勢を背景にして、あたかもそれが、円借款中止の「お詫び」であるかのように、数百億から一千億単位の大型プロジェクトが鉄道に、高速道路建設分野にぶち込まれ、いまも続いているのです。
交通網の整備。それは中国の現状においては、漢民族の資本とヒトがチベットウイグルという少数民族地域に流れ込み、漢族化に拍車をかける結果と同意語です。また援助マネーのもたらす物質的な利益は工事の受注など、地元漢民族企業にもたらされることはあっても、肝心のウイグル人チベット人たちが直接の恩恵を受けることはないのです。
日本国民であるあなたは祖国日本が最も大きな出資を行っているアジア開発銀行のこうした実態を知っていますか?
過去、韓国、フィリピン、インドネシアにおける日本からのODA疑惑を親の仇のように告発し続けた「人権の朝日新聞」も、こと中国についてはひたすら沈黙するばかりです。なぜ、中国だけは特別なのでしょうか。それこそ報道のダブルスタンダードそのものではありませんか。中国を批判しないのは「日本のマザーテレサ」を気取るアグネスチャンだけではないのです。

(4)不思議な事件もありました。1989年、あの天安門事件の直前、日本の某総合商社が当時、中国政府が禁止していた日本製の中古自動車を新疆ウイグル自治区に不法に輸出しているのです。この商社の名前はここでは書きません。彼らはいったい何の目的でこんなことをしたのでしょうか。実はこれもODAがらみの不正なのです。
繰り返します。日本人は誰もこんな事実を知りえていないのです。

私はこれまで中国向け援助とは?と聞かれたとき、いつもこう答えていました。ここは八つ墓村なのだと。うかつに足を踏み入れた瞬間、利権まみれの援助村の住人達から「たたり」があるのだと。さらに、八つ墓大明神のお札には「謝罪するならODA」と書かれているのだと。
昨夜の話はこの後も続きます。講演内容は、現在DVDに編集し、作成中です。
いずれ、NLCで販売させていただきますが、売り上げの半分は「日本ウイグル協会」の活動資金としてカンパさせていただきます。
私は今後も対中援助即時中止!の世論を高めていきたいと思っています。そうした場所を提供していただいた日本ウイグル協会に改めてお礼を申し上げます。


追加
講演には、加藤紘一氏が会長を務める親中国団体「日中友好協会」の会員の方が参加し、「俺は長い間中国にいたが、青木さんの話はみんな事実だ」と怒りを込めて、語っていたのが印象的でした。あの「日中友好協会」までが!というのが私の素直な実感でした。いまや、中国と極めて親しい団体の幹部ですら、騙される人はいないということなのでしょう。


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