米政府のチベット問題担当調整官を務めるオテロ国務次官は5日に声明を発表し、中国のチベット族自治区で続く僧侶らの焼身自殺と暴力に「深い懸念 と悲しみ」を表明。中国政府の統制強化を憂慮し、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世と前提条件なしでの対話に臨むよう促した。中国ではチベット 族の焼身自殺が急増しており、今年11月以降だけでも30人が死亡した。(ワシントン 犬塚陽介)
中国の弾圧阻止訴えビデオ作成 チベット亡命政府
インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府は5日、中国政府によるチベット人弾圧の阻止を呼びかけるビデオを作成し、ネット上で公開した。中国 で急増しているチベット人の焼身自殺の様子や、住民の訴えが収録されている。亡命政府のロブサン・センゲ首相は声明で、中国政府が対話を通じた問題の解決 を図るよう、国際社会に協力を求めた。焼身自殺を図ったチベット人は2009年以来92人で、今年11月だけで28人に上っている。(ニューデリー 岩田 智雄)