欧米諸国と日本の違いは 市民運動や リベラル運動に対してだけではなく すべての政治的
動きに対して マスコミそのものが 勉強不足、モラル不足、そして社会がどう趨勢していくかという
大きな理想も抱えていないからである。
政治かもマスコミも活動かもすべて、判断はかねである。
そして宗教やモラルにおいてお金が支配する、拝金主義がまかり通っている。
中国を 誹謗し 嫌悪するのも良いが 自分たちの姿の一部が南シナ海に写っているのが
実際の中国である。
中道左派=リベラル退潮の理由
溝埋められぬ旧左翼と市民運動
自民圧勝の総選挙は「中道左派=リベラル」の退潮を印象付けた。米国でオバマ大統領を支えたのはリベラルであり、フランスのオランド大統領は社会党だ。格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られないのか。
答えは明白だ。旧左翼と市民運動の間に「深い溝」がある。越えようとする覚悟がない。組織防衛が先に立ち「妥協」を拒む。負け癖がついて敗北に危機感が伴わない。
リベラルはグローバリズムの反作用であるナショナリズムに押され気味だ。不況への苛立ちから拝外主義や強い政府を求める空気は欧米でも起きている。尖閣・竹島・北のミサイルなど近隣の不愉快な動きが右の追い風になり、中道左派は結束できないまま自民党の独走を許した。
反原発で共闘の機運も
既成政党の厚い壁に阻まれ
と振り返る。3.11以前は子育てしながらファッションデザインに励むワーキングマザーの一人だった。広がる放射能汚染に危機感を抱き、原発停止を求める署名集めに加わった。自然エネルギーへの転換を求め、国会議員に働きかけるロビー活動もした。政治を他人任せにしていたことが「原子力ムラ」や「安全神話」を生んだと反省し時間や労力を反原発の活動に振り向けた。
明治大学の中沢新一教授を中心に、ドイツで台頭する環境政党「緑の党」のような反原発を掲げる市民運動・グリーンアクティブが始動し、この中から「反原発の候補者調整ができないものか」という声が上がった。嘉田由紀子滋賀県知事を担ぎ政党に候補者調整を促す動きが密かに進められた。
「原発だけで統一候補を立てるのは無理。政策の一致がなければ候補者調整はできない」
丸子さんは未来の党から立ち、山本太郎は無所属で東京8区から出た。この選挙区は来年の参議院選挙に候補者を立てる地域政党「緑の党」の牙城だ。立候補予定者のすぐろ奈穂杉並区議は緑の党共同代表者。山本擁立は国政進出に向けた前哨戦でもあった。
来年の参議院選挙には「みどりの風」も候補者を立てる。消費税増税をめぐる不一致で民主党を飛び出した参議院の谷岡郁子、舟山康江、行田邦子と国民新党を離脱した亀井亜紀子の各議員が7月に旗揚げした政治団体で「環境主義、共生主義」を掲げている。総選挙では民主党を出た山崎誠議員ら3人が合流し、政党要件を満たしたが、未来の党が決まると3人は抜けて未来から立候補するという顛末になった。
乱立する政党を眺めると「脱原発」を鮮明にしているのは未来の党、共産党、社民党、みどりの風、緑の党、みんなの党である。いずれも「消費税増税反対」を掲げ、みんなの党を除けば「反新自由主義主義」でも一致する。
リベラルの要素を平等社会・環境との共生・平和重視に置くなら、未来の党から緑の党まで、あるいは民主党の一部まで、多少の温度差はあっても理念は共通している。現実の政策では脱原発、反消費税増税、TPP反対、憲法9条改正反対などの国政の骨格である政策で足並みが揃っている。
だが組織の事情や過去のいきさつなど些細な対立で足並みが揃わない。いい例が東京都知事選だった。
都知事選・宇都宮陣営でも
幻に終わった「リベラル勢力結集」
日弁連会長だった宇都宮健児候補を社民・共産・未来が支え市民団体も加わって反自民公明の統一候補が生まれたかのような印象だが、内部は複雑だった。宇都宮さんを擁立したのは社民党に近い人たちで、これに共産党が乗った。かつての美濃部都政のように社共共闘への市民勢力の合流が呼びかけられた。賛同者に反原発で活動する顔ぶれが加わったが、内輪もめが起きた。
反原発の市民団体には「有権者の意思で原発を止めよう」と主張する反原発都民投票に取り組む人たちがいた。若者や主婦など既成政党に属さない人たちで、宇都宮候補に「知事になったら都民投票実現に動くと約束して」と迫った。宇都宮さんはクビを縦に振らなかった。担ぎ出した社民党が都民投票に難色を示している、という事情があった。都民投票をめぐるごたごたが足並みの乱れを招いてしまった。
官邸前で毎週金曜日、反原発のデモが続いている。これまで運動に参加していなかった顔ぶれが自発的に始めた新たな動きとして注目されている。主催者は首都圏反原発連合という緩やかな集まりだが、総選挙では全く動かなかった。
「反原発勢力が一本化すればデモに参加する人たちの投票行動もはっきりしたと思う」
と主催者の一人はいう。
矛盾や格差が拡大する中
リベラルはどう支持を集めていくのか
国防軍を明記する憲法改正草案を掲げて選挙に臨んだ安倍自民党。平和憲法破棄を主張する石原慎太郎前都知事を代表に据えた日本維新の会。右派が勢力を伸ばすが、左派は共産党も社民党も支持者の高齢化が進んでいる。大学でも学生の政治活動は下火だ。社会に関心のある若者はボランティアやNPO活動に向かう。矛盾に目を向ける若者は決して少なくないが、こうした層にリベラルのメッセージは浸透していない。
現状に疑問を感じながらも政党が乱立する選挙では一票を活かすことができないと思い、投票所に向かわなかった「潜在的支持者」が多数いるのではないか。
市民活動家や文化人が、高い立場から政党に結集を促すことが必要になるだろう。
大江健三郎に代表される文化人は、名前は貸すが自ら積極的に動いているようには見えない。乱立する政党の間で、迂闊に動けないと思っているのかもしれない。
リベラルはこの総選挙で何を学んだのだろう。