パルデンの会

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国防方針に「習政権的特徴」    「主導防御」「現代軍事力量体系」など新概念が現れた


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年3月7日(金曜日)貳
       通巻第4175号
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 全人代報告で次の国防方針に「習政権的特徴」
   「主導防御」「現代軍事力量体系」など新概念が現れた
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 李克強首相の開会基調演説(全人代初日、2014年3月5日)のなかで、国防報告に新しい語彙が散りばめられている。
専門筋は、これは従来の国防方針を「大調整」していると分析している。とくに2014年の軍事任務に関して、「強化日常戦略」と「防衛海空管控」という文字が躍る。
 日本のマスコミ報道では「国防力強化」「思想教育を強化する」「国防費増12・2%」などの見出しに集約されるだけで、これという解説にお目にかかれなかった。

 「加強軍事戦略指導」なる表現に習近平の特色が滲み出ており、これは1956年に最初の国防方針がでたときの「階級防衛」から、1969年にはソ連の軍事力に対峙するために「早打、大打、打核戦争」となっていたものとも明らかに異なる。

 改革開放以後は国際環境の変化にともないトウ小平は「四つの現代化」を訴えた。その一番目が「軍事力の近代化」であり事実上のハイテク兵器装備と海軍力の拡大強化である。
 その基本方針が「主導防衛」となり「完善現代軍事力量体系」と標榜するに至ったのだから、これは国防の基本の「大調整」であるとみたほうが良いだろう。

 この方向への最初の示唆は2013年4月16日に国務院新聞弁公室が発表した「中国武装力量的多様化運用」という新しい語彙だった。その再確認を党中央軍事委員会トップでもある習近平が確認したことになる。

 すでに中国の軍事力は「第一列島線」を突破する実力を備え、次の十年に第二列島線まで延びる。他方、米軍は「ピボット」を言って、60%の艦船を西太平洋に向けるとしているが国防費は大幅にカットされる。
 南シナ海から西太平洋までが『中国の海』となる」という野心が、この報告の示唆する野心的方針なのである。