パルデンの会

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中国艦船80 vs ベトナム20隻、勇敢に主権を主張、国際世論も越の味方に

日本政府ができないことそれは
本当に「国の権益」を守ることである。


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26(2014)年5月9日(金曜日)
       通巻第4222号   
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凄いぞ、ベトナム。中国海洋リグの無法な掘削開始に抗議行動  中国艦船80 vs ベトナム20隻、勇敢に主権を主張、国際世論も越の味方に

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 ベトナムは西砂諸島沖で、中国が一方的に海底油田の開発のための掘削を開始した不法行為に抗議し、海上保安庁艦船を派遣し、中国船と対峙、放水による妨害行動にもめげず経済水域の主権を主張した。
ところが中国はベトナムに対して体当たりの暴力行為に出た。

 ベトナムはこの衝撃の映像を世界に向けてただちに公開した。NHKさえ、トップニュースで報じた(5月8日午後七時、9日午前六時のトップ)。
中国艦船がベトナム船に暴力的に体当たりした動かぬ証拠である。

ただちに米国が中国を非難し、日本も追随的な見解を公表した。尖閣沖での暴力船長の体当たり事件を、ビデオの公開を伏せた当時の日本の体たらくと比較するだけでも、ベトナムは如何に勇敢に、しかも中国を敵に回しても構わない強気の姿勢に転じたか?
あの時、日本はあえてユーチューブで映像の公開をなした一色正春氏の勇敢な行為に対して、「機密漏洩」だと、まっさかさまな政府見解を出したことをお忘れ無く。

 考えても見られたい。我が国は「中間線」を示したとたんに、当該海域で「白樺」など、中国の海洋リグ建設を始めたが、日本政府は呆然自失して眺めやり、2011年秋の中国漁船の海保巡視船への体当たりヴィデオの公開を禁じたのだ。

 ベトナムの外交姿勢の転換に、じつは我々は大いに注目する必要がある。
 いまから26年前の3月14日、中国はベトナム(赤岩礁)領海に侵入し、ベトナム艦船を砲撃した。ベトナムは数十名の犠牲を出した。

しかるにベトナムは、このことを伏せた。実に四半世紀、国民に知らせなかったのも経済支援で中国が重要だったからだ。
げんについ昨年までベトナムの若者たちが中国大使館へ抗議デモを行うと弾圧してきたのもベトナム政府である。

そのベトナムが昨年から、26年前の中国の砲撃による犠牲の現場フィルムを公開に踏み切り、あからさまに中国批判の姿勢に転じたのである。
この背景には「アジア・シフト」、「ピボット」(基軸の転換)を謳った米国の姿勢が、四月末のオバマ大統領のアジア歴訪によって確認できたので、ベトナムは背後に米国と日本の世論が支持することを見越して映像をすぐに公開し、主権行使の行動に踏み切ったと見るべきであろう。