勝谷誠彦氏の有料ブログより転載
さすがに驚きましたね。開き直ったよ、朝日新聞。
<慰安婦問題、核心は変わらず/河野談話、吉田証言に依拠せず>
http://www.asahi.com/articles/DA3S11320352.html
<朝日新聞が今月5、6日に掲載した慰安婦問題の特集をきっかけに、さまざまな議論が起きている。慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏の証言を報じた記事を取り消したことを受け、慰安婦問題で謝罪と反省を表明した河野洋平官房長官談話(河野談話)の根拠が揺らぐかのような指摘も出ている。談話作成にかかわった当時の関係者の証言を紹介するとともに、韓国社会での慰安婦問題の受け止め方を振り返り、改めてポイントを整理した。>
無料で読めるのはこのあたりまでだ。あのね、開き直りなら大きな声で言いたいだろうし、全国民に迷惑をかけたことに対するいちおうは申し開きだろうよ。それを読ませるのにカネとるか?ふつう(怒)。おっと、本心は読ませたくないのかもね。あまりの世間の目の冷たさに何か言わなきゃヤバいと感じたか。この言い訳記事にしても載っているのは3面。しかも無署名!もっとも、こんな内容なら恥ずかしくて署名できないだろうね。
要するに「吉田証言が嘘だったからといって、河野談話の根幹が揺らぐことはない」と言いたいらしい。そこで延々と河野談話には吉田証言は使われていない、ということを書いている。以下、本紙から引く。
<談話作成にかかわった当時の政府関係者は朝日新聞の取材に対し、内閣外政審議室の職員が吉田氏に複数回にわたって接触したことを認めた上で「つじつまが合わない部分があったため、談話には採用しなかった」と明かした。>
こんなもん、とうてい信じられないでしょう。「詐話紙」の取材に対して当時の関係者が話した?詐話師の話というのには、もう誰も耳を貸さないよ。むしろこの「証言」は吉田清治に政府関係者が「接触」したことを認めるわけで、重大だ。「心証」を構成する上で大きな役割を果たした可能性は高い。
河野談話に吉田証言が使われていない?結構ですよ。別にど~でもいい。あの談話そのものも朝鮮人と談合した上でのでっちあげだという事実と、そのことは「まったく関係がない」。朝日は「河野談話はまだ生きているから、オノレの記事には意味があるのだ」と言いたくて<慰安婦問題、核心は変わらず>などという恥ずかしいタイトルをつけているのだろうが、だったら河野談話が崩壊したら、朝日も潰れるよね。危ない賭けをしているものだ。
<河野談話について、菅官房長官は27日、「見直すことはないと繰り返し言っている」と述べ、歴代政権と同じように継承していく姿勢を示した。>
これは朝日新聞の「蜘蛛の糸」なのである。27日にあらためてこの官房長官談話があったので、それにすがってこの記事を出したのではないか。ということは、朝日があれだけ敵視してきた安倍晋三首相が「河野談話、やっぱり見直そうか」とこの「蜘蛛の糸」をチョッキンとやると、朝日は地獄に落ちるわけで、まさに朝日全社員の運命は、今や安倍さんの手の中にあるわけである(爆笑)。
安倍さん、ほかにも朝日に関しては仕掛けていると思うんだよなあ。「吉田調書」(救国に殉じた吉田昌郎義士であって、売国のうちに死んだ吉田清治詐話師ではない)を巡って、私がいない間に産経新聞が「反論」を掲載した。水掛け論になるかと思いきや、政府が可能な限り公表するという。私は朝日でも真っ当なものを載せればいつもそれなりに評価をしてきていて「吉田調書」もそうだった。まさかアッチの吉田証言と同じく、まったくのガセを掴まされるとは思いもしなかったが、あっ、謀略ならあるのか…。
このあたりについては、また後日。
さてその朝日新聞だが、コソっと開き直り記事を掲載する一方で、おそるべき暴挙に出た。これだ。
<週刊文春の広告、朝日新聞社が掲載断る>
http://www.asahi.com/articles/DA3S11320483.html
<朝日新聞社は27日、週刊文春9月4日号の新聞用広告に、慰安婦問題をめぐって朝日新聞社の名誉と信用を著しく傷つける表現があるとして、朝日新聞への掲載を断った。文芸春秋は朝日新聞社に抗議した。
朝日新聞社広報部は「当該の広告は論評の範囲を著しく逸脱し、本社の社会的評価を低下させるものであり、本社の広告掲載基準に基づいて掲載に応じられないと判断しました」としている。>
え~、誤解されぬために付言しておきますと、これ「朝日新聞の記事」です。よくもまあこう他人事のように言えるものだ。書き出し、普通なら「本社は」でしょう。朝日新聞社に<名誉と信用>や<社会的評価>がまだあったとは驚きだが、どんな広告なのか。
<朝日新聞が「週刊文春」広告掲載を拒否!>
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4313
ど~ってことない内容だけどな。何よりも『週刊文春』は毒を吐いてあげる私のコメントをとりに来ていないもんなあ。「元祖・朝日の天敵」なのを編集部はもう知らないのかなあ。おっと、饅頭屋じゃないし、元祖とか本家とかいうのはやめておこう(笑)。元はライバルだった『週刊新潮』にはなぜかコメントを頼まれて、確かドバイからだかメールで送って、先号に掲載されている。では、朝日が拒否しなかったその『週刊新潮』の広告はどうなのか…って、載ってないよ。少なくとも私が見ている東京版には。ひょっとしてあのコワモテの新潮社のこと、最初から出さなかったとか?どういう内容か。
<中吊り広告>
http://www.shinchosha.co.jp/magazines/nakaduri/index_shukan.html
新聞広告もほとんど同じだと思います。ひとつ考えられるのは『週刊新潮』も拒否したのだが、『週刊文春』はさきほどのサイトにあるように、ただちに抗議文を出した。と同時にあのように、それを公開した。こうなると「事件」なので、朝日は対応せざるを得なかった、のかも知れない。
朝日による『週刊文春』広告拒否は私の朝日批判の時が最初である。週刊誌にとって新聞広告が出せないというのは実はダメージで、より大きなメディアからの「イジメ」に近い。あれほどイジメ報道をやっている朝日が週刊誌イジメである。
文藝春秋は私の時のことを思い出して、相手の「次の手」を覚悟しておいた方がいいですよ。「文藝春秋のあらゆる広告の拒否」だ。私の時はさすがにこれで涙を呑んで折れた。当時の田中健五社長に「こらえてくれ」と言われた。文春といえども会社の規模は大きくない。これをやられると、社の存亡の危機になってしまうのだ。この時以来、朝日という会社の品性下劣さを私はよく知り、忘れることはない。この時の当事者である、その田中さんも花田紀凱師匠も私も、みんな社を追われたからなあ。危機管理を語り継ぐ人も、少なくてやや心配だ。
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