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北朝鮮に関し、金日成の正体など嘘まみれと指摘

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落合信彦氏 北朝鮮に関し、金日成の正体など嘘まみれと指摘

NEWS ポストセブン 11月4日(火)16時6分配信



 遅々として進まない拉致交渉。一体何が問題の本質にあるのか。そして、日本は北朝鮮という国家をどのように解釈すればいいのか。作家の落合信彦氏は、こう警告する。

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何度騙されれば気が済むのか。北朝鮮との拉致交渉において、北朝鮮側が「調査結果は報告できないが、北朝鮮に来れば教えてやる」と言い出したことを受けて、政府は北に調査団を派遣するという。そもそも北は最初から調査する気など全くなかった。長くあの国を取材してきた私からすれば、怒りを通り越して呆れるほかない。

北朝鮮という国には、信義という言葉はない。あるのは、その場しのぎのウソだけだ。

「今度こそ調査をやる」と騙り、調査期間を引き延ばすだけ引き延ばし、その間にできるだけ日本からカネを引き出す。北の狙いはそれしかない。事実、国連次席大使をはじめとする北朝鮮の国連代表部は10月7日、ニューヨークの国連本部で記者会見を開き、「拉致問題は完全に解決済みだ」とした上で、拉致の調査と制裁解除に関する日朝間の合意について、「日本は義務を果たすべきだ」と堂々と言ってのけた。

このことは日本ではほとんど報じられていない。日本人は北朝鮮に不毛な期待をするあまり、現実から目を背けているのである。

そもそも北朝鮮という国は、その出自からしてウソまみれである。この国は、若い頃から満州抗日パルチザンを組織していた金日成が、日本軍を打ち破って1945年8月に凱旋帰国したという神話の上に成り立っている。しかし、実際にはこの頃、金日成ソ連ハバロフスクソ連軍の偵察旅団大尉として働いており、しかも名前は金聖柱という本名を名乗っていた。

実は金日成という人物は当時別にいて、確かに満州で日本軍相手に戦っていたのだが、終戦時には36歳で日本軍に殺されていた。彼はその頃、朝鮮において伝説的な英雄だった。そこでソ連スターリンは、彼の名声を利用するために、金聖柱大尉を金日成になり替わらせたのである。

これが北朝鮮建国神話の真相だ。ウソで塗り固められた土台に立つこの国はその後、金正日金正恩と代替わりしても、建国以来のウソつき体質は全く変わっていない。その上、指導者の質は代ごとに劣化しているのだから、始末が悪い。「唐様で貸し家と書く三代目」、三代目が家業を潰すという意味だが、金正恩にはうってつけの言葉だ。

2代目の金正日は知性を感じさせない男だったが、3代目は輪をかけてひどい。太りすぎで脚を痛めたとかで最近まで動向が不明だったが、私は暗殺された可能性も疑っていた。粛清した張成沢を慕うグループを中心に、彼に恨みを持つ人間など山ほどいるからだ。

その後、脚を引きずる写真が公開されたが、果たして本人かどうかは定かではない。影武者である可能性もあるからだ。これは錯覚かもしれないが、顔が本物よりきりっとしていた。金正日も、数人の影武者を抱えていた。

ただし、金正恩の場合、影武者を作ることは容易ではあるまい。あれほどの「金満太り」をした人間など、相当のコストをかけなければ養成できまい。

※SAPIO2014年12月号

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