北朝鮮でネット接続が不能に、サイバー攻撃の可能性も
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ディン・リサーチによると、北朝鮮と国外を結ぶインターネット接続環境は通常時も良好とは言えない状態にあるが、先週末には特に不安定になっていたことを示す兆候がみられた。ジミイェフスキ氏はAFPに宛てた電子メールで「これは過去にみられた短時間の障害とは異なるものだ」とした上で、障害の原因特定は不可能だと強調した。
同社のインターネット分析ディレクター、ダグ・マドリー(Doug Madory)氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対し、「これは、北朝鮮のルーターに対する分散型サービス妨害(DDoS)攻撃と一致する」と指摘している。DDoSとは、攻撃者らが特定のネットワークへの接続を一斉に要求することによってシステムをダウンさせるサイバー攻撃の手法だ。(c)AFP/Jo Biddle
なぜ北朝鮮のネットへの接続が不能になったのか
The wall street journal世界のウェブ・アクセスを監視しているネットワーク・セキュリティー会社クラウドフレアのマシュー・プリンス最高経営責任者(CEO)によれば、その可能性はあるという。同社のエンジニアは、22日の早い時間(米東部時間)から北朝鮮と外部世界とのネット接続ができなくなり、同日昼も接続不能のままであることを確認した。インターネットの状態を監視しているDynによると、同社のテストでは午前11時15分(同)以降、北朝鮮のネット・アドレスへのアクセスが不能になっている。
第1の可能性:北朝鮮自らによる遮断 米国の尺度からすれば正気の沙汰ではないが、シリアなど監視態勢の厳しい国では、対外的に厳しい状況になった場合に、ネット接続を遮断した過去がある。接続を不能にすれば、ネットにアクセスできるごく少数の北朝鮮の国民は、ソニーへのハッキングが引き起こした現在の危機について知ることができなくなる一方、米国やその同盟国からの北朝鮮へのサイバー攻撃を阻止できることになる。
Dynの研究者であるダグ・マドリー氏は、第4の「無害な」可能性も指摘する。それは、一部のネットワーク・ルーターのソフトウエアがエラーを起こしたというものだ。だが同氏は、孤立した北朝鮮のネットワークは小規模なため管理は簡単であり、数時間にわたって偶発的な機能停止が続く可能性はまずないと話す。「そのようなことは北朝鮮では考えられない」という。