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【コラム】映画1本が何だというのか=韓国(



【コラム】映画1本が何だというのか=韓国(2)

2015年01月06日16時36分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
  オバマ米大統領ソニー・ピクチャーズのハッキングに対する「比例的な対応」を公言して半月もならずに対北朝鮮追加制裁を明示した行政命令に電撃署名した。米国の民間サイバー業界を中心に「内部者の仕業説」が広がっていることと無関係ではないように思える。米最大のサイバーセキュリティー企業であるノース(Norse)は、自らの追跡結果に基づいてソニーから解雇された職員1人ら6人を容疑者として絞り込んだとして北朝鮮関連説に正面から疑問を投げかけた。ノースは自らの調査結果を米連邦捜査局FBI)に伝えて説明まで行った。しかしFBIは、サイバー攻撃の背後は北朝鮮だという捜査結果に変わりはないとしながら、民間が知らない決定的証拠があるが機密事項のため公開できないと話している。徹底したオフレコを前提にメディアに真相を確認させれば疑惑も解消されそうなのに、そうしないところをみると議論が整理されず、北朝鮮は言い逃れ続けている。

  FBIの捜査結果が事実ならば、北朝鮮は無謀な挑発で米国の鼻毛を触った格好だ。じっとしていれば観客が判断して静かに移動する映画だったのに、公然と蜂の巣をつついて自ら禍を招いたわけだ。たとえ映画が密入されて北朝鮮の住民らが観ることになっても、北朝鮮当局が心配することはないようだ。むしろハリウッドの映画レベルに対する失望と共に、北朝鮮を蔑視する米国への反感だけ大きくなるかもしれない。

  オバマの行政命令で北朝鮮は核とミサイルを開発し、人権を蹂躪し、あくらつなサイバー攻撃まで敢行する悪の存在により一層固まることになった。米朝対話は、より一層はるか遠くなった。最も退屈な境遇になったのは韓国だ。新年を迎え、せっかく南北対話の雰囲気が熟しているところに米国が北朝鮮たたきに出たために堪え難い状況だ。米国の措置に調子を合わせることも、合わせないこともできない苦しい状況だ。

  このような時は、正攻法が最善だ。南北関係と米朝関係は次元の違う問題だ。公式的には米国も対話を通した南北関係改善を支持するという立場だ。そうであれば米国の対北朝鮮追加制裁にかかわらず、南北対話は韓国の必要に応じて推進しなければならない。しかも対北朝鮮制裁は全く新しいことではない。南北対話の必要性について同盟国である米国に説明し、理解を求める手続きはもちろん必要だ。そのために時間はもう少しかかるかもしれないが、米国のためにすべき事ができないようではいけない。必要ならば朴槿恵(パク・クネ)大統領がオバマに直接電話をかけるべきだ。

  ゴミのようなハリウッド映画1本のために米国と北朝鮮が正面衝突して、その飛び火が韓半島朝鮮半島)に飛んで南北対話が失敗に終わるならば、それこそ本当にコメディだ。ケナンが土の下で舌打ちしながら嘆くことだろう。

  ペ・ミョンボク論説委員・巡回特派員