パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

トルコ内務省、1056人のISILメンバー容疑者を国外追放    外国人7833名を入国禁止措置

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)1月9日(金曜日)
通巻第4436号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


トルコ内務省、1056人のISILメンバー容疑者を国外追放
外国人7833名を入国禁止措置――トルコ内務省、情報局が発表


******************************
***
1月7日、首都アンカラで開催されたトルコ大使会議(
世界中に赴任したトルコ大使が一同に集まる会議)の冒頭、トルコ情報局幹部が報告を行い、「ISILのメンバー容疑者として、トルコ国内にいた1056名を国外退去処分とし、また7833名の外国人の入国を禁止する措置を講じた」と発表した。

トルコはこれまでにはシリアへ入国するイスラム過激派の通過拠点
となっており、また各国の情報機関と連携してトルコ経由でシリアへ入国する可能性が高い工作員戦闘員候補など外国人7833名に達したリストを掌握し、欧米主導の「有志連合」への参加者として、それなりの協調路線を執ったとした。

またパリで起きたイスラム風刺漫画掲載の週刊誌編集幹部等12名
の殺害テロ事件について、同日、エルドアン大統領が、「これは民主主義への挑戦、テロは受け入れられない」と激しく非難した。
□◎◎◎◇◇


勝谷誠彦氏の有料ブログより

フランスで起きたテロの全貌がかなり明らかになってきた。
私の見立てから違う方向に行くものもあり、やはりと思わせるものもあり。展開がなかなか小説的だ。まず不意打ちを食らったのは18歳の犯人の出頭だった。
毎日新聞がよく書いている。
しかし毎日の記事はほとんどが直接リンクすると個人情報を入れないと「一行も」(信じがたい、ウェブの特性というものを知らない馬鹿だ!)読ませないので、ポリシーに反するがYahoo!のニュースサイトにリンクすることにする。

 <「仏週刊紙襲撃」逃走兄弟、パリ郊外に潜伏/特殊部隊追跡>


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150108-00000116-mai-eurp
<仏捜査当局は8日、兄弟の親族ら複数の関係者を拘束した。
バルス首相が明らかにした。捜査当局は7日深夜(日本時間8日朝)に仏北部シャルルビルメジエールの警察に出頭したハミド・ムラド容疑者(18)を逮捕した。同容疑者はシェリフ容疑者の妻の弟で、襲撃を手助けしたとみられている。>
余談ながら。笑っちゃうのが、毎日のこのいいわけ。
<仏週刊紙襲撃事件で逮捕された容疑者は18歳ですが、
実名で報道します。フランスでは18歳から選挙権を有し成人扱いされ、現地でも実名で報じられているためです。>
アホか、と思いつつ実はなかなかの「英断」でもある。
今回も射殺される警官などの映像にはテレビ局はモザイクをかけていた。海外で連行される容疑者の手錠にも同じ。ちょっとこの毎日新聞を見習いなさい。そして、国内でも大好きな「グローバルスタンダード」にして、殺人犯の腰縄にモザイクをかけるような阿呆なことをとっととやめろよ。
本題に戻る。「逃げきったあたり訓練を受けた軍歴のある犯人だ」
と書いた私としては、こんなに簡単に出頭してもらっては困る(苦笑)。しかし、これは巧みな陽動作戦ではないかとも思い返したのだ。このハミル・ムラドは実行犯ではない。映像でわかるように、車に戻ってきて乗り込んだのは2人である。さまざまな物資の調達を担当したとも伝えられているが、逮捕されてもまことに重罪ということにはならないかも知れない。そういう因果を含めてあとの二人はハミル・ムラドを出頭させたのではないか。
場所の問題である。シャルルビルメジエールはパリの北、
200キロも遠い都市だ。かのアルチュール・ランボオが生まれた地なので、私も頭の中にあった。一方でフランスの当局がいまやっている掃討作戦の場所はこのあたりになる。
<仏週刊紙「シャルリーエブド」のパリにある本社が襲撃され、
12人が死亡した事件で、容疑者のうち逃走を続けていた兄弟2人が8日、パリの北東約60キロのクレピアンバロワ一帯に逃げ込み、治安当局の特殊部隊が約5キロ四方の範囲で捜索を進めている。>
つまり。
なぜか18歳の犯人だけがはるか遠い場所に逃げて出頭し、あとの兄弟はパリ近郊といっていい場所にいるらしい。やはりこれは最初から陽動に18歳を使うつもりで仲間に入れたのではないかと、私は考えるのだが、まあ犯人たちが逮捕されて事実が明らかになると見立て違いもいろいろと出て来ると思います。朝日新聞ではないので、その時には「ごめんね」と言いますから(笑)。
ちなみに、その朝日新聞
まずはあの阪神支局襲撃事件を持ちだして来ると『築地をどり観劇記者としては楽しみに身構えていたのだが、やりませんね。なんでだろう。ひょっとしてはるかに「安い」植村隆従軍慰安婦捏造記者」への批判のへの反論に、つい少し前にネタとして使ってしまったからか。まさに世界の言論に対する挑戦と言うべき大事件の前では、あのショボい捏造で利用した「悲劇」を使いにくかったのかな(苦笑)。

コラムニストという商売は、たとえば私のように三流であっても、
いつでも殺される覚悟がなければいけない。だから実は、今回の事件について私は、時に涙を流しながら書いている。しかも、今回襲撃されたのは漫画家たちで、ご存じのように、私はマンガとともに生きてきた。そのマンガといわばコラムニスト精神が合体したものが、フランスの風刺漫画家たちなのだ。フランスで日本のマンガがいかに熱狂的に受容されているかは知られている通りで、その精神には共通するものがある。だから、私は今回のテロに関しては、どこかひとごととは思えないのだ。
猛烈に、感動した。

 <銃撃受けた仏紙、来週号発行へ/コラムニスト表明>


http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H7U_Y5A100C1FF2000/
<銃撃事件で編集長も犠牲となり、
壊滅的な被害を受けたフランスの風刺週刊紙シャルリエブドのコラムニスト、パトリック・プルー氏は8日、同国メディアに、14日に来週号を発行すると表明した。
同紙代理人によると、
ページ数を通常の半分の8ページに減らして、100万部の発行を目指すという。同紙の発行部数は通常は3万部程度とされる。
同紙は毎週水曜日に発行。
今回の事件で来週号の発行が危ぶまれていた。プルー氏は「(事件を受け)とてもつらく苦しく、悲しい思いだが、それでもなお発行するつもりだ」と強い決意を示した。>
見出しに<コラムニスト>とある。編集長が「戦死」したならば、
毅然として代理として指揮権を握るのは、実はコラムニストなのである。コラムニストというのは「参謀」だ。表には出ないが、常に指揮官の助言者でありうる。ちょっとバレてしまったかな(苦笑)。私は実は会社員でいたころからコラムニストだった。花田紀凱師匠という司令官を支える参謀だと思っていた。子どものころからそういう立場が好きなのである。だから灘校で生徒会長というトップをやった時は、大失敗をやらかした。反省と学習をしました。
まあ、そんな私事はどうでもいい。100万部、売れるでしょう。
フランス人の尊敬すべきはそういうところだ。あの国ではテロの直後に10万人がこの週刊紙の名前を書いた紙を手にして街頭に出た。さすがは革命を最初に起こした国である。実際に行くと、いろいろ気に入らないこともあるが、この底力というものは、残念ながらわが国にはない。
もうひとつ。
多くの風刺漫画家を失ったのはこれは大変な喪失だと思う。わが国のマンガ界もメッセージをすぐに出すべきだろう。フランスが日本のマンガを愛してくれているからこそ。ひとつの、これもまことに感動すべき言葉を私は知った。

<腕利きの風刺画家5人犠牲/権威を笑い、弱者には優しさ>

 http://www.asahi.com/articles/ASH186KLFH18UHBI035.html
あのね、朝日さん。アーチストに対して<腕利きの>
はないだろう。いかに、そういう世界に疎いかだね。まあ、それはさておいて。この言葉である。
<2009年から発行人を務めていたステファン・
シャルボニエ氏(47)も達者なイラストレーターだ。最新号に載った「イスラム過激派のテロ予告」が遺作となった。「私には妻子もいないし、車も預金もないから報復は怖くない。ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬほうがいい」の言葉が残る。>
ああ、彼はプレーイング・マネジャーだったんだ。
それにしてもこの言葉は、私が座右としているものとまったく同じだ。不思議なもので、洋の東西をなのに坂本龍馬の言葉に通じるのである。「男なら死ぬときは、例え溝の中でも前のめりに死にたい」。これは一貫して、私が愛してきた言葉であった。ウクライナドネツクに行く時とかね。
しかしこれからは、
私はステファンの言葉も覚えておくことにしよう。素晴らしい。「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方がいい」。冥福を祈る。しかし、編集長は鮮やかに言葉を残した。それが彼に対する、何よりの追悼であり、卑劣なテロリストへの私なりの報復だと信じる。

頭が小説脳になっているので、
不吉なことを書くのも許していただきたい。あくまでも小説家としてのことだ。「欧州における民族内戦」ということがぐるぐると回っている。ここ、1、2日のフランスだけにおける出来事を見ていても。

<パリ南郊で8日、防弾チョッキを着た男が自動小銃で警官らに発砲、女性警官が死亡し、市職員が重傷を負った。男は逃走中で、乱射事件との関連は不明という。>

 武器の出回り方の凄まじさよ。これは後日ちゃんと書くが「小火器の規制」こそがオバマ大統領がノーベル平和賞をもらった核廃絶とかいう夢物語よりも大切なんでね。そして、これを主導しているのは日本なのだが、言ったようにそれは後日。一方で。
<乱射事件後、仏東部のビルフランシュ・シュル・
ソーヌでは8日、モスク(イスラム礼拝堂)近くの中東料理店で爆発があった。西部ルマンでもモスクに手投げ弾が投げ込まれた。>
いや、これはもう「内戦」でしょう。失礼を承知で。あなたや、
あなたもやはり平和ボケに巻き込まれているから、こういう記事を「ふうん」と読めるのですよ。自分の周囲で起きたと考えてごらんなさい。私は趣味でしょっちゅうそういう場所にいるから「ヤバッ」と思う。武器の出回り方が異様なので、みんながその気になれば、お互いに殺し合いができる。北九州の極道の抗争を、素人がうんと高度化してやっているわけだ。あっ『めいたいワイド』がまだ脳にいた。
 つきつめると、
私たちは中世に戻るのかどうなのかという分岐点に立っているのかも知れない。民族や部族といったものを中心に争いをくり返す時代に。「資本主義とは一瞬の奇跡である」が私の持論だが「民主主義と平和というものも一瞬の奇跡である」も、そうかも知れませんね。ちなみに「一億総中流なんてまさに戦後の30年ほどの奇跡に過ぎませんから。奇跡の夢から醒めて次の時代を冷静に見極める年になるのかもしれない。この平成の御代を重ねて27年という年は。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
(c)2015 勝谷誠彦katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ:info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社