パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

<フランスのテロ。トルコのクーデター。文明と宗教の衝突の局外にいる日本国は安保理の議長国だ。行け!>。



 2016年7月16日号。

<フランスのテロ。トルコのクーデター。文明と宗教の衝突の局外にいる日本国は安保理の議長国だ。行け!>。

 3時半起床。
 ここのところ日記をほぼ書き上げてからとんでもないニュースが飛
び込んできて、書き直しを迫られることばかりだ。速報性がこの日記のまあひとつの売りなのだから、逃げるわけにはいかない。慌てて世界中の情報をあつめて書き直すのである。戦争、テロ、クーデターなどは「軍事を知らない」方々が大マスコミで間違ったことをやって下さっているので、まあ私のニッチな産業が成り立っている。「軍事を知らない」テレビ局などは「軍事を知っている」と自称する「専門家」をよく呼んでご高説を拝聴しているが、私はよく「プッ」と吹き出すのである。本ではよくお勉強しておられる。現場を知らない。現場を体験したという自称もと傭兵などという方は、残念ながら知能指数が低い。
 失礼。それは戦場では大切な要素なのだ。
いろいろ考えていると人殺しはできない。いい兵隊は最低限のことはするが、モノは考えないということだ。私はいずれも中途半端のろくでなしである。子どものころから軍事おたくで、やや勉強をした。このころの知識というのは忘れないものであって、もちろん古いのだがカール・フィーリプ・ゴットリープ・フォン・クラウゼヴィッツやヘルムート・カール・ベルンハルト・グラーフのころから、ひとの戦う姿というものはそうはもう変わってはいない。ちなみに軍事学の教祖というべきこの二人はどちらも今でいうドイツ、オーストリアのひとである。どんだけあの人たちが戦争が好きなのかがわかる(笑)。
 というわけで「非対称戦争」
であるテロが南仏で起きたのを知って、私なりに分析しようとしていた。いろいろと調べていた。あれはこれほどの犠牲者を出す前に防げていた。フランスはもともと軍事に関して信じられないほどぬるく、だからヒトラーにパリまで占領されたわけだが、これはないよなあ、と考えてもいた。さて、書くかと思った時に新たなニュースに気づいたのである。トルコでクーデターだって?

 これこそ現在進行中の事態であって、
私が配信のボタンを押した時にはもう変わっているかも知れない。トルコについてはここで何度か書いてきた。中東というわけのわからないアブラ虫、失礼、アブラで潤っておられるアラブの方々と、まったく違う価値観を持つ欧米のキリスト教徒との、かろうじて「通訳」ができる国だ。いま地雷源となっているシリアへの関与もだし、地理的にも近い。実際に軍事的なことをやっている。その政府がひっくり返ると、これは世界的な混乱を起こしかねない。アンカライスタンブールにはシリア情勢などを把握するために世界中の大マスコミの記者たちがいる。NHKもそうだろう。これがいちばん早いか。
 <トルコ首相「軍の一部が反乱企てている」>
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160716/k10010598071000.html
 同胞もたくさんいるので、あまり軽率なことは書けないが、
大マスコミはややこういう分析にはうといと思うので、たくさんの国で内乱やクーデターを報じてきた私なりのことを記そう。失礼な言い方かも知れぬが「それぞれの国の文明発達度」がひとつのキーである。どういうメディアをおさえると世論を味方につけられるかだ。いまはスマホでいいじゃん、と思うかも知れないが、やはり圧倒的なのは「権威あるメディア」なのである。トルコではテレビだろう。だから私はまずこの報道に注目した。
 <トルコのユルドゥルム首相は、現地時間の15日夜、
トルコのテレビ局を通じて「軍の一部が反乱を企てている。警察がこうした動きに加わったものを取り締まる」と述べ、軍の一部によるクーデターの試みが起きていることを明らかにしました。
 また、反乱を企てている軍の一部が国営テレビを占拠し、
声明をアナウンサーに読ませました。それによりますと、「新たな憲法をできるだけ早く準備する」と述べるともに、外出を禁止しました。>
 NHKはテレビ局のくせにこのニュースのツメが甘い。
ユルドゥルム首相はどの程度の局を影響下においたのか。対して反乱軍は<国営テレビを占拠し、声明をアナウンサーに読ませました>だ。圧倒的に勝っている。今のところこのことと他の事態を分析して、クーデターは「成功」するのではないかと私には思われる。「成功」が国民にとっていいのかどうなのかは、トルコ人でない私にはわからない。純粋に軍事的な判断である。
 次に。多くのこうしたクーデターでは「軍が反乱をした」
ことに対して「治安部隊は政府側につく」のだ。この原則も、長くここに書いてきた。ルーマニアの時が象徴的だろう。秘密警察と治安部隊が最後まで人民側についた軍に抵抗して、それはチャウシェスク大統領夫妻が死んだ時まで続いた。なぜか。政権転覆が成功すれば、治安部隊はみな人民によって虐殺されるからである。これまでの独裁政権は治安部隊を使って、拷問などを駆使して統治をしてきた。人々の憎悪はまず、治安部隊に向う。
 支那で人民の蜂起が起きたならば、最初は抵抗し、
結局は逃げ出すのは武装警官だろう。これは大日本帝国支那に進出した時に起きていて、それに相当する連中はまず制服を脱ぎ捨ててから逃げた。だからNHKはどれほどわかって報じているのか知らないが、このくだりは重要である。
 <さらにトルコの民放は、
首都アンカラにあるトルコ軍の参謀本部の建物の上を飛んでいるヘリコプターから発砲があり、警察が応戦していると伝えています。また、トルコの最大都市イスタンブールで、県庁や治安当局の建物の周辺で発砲音が聞かれたほか、軍によって橋が閉鎖されているということです。>
 まさに絵に書いたような「軍対治安部隊」だ。
持っている武器のレベルが違う。軍が制圧するだろう。日本国はどうするのか。アホかと言いたい。
 <外務省は、イスタンブールにある総領事館などを通じて、
現地の状況などについて、情報収集を急いでいます。外務省によりますと、トルコには、2000人余りの日本人が住んでいるということで、安否の確認などを進めることにしています。>
 必ずこういう時は<安否確認>だ。
外務省のインポ官僚にはその伝統しかないのである。もっと状況が悪化した時にどうするのかというメッセージを、メッセージだけでも出さなくてはいけない。「政府専用機は準備されている」「自衛隊も即応体制をとっている」。もしできなくてもこれを発信するだけで,どれほど現地の同胞が安心するか。どれほど現地で同胞が尊敬されるか。実際は出なくてもエンジンをかけた専用機や資料映像でいいから自衛隊の隊伍を見せるのである。それが外交というものを機能させるのだ。
 トルコの事態は戦後ようやく日本国が「真っ当な国」
になった中ではじめて「関与」しうる出来事かも知れない。国際舞台への本格的なデビューである。このタイミングでなんと日本国は国連の安全保障理事会の議長国なのだ。なんでどこも報じない。
 <日本の国連大使安保理で議事進行/7月から議長国>
 http://digital.asahi.com/articles/ASJ780Q6JJ77UHBI03X.html
 <国連安全保障理事会の7月の議長国に日本が就いた。7日、
ニューヨークの国連本部の安保理議場でのソマリアの治安情勢を巡る協議が公開され、別所浩郎(こうろう)・国連大使が議長席で議事進行した。日本が安保理の議長国を務めるのは、2010年4月以来。>
 いきなりである。
トルコのことは内政なのでなかなか介入できないだろうが、テロに対する態度は毅然とするべきだ。それによって日本国へのテロも可能性が高まるが、それを受けてたつのが大和魂ではないか。

 トルコについていささか紙幅を割きすぎた。フランスだ。「
日本人が巻き込まれた情報はありません」という報道が私は大嫌いなのだが、今回もそれはなかったようで。でも近くにいた人はいるでしょうよ。革命記念日のニースだぜ。私ならちょっと酔っぱらっていたかもな。さすがに「記念日テロ」の可能性はわかっていたので、早めにパリに行ってきたのだが。現場の日本人の声をもっと聞きたい。テロをより憎悪するためにも。
 それにしても。フランスの治安当局というのは、
いったい何を考えているのか。たかだかトラックを2キロも走らせて、途中で止められないだと。若干は発砲したようだが、ほとんどはひき殺されている。車を使ったこういう殺人では世界史上に類がないのではないか。車のフロントガラスにはいくつもの弾痕があるが、それよりもタイヤを撃つなりパトカーを前に突入させるなり、さまざまな阻止行為ができただろう。フランス人というのはそもそも軍事と治安には弱いのだが、いくら何でも情け無い。
 <仏ニースでテロ/84人死亡/花火見物客らにトラック>
 http://www.sankei.com/photo/story/news/160716/sty1607160002-n1.html
 <フランス南部ニースで大型トラックが群衆に突っ込んだテロで、
仏メディアは15日、トラックを運転していた男の名前は「ハメド・ラフエジブフレル」と報じた。仏紙ルモンドは、ニース在住のチュニジア国籍の男(31)としている。事件では少なくとも84人が死亡し、52人が重体となっている。
 秋葉原で起きた暴走殺人事件を思い出すのは私だけではないだろう
今回のことから妙な思いつきをする阿呆が出ないことを祈るばかりだ。警備当局も、今後はその可能性をもっと考えて欲しい。

 最後に楽しい朝日新聞。週末のオピニオン欄の『耕論』
は私がわくわくして待ち受けているものだが、今朝は早朝にひらいて、まずビジュアルで感動した。これは朝日にカネを払っていないとご覧いただけないのかなあ。まあ、リンクしておく。
 http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20160716000126.html
 http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20160716000127.html
 フツーの格好しろよ、ということだ。
リベラルというのはもっと教養のある人に言うことであって、こういう信条左巻きの方々はみんなこうだ。丸メガネはノーベル文学賞の委員会が間違えてくれてやった三流作家のトレードマーク。それを真似している惨めさ。長髪にパーマもいいねえ。そのまま60年代でゲバ棒でも握っていれば。論に自身がない方ほど、外を装う。左巻きの世界でずっと私が見てきたことだ。タイトルは『瀬戸際のリベラル』である。読むほどの内容ではないが、まあリンクしておく。
 <瀬戸際のリベラル/浅羽通明さん、五野井郁夫さん>
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12462723.html
 <参院選の結果、自民党公明党を含む改憲勢力が、
衆参両院で3分の2を占めることになった。それは、民進党などリベラル勢力がかつてないほど縮小したことを意味する。リベラル退潮はなぜここまで進んでいるのか。再生の道は。>
 くどいが、オノレの信条とする左巻き意見を広める時くらい、
タダで読ませろよ。それにしても惨めきわまりない記事だった。そもそもタイトルがこうだ。
 <まず敗北直視し絶望せよ/浅羽通明さん>
 <「食える生活」訴え再起を/五野井郁夫さん>>
 語るに落ちるとはこのことだろう。
直視して食っていればいいじゃん。そのまま死んでいけ。この惨めな妄想野郎のみなさん。

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