【人質事件】とても悲しい…でも日本のイスラム教徒への寛容さが世界に伝わった。
物事を多面的に考える
非道で残忍で、極めて悲しく暗いニュース。
イスラム国関係者以外の世界中の人々が、亡くなられた後藤さんに、心からのご冥福をお祈りしている状況だ。
こういうニュースは、いくらでも悲しく暗く報じられるし、実際、マスコミの多くが、そう報じているような印象だ。
しかし、
『物事を多面的に考える』
ということで、この出来事を改めて考えてみると、今、起こっているのは、悲観的なことばかりじゃないような気もしてくる。
例えば、この一件のお陰で、日本や日本人がどれほどイスラム教徒に対して親和的かが、改めて広く世界中に伝えられることになった。
前回のこのメルマガや、ブログの方でも取り上げたが、例えば、在日イスラム団体(イスラミックセンター・ジャパン)が、イスラム国へアラビア語や英語も含めたメッセージをインターネット上で発信し、それが広まったりしている。。
とても重要なので、再掲しておこう。
イスラミックセンター・ジャパンは以下の5つの理由を示して、人質を即座に且つ無条件で解放するよう強く要求した:
◆日本がパレスチナに対する最大の援助国
◆日本のイスラム教徒は平穏無事に暮らしている
◆日本政府はイスラム教徒の宗教活動に干渉しない
◆日本は、イスラム国を含めいかなる国にも宣戦布告しない世界唯一の国
また、
日本人の人質を殺すことについて、いかなる弁解の余地もなく、正当性もない。」
と厳しく非難している。
その他、インターネット上では、後藤さんの開放を求める「I AM KENJI」という運動も世界各地でグローバルに繰り広げられていた。
〔ご参考〕
●I AM KENJI
●I AM KENJI
今回、後藤健二さんが殺害されたことは、誰がどう考えたって、どんな言い訳とか言い逃れのできない、とても悲しい出来事だ。
でも、あまりに悲しい出来事であるがゆえ、世界中の人々の心を動かし、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報が、さらに世界中に拡散されることになる。
同じような悲劇を繰り返したくないと考えているのは、もはや日本人だけじゃないのだ。
むしろ、今回の一件で、世界的なイメージ悪化を懸念するイスラム教圏の国々や信者の方々は、すでに今回の一件について、各所で様々な活動や発言を行っており、そうした中で、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報も、大々的に広めてくれている。
これまで、イスラム系のテロ組織に日本人が殺害されたことはなかったので、当たり前って言えば、まぁ、そうなのだろうけど、歴史上これほどまでに、いかに日本がイスラム教徒に親和的かという情報が、英語、アラビア語を交えて世界中に広まったことは、なかっただろう。
とてつもない広報効果と言える。
多面的に考えてみると、悲しく暗いニュースにすら、それがあったからこそ生じてきた未来への希望のようなものは、何かしら潜んでいるというわけだ。
そう、どんな絶望的な状況でも、未来への希望は、何かしら潜んでいるのだ。