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上海の古い家とマンション(席子/Flickr) |
秘密の「100年戦略」中国超大国への策、米国トップ中国研究者が警告
【大紀元日本2月13日】米国トップレベルの中国研究者はこのたび新著書のなかで、半世紀近く携わった米中関係研究に基づいた、中国に対する「危険な思い込み」を明かし、米国政府に対中国政策を進言した。中国は1949年の共産党政権による建国から100年を迎える2049年までに、米国に取って代わる世界の超大国となる戦略を持っているという。 マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)氏は米国防総省顧問で著名シンクタンク・ハドソン研究所の責任者。同氏は技術や文明の後進国だった中国を、約半世紀前から産業技術や軍事力の提供に携わった経験を持つ。中国研究が始まった1969年当初、米国のリーダーたちは、中国への援助は「世界的な権力を持つことを望まない、民主主義で静かな大国になる」のに役立つと考えていたという。しかし「危険な思い込みで、間違いだった」と、新著書『100年戦略』のなかで指摘する。 米中の完全な協力関係は成立しない ピルズベリー氏は、米国と中国が関わることで、中国が欧米型の方針に転じると考えていた。また交易において、地域あるいは世界秩序の問題に関する見解の違いの溝を埋めると信じていた。しかし、これらの期待は叶わなかったという。例えば一部の分析者は、2001年に起きた米国同時多発テロ事件「9.11」以後、米中は「テロの脅威」という共通認識で手を組むことができると説いたが、中国は対米の敵対姿勢を変えなかった。これにより「米中共同作業の範囲の限界が明らかになった」という。 また「中国は民主化していない」と指摘する。中国は共産党の改革開放政策以後、30年で大きく変化した。しかし政治システムは米国が望んだような方向に進んでいない。ピルズベリー氏は中国広東省東莞に近い村の「民主主義」選挙を目撃した。それは民主主義国家が行うようなものとは程遠いもので、立候補者はポスター掲示やテレビ広告など、選挙宣伝は許されず、また国の収支の議論や将来を論じること、つまり共産党を批判することは禁止され、違反すれば犯罪とされた。候補者が唯一行っていたのは、個性の資質を比較する程度だったという。 中国の「敵を欺く」手法と「100年戦略」 1940年代、米国政府が中国について研究した結果、中国は米国が行うような戦略とは全く異なる手法を取っていたことが明らかになった。米国が直接的、明確さ、透明性に重きを置くのに対し、中国では曖昧さと騙し合い、間接的な係わりが有効だった。これは中国文学上の影響と指摘し、ピルズベリー氏は精神分析官の研究の一節を引用した。「毛沢東は軍事戦略上の指南として、『だますこと』を強調している。欺くことで敵の計画を崩壊させ、本来の意図しない行動に向かわせる」 クリントン政権の1990年代、ピルズベリー氏は国防総省と中央情報局(CIA)の依頼で、更なる中国研究を続けた。やがて中国のタカ派から、中国中央政府は米国の政策担当者を軍事、産業技術、経済援助など多方面で誤解を生じさせ、操ろうとしていることを知る。 またタカ派は毛沢東時代から中国の指導者に対して、現在世界をリードする米国へ「雪辱を晴らすため」、経済、軍事など、現在の米国の立場に取って代わるよう助言している。さらに共産党政権から数えて100年を迎える2049年までに、世界の覇権国家になるよう切望しているという。この計画は「100年戦略」と呼ばれている。 ピルズベリー氏は米国の情報アナリストや政府関係者に、中国の「敵を欺く」策とタカ派の野心について話したものの、多くは疑って信じなかったという。中国政府は「中国は覇権国家にならない」とささやいて他国を安心させようとしている、とピルズベリー氏は警告する。 「100年戦略」の強みは、この計画が秘密裏に行われることだと指摘する。この戦略は記録として書き残されることはないものの、北京の指導部にとっては公然の秘密だと分析する。しかし、最近は公になりはじめた。習近平政権が発足した2012年頃から、中国で長年交流してきたシンクタンクや学者などの識者が「中国主導の世界秩序」を口にし始め、さらに予想より早く計画が進んでいると明かした。 これらの識者は長らく「中国は、多極化する世界に適度なリーダー的役割を果たすだけ」と説いていたという。最近の訪中で、識者たちはピルズベリー氏と米国政府を騙していたことを認めた。この控えめな言い回しを信じることは「米国史における非常に危険な失敗」とし、この進行中の戦略が何であるかさえわからないうちは「アメリカは負けている」と強く警告した。 (翻訳編集・佐渡 道世)
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