チベット仏教の高僧で爆破事件に関与したとして中国四川省で収監されていたテンジン・デレク・リンポチェ氏が亡くなり、在外チベット人らから真相究明を求める声が上がっている。中国当局は病死と説明するが、米国務省も「中国当局が彼の死を調査し、詳細を明らかにすることを望む」と声明を出した。
 同氏は1950年生まれ。国営新華社通信(英語版)によると、12日、呼吸をしていないのを看守が見つけ、病院に搬送したが死亡が確認されたという。死因は心臓病としている。
 2002年にチベット独立派が四川省で起こしたとされる爆破事件などに関わったとして、同氏は執行猶予付きの死刑判決を受け、05年に無期懲役減刑された。支援者や国際人権団体は冤罪(えんざい)だと主張して釈放を求めていた。