パルデンの会

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北方領土問題を忘れてはいけない。そして北の脅威もあることを!

やはり後門の敵はまだ健在である。 
北方領土問題を忘れてはいけない。
そして北の脅威もあることを!

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月16日(金曜日)
       通算第4686号
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 欧米はロシアの軍事力を甘くみていた
  シリアで登場したスホイ34と巡航ミサイルの威力に専門家が瞠目
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 米国のハイテク兵器はどの国も、もはや追いつけないと考えられてきた。米軍の油断もあった。
 冷戦終結後、ソ連が崩壊し十五の共和国に分裂して、その大混乱に乗じて旧東欧の殆どがNATO、EU入りし、ロシアは孤立した。経済的困窮のなか、ロシアは軍事力の再建どころではなかった。

 ところが、9月30日から開始されたロシア空軍のシリア反体制派への空爆は、米国の専門家が驚愕・瞠目し、ロシアの軍事力の評価替えを行う結果となった。

 第一にスホイ34戦闘機の初登場と、その正確精密な打撃能力、しかも爆撃後、無人機ドローンをとばして、戦果の確認を行っていた。シリアのラトキア基地にはいつの間にかロシア海兵隊700名が上陸していた(もともと同港にはロシア軍が駐留している)。

 第二に巡航ミサイルの威力である。
 黒海にロシア艦隊は弐隻の軍艦を遊弋させているが、これはNATO海軍の監視下にある。
ところが900マイルをこえて、カスピ海から巡航ミサイルが打ち上げられ、シリアの攻撃対象を正確に撃った。
これは米軍の巡航ミサイルに勝るとも劣らないと外交筋、軍事専門家らの一致した見方である。

 第三にそのロジェスティック(兵站)の充実ぶりだという。
ロシアは戦闘の長期化にそなえ、野外キッチンのほか、ダンサー、シンガーも引き連れてきており、兵士のエンターティンメントを用意している。この点で米国は艦船の長期作戦や潜水艦の乗組員の25%が女性兵士となり、帰航すると多くの女性兵士は妊娠しているという。米海軍の士気の低下、モラルの乱れは統率が取れないレベルに墜ちているといわれる。

 クリミア戦争は隠密な軍事作戦だったし、ウクライナ東部の戦闘は傭兵だった。2008年のグルジア戦争では南オセチアにロシア軍が配備されたが、戦闘結果は芳しくなく、欧米軍事筋はロシア軍はたいしたことはない、と高をくくっていたフシがある。

 シリアにおけるロシア軍の急速な展開、その急襲ぶりとハイテク兵器の性能を西側は目の前に目撃することとなり、はからずもロシア軍の復活ぶりをしることとなった。