米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」は24日、沖縄県翁長雄志(おながたけし)知事の審査申し出を却下することを決めた。翁長氏は辺野古の埋め立て承認取り消しの効力を石井啓一国土交通相が止めたことを不服として審査を求めたが、「石井氏の決定は審査対象に当たらない」と判断した。

 係争委は今回が3回目で、非公開で約6時間半にわたり行われた。最終的に委員による多数決で却下を決めたが、賛否の数などは明らかにされなかった。
 委員会後、記者会見した小早川光郎委員長(成蹊大法科大学院教授)は却下の理由について、「国交相の判断が一見、明白に不合理とは言えない。従って、国交相の執行停止決定は係争委の審査の対象に該当するとは認められない。不適法として却下すべきものだ」と説明した。
 http://www.asahicom.jp/images/asahicom/hand.png翁長氏は11月2日に係争委に審査を申し出た。その際、石井氏の執行停止を「違法」と主張。「公権力の行使たる『関与行為』そのもの。係争委の審査対象になる」と訴えていた。委員会の決定に不服の場合は高裁に提訴できる。
 普天間の移設問題では今回の係争委のほかに、国が翁長氏を相手取って承認取り消しの撤回を求める代執行訴訟を起こしている。これに対し、県議会は18日、承認取り消しの効力を止めた国の決定を取り消すよう求める「抗告訴訟」を認める議案を可決した。(相原亮、上遠野郷)