日本を訪れているチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が、国会内で講演し、アメリカのトランプ次期大統領について、「世界全体の国々を導く立場として、民主主義にしたがった政治をぜひ行ってほしい」と述べました。
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は、16日午後、与野党の国会議員の要請に応じて、国会内で講演しました。
この中で、ダライ・ラマ14世は、アメリカのトランプ次期大統領について、「大統領選挙は非常に複雑な状況だったが、アメリカは民主主義をうたってきた国であり、世界の中で最も大きな力を持つ大国でもあるので、世界全体の国々を導く立場として、民主主義にしたがった政治をぜひ行ってほしい」と述べました。
一方、ダライ・ラマ14世は、中国との関係について、「中国政府は、チベットの優れた文化を持続することで、大いなる利益を受けることをはっきりと認識している。私はチベットの独立を求めておらず、私たちに最も必要なのは信頼関係だ」と述べ、チベット自治区の中国からの独立を求めないことを強調しました。
http://nl.simg.jp/img/201611/1050623.907b9c.jpg
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世による、
特別講演会の模様を生中継でお伝えいたします。
<a href="http://live.nicovideo.jp/watch/lv69345575">ダライ・ラマ法王14世 来日記者会見 主催:自由報道協会</a>
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この中で、ダライ・ラマ14世は、アメリカのトランプ次期大統領について、「大統領選挙は非常に複雑な状況だったが、アメリカは民主主義をうたってきた国であり、世界の中で最も大きな力を持つ大国でもあるので、世界全体の国々を導く立場として、民主主義にしたがった政治をぜひ行ってほしい」と述べました。
一方、ダライ・ラマ14世は、中国との関係について、「中国政府は、チベットの優れた文化を持続することで、大いなる利益を受けることをはっきりと認識している。私はチベットの独立を求めておらず、私たちに最も必要なのは信頼関係だ」と述べ、チベット自治区の中国からの独立を求めないことを強調しました。
2016.11.16 21:14 産経新聞
ダライ・ラマ14世が国会で講演 「文化が消えてしまう危機」 チベット議連も発足
http://www.sankei.com/images/news/161116/plt1611160034-n1.jpg 来日中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世が16日、国会内で講演し、中国の圧政下にあるチベットの現状について「古代から伝わってきた文化が消えてしまう危機にある。一人の僧侶として、仏教の形を維持していきたい」と訴えた。
©2016 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.
2016.11.16 21:15
【ダライ・ラマ14世講演詳報】毛沢東は私に「赤い旗の隣に国旗を維持せよ」と言った
http://www.sankei.com/images/news/161116/plt1611160036-n1.jpg◇
私は2011年、政治的な責任者の立場から完に引退しました。ダライ・ラマがチベットの政治、宗教の両面で指導者を兼ねるという4世紀にわたる伝統に終止符を打ったことになります。ただし、プライドをもって、喜んで、幸せに、引退することができたと考えています。
81歳を迎えました。残りの人生を過ごすにあたり3つの使命を自分に課しています。1つは、より幸せな世界にしていくために世の中の一人一人が責任を担う、その認識を広めていくことです。近代教育を通して、思いやりと優しさという人間の資質を世界の人々とともに高めていきたい。
第2の使命は仏教の僧侶としてです。インドにはさまざまに異なった宗教があり、お互いに調和をとって共存してきました。異なる宗教観の調和を図るという意味で、インドをよき模範とします。
人間は、内なる心の価値として、慈悲の心、他者に対する優しさと思いやりの心を持ちます。この心が芽生えるには、裏表のない人間で正直であることが大切です。これからの世界を担っていく若者は、知識のレベルにとどまらず、必ず内なる心の価値、他者への思いやりというものを忘れてはならないでほしい。また、政治家も裏表をない態度で活動をするならより多くの人から信頼を得るでしょう。
中国は30、40年前に比べ大きく変化しています。中国人は勤勉的な人々です。現実的になろうと努力をされて、市場を大切にし、経済を復興させようという政策に出た。現在、習近平国家主席は汚職をなくそうとしています。軍事関係者だけではなく、一般民においても、きれいな社会を作ろうとの努力を考えているようです。
中国は今まで閉ざされた社会で、習氏はそれを変えようとしたわけでしょう。言論の自由、報道の自由が求められるなか、自分たちで、汚職問題はハンドル(対処)できると考えた。どのような方向に向かうかは分からないが、困難に直面しようという勇気はたたえるべきものです。
ただ、どのような国であってもその国は人民たちのものでなければなりません。政府というものは常に移り変わっていくものですが、人民たちは常にそこで暮らしていかないといけないからです。中国は13億人の民衆のものです。すべての民衆が、中国政府のなしていることを知る権利を持っている。現状のように検閲を続けては中国政府が瓦解(がかい)する原因になります。
チベットと中国は民族的にも文化的にも違います。ですから中国人には、チベット文化を学び、また、それを維持することが大切だと理解してもらいたい。だが、中国は中国語を使えるチベット人を仕事の面で優遇し、チベット語から遠ざけようとしています。習氏が本当にまとまりのある国家を目指すならば、そのうたい文句は心の底から来なければならない。
全体的にみれば中国は変わりました。(中国人は)必ずやこの世界に対しても大きな貢献ができる民族だと私は思います。ただ、現在の政治システムを維持する限り不可能でしょう。私たちに必要なのは信頼関係だ。世界は自由と民主主義が生かされねばならない。かつてソ連は暴力ではなく民衆の希望によって変わりました。中国でもそのようになるのではないでしょうか。
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ダライ・ラマ法王14世 特別講演会 「グローバル世界における日本・チベット」
【会場のご案内】
2016/11/16(水) 開場:13:20 開演:13:30
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世による、
特別講演会の模様を生中継でお伝えいたします。
関連番組
<a href="http://live.nicovideo.jp/watch/lv69345575">ダライ・ラマ法王14世 来日記者会見 主催:自由報道協会</a>
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