「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)4月12日(水曜日)
通算第5265号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)激動の韓国取材のため 明日4月13日―17日が休刊となります
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中国、北朝鮮の石炭バージ船を追い返し始めた 南浦港に石炭の滞貨200万トン、中国の貿易会社が悲鳴
****************************************
中国が国連決議に基づき、北朝鮮からの石炭輸入を禁止すると発表したのは2月26日だった。
すでに出航していた分は陸揚げされたが、およそ60万トンが中国側の複数の埠頭で滞貨した。米中首脳会談直後の4月7日から、中国は北朝鮮の石炭船を南浦にUターンを命じた。
アジアタイムズ(4月11日)に拠れば、海上で立ち往生している北朝鮮の石炭バージ船が夥しく、およそ200万トン分あるとされる。また遼寧省丹東への旅行者の目撃談として、鉄道およびトラックの貨物輸送で鴨緑江を渡っている輸送量が従来の半分に減っているという。
一方、米中首脳会談での詳細の内容は明らかではないが、トランプ大統領はツィッターで、「中国が協力するなら素晴らしいが、それがなくともアメリカは単独で行う」として、攻撃の可能性が高まったことを示唆した。
北朝鮮は4月11日、米海軍空母カール・ビンソン打撃群を朝鮮半島周辺に派遣したことを非難し、「戦争」の準備はできていると警告した。これは国営の朝鮮中央通信(KCNA)が外務省報道官談話を伝えたもので、公式な反応を示したのは初めて。
「DPRK(北朝鮮)の侵略に向けた米国の無謀な策動が重大な局面に達したことを証明している」としながら、「DPRKは米国が望むあらゆる戦争に対抗する準備ができている」と言っている。
同日、北朝鮮では最高人民会議が招集され、五カ年計画などを協議したが、平行して行われた中央報告大会で、「金委員長が『東方の核大国、ロケット大国』の地位に押し上げた」と称え、「労働新聞」も同日付けで、「高出力エンジンの燃焼実験」に触れ、「核強国、軍事強国を世界に示した」などと勇ましい言説を展開した。
▼戦争の準備はできている
4月11日、イタリアで開かれていたG7外相・経済相会議ではシリア問題と平行して北朝鮮問題が議題となり、「核実験、ミサイル発射」を強い表現で非難するとともに、「制裁の効果的実施のために国際的な能力構築への取り組み強化」が共同声明に盛り込まれた。
南シナ海に関しても「大規模な埋立てなど(中国の)一方的な行動に反対」とする表現がなされた。
すでに米国は韓国への渡航に注意を促し始めており、また在韓アメリカ人の避難訓練を開始している。
日本の在留邦人はソウルに6万5千人、全土におよそ十万人といわれ、帰任した駐韓大使の重大任務は、この在韓邦人をいかに安全に非難させるかとなる。
また日本政府は米国側に対して「事前協議」を打診していることが分かった。
これは日米安保条約に基づくもので、北朝鮮有事、米国が軍事行動に踏み切る際には、在日米軍基地からの出撃が当然行われる。米軍がただちに軍事行動にでる場合、日米協議をふまえての行動を要請する。
いよいよ何かが始まる。
◇○み□◎◎や○◎○ざ○○□き□◇◇