- 特集
2018.2.15
中華人民共和国(中国)の建国は1949年10月。翌50年1月には、「チベットを帝国主義者の手から解放する」と宣言し、人民解放軍がチベットを侵略し始めた。当時チベットには「帝国主義者どころか外国人がほとんどいなかった」という。中国はチベットを自らの領土とし、ダライ・ラマ法王は国外に逃れ、チベット人犠牲者は120万人以上に上る。
著者は65年に支援者を頼り来日、52年になる。かつて中国が真っ先に侵略した東チベットの村から両親と命からがら逃げた体験を持つ。日本国籍を得た著者が、いまの日本を見ていて危惧を覚え、膨張する中国に警鐘を鳴らしている。
経済大国となった中国が推し進める「一帯一路」構想に日本は官民を挙げて追随しようとしている。中国の戦略は世界制覇に他ならず、やがて尖閣諸島どころか、沖縄、九州と奪取、日本を属国化する路線なのだ。
一方、外敵だけでなく内面の危機にも言及。改憲論議もおざなりのまま不毛なモリカケ追及を続ける国会、国際平和を唱え、日本をとりまく危機を報じないマスメディア、なにより領土を守る意味を理解しない大多数の国民…このままではチベットの二の舞いになる。著者はかつての日本人が当たり前のように持っていた公を大切にし、互いに助け合う「おかげさま」の精神に着目し、現代日本人の覚醒が急務と訴えるユニークな内容だ。
貼り付け元 <https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180215/soc1802150015-n1.html>