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中国人旅行客の駄々っ子騒動と有名女優失踪


朝鮮日報朝鮮日報日本語版 より転載
記事入力 : 2018/09/30 05:05

【コラム】中国人旅行客の駄々っ子騒動と有名女優失踪

   
 最近中国メディアに頻繁に登場する「覇座(バーツォ)」という新語がある。高速鉄道などで他人に席を占拠し、「退いてくれ」と言っても頑として動かず、ひんしゅくを買う人を指す。今月2日にはスウェーデンストックホルムのホテルのロビーに居座った60代の中国人夫婦と息子の「駄々っ子騒動」が両国間で大問題に発展している。
 問題は一行が午後2時のチェックイン時間よりも10時間も早い未明に到着したことが発端だった。彼らは「ロビーで休む」と言い、強引にソファーを占拠した。従業員が「規則上認められないので、立ち退いてほしい」と告げると、騒ぎを起こし、警察につまみ出された。その過程で彼らは勝手に倒れ込み、「警察が人を殺そうとしている」と抵抗した。中国国内からも「恥だ」という批判が飛び出した。
 中国外務省は半月後、今回の一件について、「スウェーデン警察による容認できないいじめと人権侵害だ」とし、謝罪と賠償を要求した。中国メディアは「これが自称人権先進国スウェーデンの実態か」と皮肉った。
 スウェーデン政府は呆れた。自国の旅行者の「覇座」行為を擁護して騒ぎ立てる中国は今、新疆ウイグル自治区で最大100万人と推定される少数民族を集団収容所に閉じ込めているとして批判されている。証言と文書、人工衛星写真、学術論文まで示されたが、中国政府は否定し続けている。
 中国はスウェーデン国籍者の拉致にまで及んだ。出版業者の桂民海氏が被害者だ。北京大を卒業し、民主化運動を身を投じていた桂氏はスウェーデンに移住し、市民権を取得した後、香港で中国に批判的な書籍を出版し、中国ににらまれる存在となった。
 2015年10月にタイで行方不明になった桂氏は16年、中国国営テレビ(CCTV)に登場し、過ちを反省した。桂氏は今も拘禁されているという。そんな中国がスウェーデンの人権に文句を付けたのは、スウェーデンが最近、チベットの精神的指導者であるダライ・ラマの訪問を認めるなど、中国の神経を逆なでしたことへの報復とみられている。
 こうした中、中国の有名女優、范冰冰が姿を消して3カ月がたった。脱税疑惑で捜査対象となって以降、100日以上消息が分からない彼女を巡っては、自宅軟禁、収監、亡命などの説がささやかれた。スウェーデンを舌鋒鋭く批判した中国政府や公式メディアは、范冰冰については押し黙っている。中国外務省の耿爽副報道局長は、范冰冰の失踪説に関する外国人記者の質問に対し、「それは外交問題なのか」と反論した。海外で騒ぎを起こした旅行客を「人権侵害の被害者」として扱っておきながら、最高の民間外交官である大衆スターが消えた事態については一斉に沈黙している。人権すらも共産党の思い通りに基準が変わる。それが中国が掲げる「新時代の中国の特色」なのだろうか。
李吉星(イ・ギルソン)北京特派員
朝鮮日報朝鮮日報日本語版