【北京=多部田俊輔】中国商務省は
ファナックなど日本メーカー5社などが同国に輸出する一部の工作機械に対して、反不当廉売(
ダンピング)調査を始めた。工作機械は
習近平(シー・ジンピン)最高指導部が掲げる産業高度化の長期戦略「中国製造2025」の重点領域になっている。米国との貿易戦争で業績に悪影響が及ぶ自国の工作機械業界を保護する狙いもあるとみられる。
中国商務省に調査申請した3社は中国国内だけでなく、米国拠点を通じて工作機械を輸出していたとみられる。しかし、工作機械が米中貿易戦争で制裁関税の対象になったことから、中国国内での販売を増やす必要に迫られ申請に踏み切ったとの見方も出ている。
日本工作機械工業会(東京・港)によると、2017年の工作機械の輸出額は7862億円で、輸出額全体(約78兆円)の約1%。そのうち、中国向け輸出は約3割で、日本メーカーにとって主力市場となっている。