パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

楊海英・新間聡『モンゴル最後の王女』(草思社文庫)

 

宮崎先生のブログより 現在旅行中なんでしょう!!

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宮崎正弘の国際情勢解題」
令和元年(2019)12月8日(日曜日。開戦記念日)
      通巻6297号(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」改題) 
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 (本号はニュース解説がありません)
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<<読書特集>>
楊海英・新間聡『モンゴル最後の王女』(草思社文庫)
樋泉克夫のコラム【知道中国】                   
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 モンゴルの英雄チンギスハーンの末裔はいかなる人生と直面したの
  いつしか中国共産党は「中華民族の英雄」扱いしていた

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楊海英・新間聡『モンゴル最後の王女』(草思社文庫)
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 チンギスハーンの末裔、モンゴル最後の王女の物語である。
 原版は1995年に『チンギスハーンの末裔』として刊行され、本書は加筆・修正のうえ文庫入りした。
 チンギスハーンの御陵は(御陵と称するものだが)、壮大な敷地に記念館があり、オルダスから南へクルマで二時間ほど南下した砂漠にある。付近の街はまさに「門前街」で、チンギスカーンの土産物屋とモンゴル鍋のレストランが並んでいる。
 中国共産党文革時代にモンゴル人の大虐殺、徹底した民族浄化行った。そのチンギスカーンを、何を思ったか英雄として祭り上げ、そればかりか『中華民族の英雄』として教育方針を変えた。ご都合主義も、こうなると出鱈目、つまり中国のいう「歴史」なるものはフェイクの固まりである。
 それはさておき、評者(宮崎)は数年前に、内蒙古省のフフホトまで飛行機を乗り換えて行き、そこから汽車に乗ってパオトウ(包頭)へ向かい、さらにレアアースの街でもあるパオトウで長距離バスに乗り換え、オルダスで一泊。翌朝、タクシーを雇って南下し、チンギスカーンの御陵を見に行ったことがある。
到着までに三日を要する旅なのである。
 他方、モンゴル共和国の首都はウランバートル。自由化され資本主義化のプロセスにあるが、ウランバードルには欧米の一流ホテルも進出し、盛況を極める。五年か、六年前、ウランバートルを再訪した際に、ガイドとクルマを雇って、郊外に建てられたチンギスハーン記念館を見学した。
 金ぴかの外装。門前には鷹匠もいる。乗馬ができる施設もあって、遊牧民族チンギスの往時を偲ぶ仕掛けとなっていた。
 この英雄の血を受け継いだ王女は、一枚だけ美しい写真を残した。これを、著者の楊海英は譲り受けたという運命の出会いがあった
 彼女の運命はあまりにも過酷だった。その艱難辛苦、涙の物語は、じっくりと本書にあたっていただくことにして、問題のひとつはなぜモンゴル人が中国共産党によって虐殺、拷問、差別の対象とされたかという動機である
 アジアでも、もっとも親日的なのは台湾とモンゴルであるインド親日は打算的であり、トルコの其れは外交の戦略が絡み、ミャンマーやスリランカ、タイなどの親日は仏教の絆が原点にある。そのモンゴルの親日こそ、虐待の動機とされた。『日本に協力的なことが犯罪』というのである。
 日本は戦前、モンゴルに政治的力を入れて、親日政権を樹立し、敗戦がなければ、立派な独立国として、国際政治に輝ける存在だったであろう。
 戦後、モンゴルは北京語が強要され、モンゴル語は廃れた。言語を失うことは民族のアイデンティティを奪われることである。
 テントでの生活の営みも、寺院も破壊され、民族のアイデンティティは風前の灯火となった。チベット、ウィグルの悲劇はいま、世界のメディアも伝えるが、その前にあったモンゴル人の悲劇に関しては知らない人が多いのではないか。
 モンゴル人の理想は、現在のモンゴル共和国、内蒙古自治州、そし旧ソ連、いまのロシアにあるブリヤート自治共和国との『合邦』である。ブリヤート人縄文人の源流とも言われるほど、日本人と顔つきも似ている。
 ウランバードルを歩くと、日本人かと思われる人々が夥しくいると嘗てNHKが特集を組んだこともあった。
王女の悲劇の半生をドラマティックに綴りながらも、民族の魂魄に迫り、本書は歴史の真髄を呼びかけている。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1994回】                   
──「支那を亡すものは鴉片の害毒である」──上塚(12)
上塚司『揚子江を中心として』(織田書店 大正14年

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 湖南省における春原の孤軍奮闘振りから、上塚は「海外に於る事業家の苦心」に思いを致す。

  「海外に於る企業家の苦心、犠牲、其の多くは本國に知られずして葬らる。未開の異郷に於て、異國人を相手とし、赫々たる事業の大成を見る迄には、其の蔭に果して幾何の犠牲が捧げらるゝぞ。然るに、此の燃ゆるが如き國家愛と事業慾より、身命を賭し、勇奮して虎口に飛込む人々の心意氣も、本國の資本家や當路者には何等の感興をも與へず、如何に容易に蹂躙されつゝある歟。吾輩は日本國民が、此等海外に於ける開拓者に向つて更に多くの涙を以て接せん事を切望に堪へず」。

  かく上塚は義憤を隠さないが、どうやら当時から「燃ゆるが如き國家愛と事業慾より、身命を賭し、勇奮して虎口に飛込む人々の心意氣」は、「本國の資本家や當路者には何等の感興をも與へ」なかったらしい。海外雄飛、今で言うなら国際化の道は日本人にとっては絵に描いたモチ、あるいは陽光を浴びた道路の先に現れる逃げ水──前に進むほどに遥か前方に行ってしまい遂には捉まえられない──のようなものだろうか。

  岳陽楼見物の後、漢口を指して長江を渡るべく長沙の停車場に至る
 「構内は待合も、プラツトホームも悉く武装せる軍隊に占領せられ、一般乘客は此等軍隊に脅かされ乍ら一隅に畏縮れり。兵士の多くは無智にして暴慢、掠奪凌辱の常習犯なり。其の武器を擁して良民に對するや、慘忍無動求むる所、之を得ざれば飽かず、若し其の命に反せんか、凶手忽ちにして頭上に下る。ホームに立てる人々の眼の如何に懼戰るかを見よ」。まさに「好鉄不当釘、好人不当兵(良い鉄はクギにならず、良い人は兵士にならない)」のである。

  いよいよ「上海より大江を遡る事六百有餘里、漢水の長江に注ぐ三叉點に、江を隔てゝ武昌と相呼び、水を劃して漢陽と相應ふる」ところの漢口に到着する。同地は長江の中流に当たり、四川、貴州、陝西、河南、湖北、湖南の接点に位置し、また長江下流との物流のハブでもある。かくして「諸外國人競うて極東の遺利を拾はんとして來るに及んで、漢口の通商は、益々繁榮するに至つた」わけだ。

  日清戦争の敗北に因って清国が眠れる獅子であることを知った西欧列強は、「相爭うて長江一帶の利權獲得に大活躍を始め、茲に楊子江流域の地は世界外交の舞臺と變じ、漢口亦注目の焦點たるに至つた」のである。

  その後、重慶が対外開放されて長江水運によって漢口と結ばれ、やがて長沙など湖南省の要衝が外国に向かって開かれたことから、「固陋自尊を以て知られたり湖南の人士をして自由に文明の空氣に浴せしめ」ることになった。

  いわば日清戦争敗北を機に、清国は列強諸国の圧力を前に長江流域の重要内陸港を次々に対外開放せざるを得なくなった。その中心である漢口では「開港以來諸外國は其の勢力の扶植に腐心し、英、露、佛、獨、日の五國相次いで租界を建設する等、鋭意劃策し、從て各國の商社、工場等逐年其の數を増加するに至つた」。

 列強諸国のこのような動きに応じて、「久しく廢頽困眠の中に在りし(長江)沿道の各省に新活氣を與へ、地方富源の開發を促せると共に一般人の購買力を増大せるのみならず」、漢口中心の商圏を確立したのである。「斯くして漢口は今や上海大連に次ぐ支那第三位の貿易港として益々其の前途を嘱せられ」、近接する武昌、漢陽を合わせて人口146万人余の大都会に変貌し、「『東洋のシカゴ』『支那の大阪』と評せらるゝに至つた」のである。

「固陋自尊」「廢頽困眠」をブチ破る対外開放の威力は、昔も今も同じようだ。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)12月3日快晴の日、秩父神社の「秩父夜祭」に初めて行ってきました。日中は屋台(山車)の上で演じる明智光秀主人公の歌舞伎「絵本太功記」や日本舞踊「藤娘」や「天の岩戸開き」神楽などを楽しんでいました。
 夜も更けて深夜22時「秩父夜祭」の屋台・笠鉾巡行のフィナーレが近づき、最後尾の屋台である「本町屋台」が秩父市御花畑駅近の団子坂の登坂にかかろうとする祭の最高潮のとき、「襦袢着(屋台の運行方向指示係)」が、秩父夜祭の見物客に即位を祝い弥栄を祈り天皇陛下万歳三唱をと請うのです。
それに応え、なんと周りの大勢の見物客および屋台の曳き手等の運行連中が「天皇陛下万歳」と声を張り上げつつ三度唱えているではありませんか。私も急遽万歳三唱に参加していました。
天皇陛下を仰いでの新年一般参賀天皇陛下の即位を祝う11月9日の国民祭典、天覧相撲、勅使参向の橿原神宮での紀元祭などでは、しばしば、「天皇陛下万歳」三唱に遭遇しますが、陛下御臨席のない勅使もいない場での盛大な万歳三唱は初体験でした。
秩父市の団子坂の現場には、NHK朝日新聞産経新聞、共同通信など大手メディアの記者、地元ケーブルテレビ局の飯能日高テレビの生中継スタッフなど張り付いていました。しかしながら「秩父夜祭のフィナーレで秩父の山々にこだまする天皇陛下万歳三唱の大合唱」といったニュースバリューの高い報道は生中継していた地元ケーブルテレビ局を除いて一切なかったようなので、ここにお伝えします。
秩父夜祭は、日をまたいで4日の0:20祭礼行事が終わります。
神様は高天原方面等に御帰還になり見物客も帰路につき祭の喧噪がウソのようです。各町内の収蔵庫前に到着した屋台・笠鉾が月明かりに浮かぶ深夜2時から4時頃の祭のあとの風情は、日本人に生まれてよかったとの感慨にひたれる時間空間でもありました。   
(KU生、杉並)


宮崎正弘のコメント)大手メディアは本当に大事なことを伝えないですね。だから「マスゴミ」。
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●◎ 宮崎正弘独演会,IN 横浜 ◎●
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横浜方面の愛読者のみなさんへ。宮崎正弘独演会のご案内です。(予約制です)
             記
とき  12月11日(水曜日) 午後六時
ところ 神奈川県民サポート・センター 三階304
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/u3x/cnt/f5681/access.html
講師  宮崎正弘(作家、評論家)
演題  「余命半年の中国・韓国経済と世界」(仮題)
資料代 千円
予約  (045)263-0055
主催  自治調査研究会<予約必要です。若干の余席があります>
              ◎
(なお東京方面の読者の皆さんには、令和二年(2020)1月15日、大手町にて「正論を聞く会」、宮崎正弘独演会があります。年明けに告示します)
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